選挙にも影響を及ぼしかねない、プログラミングによる“バズり”。専門家は「外国勢力による干渉の疑い」を指摘しています。一体、どういうことなのでしょうか。
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突然「政治切り抜きチャンネル」に 背景に“プログラミング拡散”?
井上貴博キャスター:
とあるYouTubeチャンネルでは、日本語でゲーム実況を行い、ひとつの動画あたりの再生回数は300回程度でした。しかし方針転換をして、2024年の東京都知事選挙の際に石丸氏の切り抜き動画を投稿したところ、10万回再生されました。
その後、兵庫県知事選では「斉藤知事」、参院選では「参政党」の動画を投稿するなど、選挙の度に“切り抜き動画”を投稿します。ライバル候補のネガティブキャンペーンなどもするようになったということです。
どうすればバズるのか、ネタ探しや話題探しをして、話題に合わせて扱う内容を変えていくことはよくありますが、専門家は分析を進めているといいます。
TBS報道局 政治部 堀宏太朗記者:
先ほどのYouTubeの例について、情報分析に詳しい中央大学の田代光輝特任准教授は、「動画投稿の直後に、明らかに不自然な形で再生数の増加がみられた」としています。
井上キャスター:
“不自然な形で”というのは、どういうことが想定されるのでしょうか。
堀宏太朗記者:
“プログラミングによる拡散”というものがあります。情報操作をしている組織のようなものが数千のアカウントを持っていて、投稿されてからものの5分以内に数千の「いいね」や「リポスト」などをして、一時的に投稿をバズらせます。これにより「おすすめ」に載るため、一般人の目にも留まり、さらに拡散されるという仕組みです。
つまり第一段階のバズりの部分が、プログラミングによって自動的に行われているのではないかという疑いが出ている状況です。
井上キャスター:
「そろそろ無法地帯のSNSに規制をかけるべきだ」という意見もあれば、「テレビを含めたオールドメディアは信用ならないし、既成政党の都合のいいようにルールを作ることには反対だ」という意見もあると思います。
サバンナ 八木真澄さん:
僕は、どちらかというと規制した方がいいと思います。テレビでもきちんとルールを決めていますよね。ロボットがやっているのは、僕はちょっとどうかなと思います。確かに、今回の選挙で切り抜き動画が流れてきて、僕も影響されました。
仕組まれた“バズり”狙いは? 個人では太刀打ちできない時代へ
井上キャスター:
サイバーセキュリティの専門家で「Japan Nexus Intelligence」の髙森雅和代表によると、不自然な“バズり”には「外国勢力による干渉の疑いもある」と言います。その目的は何かというと、▼日本に分断を作ること、▼政府の意思決定に影響を与えることなどが考えられるそうです。
堀宏太朗記者:
他の専門家も、「どこかの組織の主義主張を日本の中で浸透させたい」という目的ではなく、色々な主張をバズらせて国の分断を煽ることで、政治を停滞させ国力を低下させることが狙いなのでは、としています。
出水麻衣キャスター:
受け取る側である私達が「リテラシーや知識をつけて防衛していこう」という議論がありますが、それは有効なのでしょうか。
堀宏太朗記者:
私もそう思って取材をしていましたが、実はもう、その領域を超えてしまっています。「個人が気をつけて情報に接する」という段階ではないそうです。次から次に出てきてしまうので、イタチごっこになってしまうという感じです。
井上キャスター:
バズりが意図的なものなのか、自然発生的なものなのかを個人で見分けることは、難しくなってきています。そのため、ルールを作るにしても、第三者の客観的な視点が大切なのかもしれません。
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〈プロフィール〉
堀宏太朗
TBS報道局政治部 総理官邸担当
スポーツ局出身 巨人・ロッテ番など
サバンナ 八木真澄さん
お笑い芸人 2児の父 昨年に難関国家資格FP1級を取得
「ブラジルの人聞こえますか~!」など1000個以上のギャグを持つ
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