
横浜で今、TICAD=アフリカ開発会議が開かれています。人口の増加が見込まれ、ビジネスチャンスの場としても注目されるアフリカに、日本はどう商機を見いだしていくのでしょうか。
国際会議に合わせて、今、横浜で行われている過去最大規模のビジネスイベント。およそ200の企業などが出展する中、異彩を放つブースが。
記者
「イベント会場では、TICAD初の試みとして、日本のアニメが紹介されているんです」
日本が世界に誇る漫画とアニメ。この人気、実はアフリカにも及んでいるのです。
イベントに登壇するため、ナイジェリアから来日したジョージさん(27)。高校生のとき、初めて見たアニメに衝撃を受けたと話します。
ナイジェリア出身 ジョージさん
「見てすぐに『大好きだ』と思いました。終わったときは『ワオ』って感じで、私の一部になりました」
この気持ちを共有したい。そこでジョージさんが立ち上げたのが…
ナイジェリア出身 ジョージさん
「コミュニティを作るため、『オタクTV』を始めました」
その名も「オタクTV」。当初はアニメについて投稿するチャンネルでしたが、そのうち実際に集まり、コスプレ大会といったイベントを開催するようになったのです。
ナイジェリア出身 ジョージさん
「今では誰かに『オタク』というと、『私はアニメファンであることを誇りに思っている』という意味になります。(オタクは)名誉の証のようなものです」
世界に広がる「オタク」イベント。今やアフリカ各国で定期的に開催されるまでになっています。
イベントの収益に加え、アニメをきっかけに日本に興味を持つ人が増えれば、その経済効果は計り知れないと話します。
ナイジェリア出身 ジョージさん
「アニメがきっかけで日本文化に興味を持ち、日本語を学んだりラーメンや照り焼きを食べたくなる。これは最高レベルの『ソフトパワー』と言えるでしょう。アフリカの人は日本や日本経済と関わりを持ちたがっているのです」
自分たちの国の価値観や文化によって相手を魅了し、味方をつくる「ソフトパワー」。日本の場合、その一つが漫画やアニメかもしれません。
一方、違う「ソフトパワー」で影響力の拡大を試みているのが中国です。ケニアでは、およそ20年前から中国語教育が普及し、今では小学生の授業にも導入されています。また、中国政府は毎年、ケニアの記者を北京に招待して研修を実施しています。
その狙いは何なのか。知り合いが研修に参加したというケニアのジャーナリストによると…
ケニア在住ジャーナリスト デニスさん
「ケニア人ジャーナリストは、中国の様々なメディア会社やインフラ開発の現場に連れて行かれて見学します。ケニアに戻ると、中国の発展について肯定的な記事を書くのです」
ただ、こうした研修がケニア人の思想に影響を与えるわけではないと強調します。
ケニア在住ジャーナリスト デニスさん
「(研修に行った記者は)口をそろえて『中国には戻りたくない』と話します。彼らが持ち帰る印象はネガティブなのです」
それでも、中国の存在が大きいことに変わりはなく、日本は政府も民間も含め、様々なレベルでアフリカと関わるべきだと指摘します。
巨大市場アフリカにどう進出していくか。国の総合力が問われそうです。
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