就任から2週間。外交から国政へと舞台を移した高市総理。4日は、総理肝いりの2つの政策をめぐり相次いで初会合を開きました。午後には、初の国会論戦に臨みましたが、「物価高」や「政治とカネ」など野党からの指摘にどう答えたのでしょうか?
【写真を見る】「日本成長戦略本部」の看板掲げ、笑顔で撮影に応じる高市総理
高市総理 初の国会論戦 野党の追及にどう答えた?
4日、自らがトップを務める「日本成長戦略本部」が発足しました。戦略本部では、AIや半導体など17の戦略分野を設け、今後の経済政策の議論を進めます。
午後には初の国会論戦へ。議場に入る際も笑顔がみられました。
頭を下げて挨拶をすると大きな拍手が…
迎えた各党の代表質問。トップバッターの立憲民主党・野田代表がまず切り込んだのは、「政治とカネの問題」です。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「政治とカネの問題について、決着がついたかのごとく人事を決められたことは大変遺憾。総理は政治とカネの問題はけじめがついたとお考えでしょうか」
高市総理
「それぞれの議員が丁寧に真摯に説明責任を尽くしてきたものと考えている。改正政治資金規正法をはじめ、ルールを徹底的に順守する自民党を確立する覚悟でございます」
喫緊の“物価高対策”については、野田氏が高市氏の過去の発言を問いただしました。
立憲民主党 野田代表
「(5月に高市総は)『国の品格として食料品の消費税率は0%にするべき』と発言されている。(立憲は)今国会中の成立を目指しているが、総理、共に実現しませんか」
高市総理
「消費税率の引き下げについては、事業者のレジシステムの改修等に一定の時間がかかる等の課題にも留意が必要であると考えている」
一転、消費税減税に慎重な姿勢を示した高市氏。
野田氏からの追及は他にも。
初の与党・維新に“緊張感” 高市総理が「補足説明」も
10月28日に行われた日米首脳会談。アメリカ側は、「高市氏がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦すると伝えた」と説明しています。
立憲民主党 野田代表
「総理は今も、トランプ大統領をノーベル平和賞の候補に推薦するつもりか」
高市総理
「推薦の事実、及びこれを前提としたお尋ねにお答えすることは差し控える」
「ゼロ回答」にヤジが飛びました。
“初めての立場”で論戦を交わすのは、高市氏だけではありません。
日本維新の会の藤田共同代表は、初の“与党”として質問に立ちました。
日本維新の会 藤田文武 共同代表
「改革を実行するためには、まずは『隗より始めよ』という姿勢が必要不可欠。その一つが衆議院議員定数の1割削減」
高市総理
「議員定数の削減は身を切る改革として重要な課題であると認識しており、合意書の内容を踏まえ、御党と共に取り組む決意」
別の質問の際には言葉に詰まるなど、緊張感が見られた藤田氏。
答弁を終えた高市氏が「補足説明」のため、再び壇上に上がる場面もありました。
高市総理
「藤田議員の早口で聞き取れなかったところがございました。申し訳ありません」
税金を身内に?維新・藤田氏に“公金還流疑惑”
その藤田氏ですが、国会終了後の会見で“ある疑惑”について真っ向から反論しました。
日本維新の会 藤田 共同代表
「記事は恣意的に作られたものであると私どもは理解している」
「恣意的な記事」とは、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」日曜版の報道です。それによりますと、藤田氏側が2024年までの8年間に、公設第1秘書が経営する会社に「ビラデザイン」などの名目で、あわせて約2000万円分を発注していたというもの。その9割以上は、「政党交付金」などの公金だったといいます。
そして、その会社から秘書に、2024年は年間720万円の報酬が支払われていたといい、「身内への税金還流では」との声が上がっていました。
維新の“創業者”、橋下氏からも…
橋下徹氏のXより
「ついに維新もこのような公金マネーロンダリング的なものを許すようになったか」
「知事・市長でこんなこと許されたら、ボロ儲けできるわ」
こうした指摘に対して藤田氏は…
日本維新の会 藤田 共同代表
「法的にはどこから切り取っても適正であるということは確認している。『秘書だったらチラシ発注してすぐできるやろ』みたいな話があると思うが、デザイン業務をなめすぎ、はっきり言って」
記事によると、秘書が経営する会社は印刷機がなく、所在地は秘書の自宅マンションだといいます。
記者
「公設秘書はスーパーマンのような方か。会社を経営する一方で、公設秘書の業務もこなしている。ほとんど社長業をやらなくても済むような会社だと疑わざるを得ない」
日本維新の会 藤田 共同代表
「スーパーマンです」
藤田氏は疑念を持たれないために今後、秘書の会社への発注は取りやめるとしています。
記者
「共同代表は続投するのか?」
日本維新の会 藤田 共同代表
「そのつもりですけれども」
維新の吉村代表は今後、秘書や本人が代表を務める会社に対して公金の支出を禁止するよう内規を変更する考えを示しました。
支持率82%は“期待値”?
小川彩佳キャスター:
連立を組む維新の藤田共同代表に公金の還流疑惑が出る中でも、JNNの電話世論調査では、高市内閣は82%と非常に高い支持率です。
小説家 真山仁さん:
信じられない数字ですが、高市総理にとってこれは本当にいいことかどうかと少し疑問です。
まだ何も始まっていませんよね。ある程度色々な政策が実行されて結果が出て高いのであればすごいことなんですが、これは多分“期待値”なんです。
結局は、話したこととパフォーマンスに対する評価ですよね。期待値は一番うまくいかないときに一気に下がります。逆に言うと、本当にちょっとしたことで、ものすごく反感を買う可能性があります。
今までは1人の政治家としての発言で済みましたが、今は総理大臣の発言になるので、“日本の発言”になります。そういう意味では、この支持率によって高市総理が何か勘違いをして、ついうっかり一言言ってしまうことによって、せっかくの支持率がダメになる危険性を感じて行動された方がいいかなとは思います。
小川キャスター:
期待をどう形にするのかが問われる、それだけ重くのしかかるものがあるわけですね。
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<プロフィール>
真山仁さん
小説家
2004年「ハゲタカ」でデビュー
近著に政治家のリーダーシップを描いた「アラート」
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