今回初めて、巨大地震への注意を呼び掛ける「後発地震注意情報」というものが出されました。
地震大国ニッポン 背景に4枚のプレートのせめぎあい
日本は世界屈指の地震大国です。その理由は、日本列島が世界でもほとんど例を見ない4枚のプレートがせめぎ合う位置にあるからです。海側のプレート2枚が、陸側のプレートの下に潜り込むことでひずみがたまって、境界付近で地震が多く発生します。
世界で発生するM6.0以上の地震の2割近くが実は日本周辺で起きています。M9.0の超巨大地震「東日本大震災」も、プレートの境界で起きました。
実は、東日本大震災が発生した2011年3月11日の2日前、同じ海域でM7.3の地震が起きていました。「もしこの地震が起きた直後に、注意を呼びかけていたら被害を減らせたかもしれない」という教訓をもとに3年前に導入されたのが、今回初めて出された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」です。
このエリアでは8日の地震と同じ規模以上の地震が発生する可能性が約1%と、いつもより10倍に高まっているのです。
東北大学・災害科学国際研究所の今村文彦教授は「この海域は特にひずみが蓄積しやすく、約40年に1度、M7からM7.5クラスの地震が起きている。さらに400年前には巨大地震も発生した」と指摘しています。国は最大震度7、津波は最大30m、死者は最悪で約20万人の被害を想定しています。
「注意情報」が出たとき具体的にとるべき行動とは
現在、注意情報は震度6弱以上や3m以上の津波が想定される7道県182市町村に出ています。ここで求められているのは「通常の生活を続けながら備えを強化する」ことです。
具体的には…
▼靴や非常時の持ち出し品を枕元に置いて、すぐに逃げられる服装で寝る
▼家具の固定や避難ルートの確認、家族の連絡方法を決めておく
▼冬のため、防寒対策も必要
政府は津波からの早めの避難を徹底することで、死者を19.9万人から3万人にまで減らせるとしています。注意情報は15日いっぱいが期限ですが、その後も可能性がゼロになるわけではないため、備えは必要です。
例え“空振り”でも防災対策を
一方、北海道・三陸沖以上に巨大な地震が起きると警戒されているのが南海トラフ地震です。政府の地震調査委員会は2025年9月、発生確率を見直して「30年以内に60~90%程度以上」などとしています。
こちらは危険度に応じて「巨大地震警戒」と「巨大地震注意」の2つの呼びかけがあります。2024年8月には、今回と同程度の対応が求められる「注意情報」が初めて出されました。
今後、最も危険度が高い「巨大地震警戒」が出された場合は、沿岸部などの一部地域には“事前避難”が求められます。
防災対策は野球のバッティングに例えられることがあります。
今村教授は「政府の情報で“空振り”となっても、防災意識を高める自分のための“素振り”と捉えて地震に備えてほしい」と話しています。
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