ネット通販などを利用したときに代金と引き換えに宅配便を受け取る「代金引換サービス」。国民生活センターによると、この「代引き」をめぐるトラブルが去年に比べて、なんと3倍に増えているそうです。
急増する“代引きトラブル” その手口とは…
山形純菜キャスター:
代引きのトラブルが相次いでいるということで、国民生活センターは注意喚起をしています。
代引きのメリットとして、商品が確実に届いてから支払えるということがあります。先に支払いをしてから商品が届かないというトラブルは防ぐことができます。また、カード情報を事業者に伝えずに決済が可能で、カードの不正利用を防げるというメリットもあります。
国民生活センターによると、代引きトラブルに関する相談件数は、2024年4〜6月は1551件でしたが、2025年は約3倍の4498件まで増加しています。
悪質業者は審査の厳しいカード決済より、代引きを選びがちだといいます。
では、どのような相談が寄せられているのでしょうか。
1つ目のケースです。60代男性が、SNSで大手メーカーのロゴが掲載されているポータブルファンヒーターの広告を見つけました。そこには「すぐに暖まる!」「2台でおトク!」という言葉が書かれていました。2台で8000円、代引きで購入しました。
しかし、実際に商品の箱を開けてみると、「すぐに暖まる!」と書かれていたのに全然暖まらず、大手メーカーに問い合わせたところ、「当社では製造していません」との回答があったといいます。
注文確認メールに2次元コードがあったため、そこから連絡をして返品を申し出ても、返答はなく、国民生活センターに相談を寄せたということです。
こういった「空調・冷暖房機器」の相談件数は2番目に多いといいます。
2つ目のケースです。60代の女性が、SNSの動画広告で「綿80%・麻20%のズボンが4着で10000円」という広告を見つけました。代引きで10000円で購入しましたが、箱を開けてみると、ポリエステル100%のズボンが届いたということです。
メッセージアプリで「商品が違うので返品したい」と連絡したところ、「商品に問題ない、2割の返金でどうか」という提案がありましたが、振込先を教えるのは不安ということで、相談が寄せられました。
こういった「洋服」をめぐる相談が一番多いといいます。
スポーツジャーナリスト 増田明美さん:
便利さにつけこんでいますが、便利さの裏にはリスクがあるといいますから、そのリスクが怖かったら、やはり顔が見えるところで購入するしかないですよね。
井上貴博キャスター:
あとは証拠を残しておくことですよね。業者名を確認したり、商品ページをスクリーンショットして残しておくなど、そういうひと手間をしておかないとあとの祭りですよね。
トラブルに巻き込まれないための対策と怪しい通販サイトを見抜くコツ
山形純菜キャスター:
では、どうしたらいいのか対策を見ていきましょう。
代金を支払う前は受け取り拒否が可能なので、しっかりと商品を確認してください。しかし、箱を開けてみないと本物かどうかわからないこともあると思います。
では、宅配業者の目の前で箱を開けて、中身が違ったら返金できるのでしょうか。
消費者トラブルに詳しい佐藤みのり弁護士によると、「その場で開封して違う商品だとわかってもすでに受け取り済みのため、宅配業者に返金を求めるのは困難」だといいます。
怪しいと思ったものは買わないようにはしてほしいですが、国民生活センターによると、怪しい通販サイトを見抜くコツとして、▼販売価格が大幅値引きされている、▼日本語の表現がおかしい、▼代引き配達のみ、▼販売業者の情報が表示されていないものなどは怪しいということで、よく確認するようにしてください。
井上貴博キャスター:
商品を受け取るとき中身は確認しないですし、家族が頼んだのかなと思ったら受け取ってしまいますし、そこの裏をかいてくるということですね。
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〈プロフィール〉
増田明美さん
スポーツジャーナリストとして「細かすぎる解説」が話題に
ロサンゼルス五輪 マラソン日本代表
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