がれきを巻き上げながら、住宅を横切る竜巻…。静岡県の広い範囲に被害をもたらした竜巻。推定される風の強さが、国内の統計史上最大級だったことが分かりました。
【写真を見る】静岡・牧之原市の竜巻“観測史上最大級”だったと判明…同じ市で「5年間で4回発生」なぜ? 竜巻から身を守るには…【news23】
“国内最大級”の竜巻だった 気象庁
竜巻の発生から3日。8日夜も住宅街は真っ暗のまま。男性は非常用のランタンの明かりを頼りに、この夜を乗り切ります。
「(Q.水分補給はこまめに?)そうですね、こまめにしてます」
そう話す男性の首元は汗でびっしょり。一緒に暮らす母親は自宅の中で突風に飛ばされ、体の一部を打撲しました。
「猫と一緒に来たらバーンって飛ばされて、あれ(ドア)がポンってなって、壁にぶつかって」
中部電力によれば、停電の復旧作業は完了したということですが、男性の自宅は屋根の配線を直す必要があるため、家に電気が通る見通しは立っていません。また、家にはヤムちゃんのほか、2匹の猫がいるため、避難所には行けないと話します。
「屋根がない方もかなり多い。皆さんから声かけあって『頑張ろうね』みたいな感じでやってる」
静岡県牧之原市などで確認された竜巻について、気象庁は8日、突風の強さは推定で風速およそ75メートルだったと発表しました。これは「国内の統計史上最大級」の強さです。
撮影した中村桐龍さん(18)
「木みたいなのも舞ってたし、周りの家も瓦とか無くなったりしていた。エグかったです」
映像を撮影した中村さんが住む家は屋根の一部が剥がれるなどの被害を受けました。このあとアパートは取り壊される予定だそうです。
中村桐龍さん(18)
「今まで自分が住んでた家がなくなってしまい、厳しいです」
記者
「竜巻の発生から3日が経ちましたが、道端には折れた電柱や木の板が積まれています」
最高気温33.8℃。住民たちの片付け作業は続きます。
「(暑さが)こたえます、本当に」
同じ市で「5年で4回」なぜ?
牧之原市で74人がけが、住宅被害は1110棟にのぼった「国内最大級の竜巻」。特徴は被害が広範囲で確認されたということです。
中村さんが映像を撮影したのは5日12時58分。この3分後、6キロ離れた場所でも激しい突風が確認されたのです。
数分の間に離れた場所で、なぜ相次ぎ確認されたのか。
竜巻の発生メカニズムに詳しい 防衛大学校 小林文明 教授
「大きな積乱雲の下に大きな竜巻がうまれ、大きな竜巻が非常に強くなると、中に子どものような竜巻がいっぱいおこる」
小林教授によると、非常に強い竜巻の場合、その大きさは直径1キロにもおよぶことがあり、大きな渦の下では小さな竜巻が発生。これが同時多発的に起こったことで、広範囲で被害をもたらしたとみています。
さらに、牧之原市で竜巻が発生したのは、この5年の間に今回で4回目。湾に面した平野という地形がその要因だといいます。
防衛大学校 小林文明 教授
「積乱雲が発達して上陸しやすい。遮るものが無い所で竜巻が起こる。海に面した平野部は竜巻が起こりやすい」
小林教授によれば、9月から11月は竜巻が起こりやすい時期。もしも竜巻に遭遇したら、建物の中で「風通しの悪い場所」を探すことが重要だといいます。
防衛大学校 小林文明 教授
「アメリカなどでは『バスタブの中に逃げましょう』という教育をされている。バスタブの中で子どもを抱え下にして、自分が上になる。毛布やクッションなどで頭を守る」
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