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2026-02-16 16:10
知育菓子(R)『ねるねるねるね』が今年40周年を迎えた。お馴染みの魔女が登場するCMが放送され、混ぜることで色や形が変化する様に、子ども心に強烈な“驚き”や“ワクワク”をもたらした思い出も。子どもを取り巻く遊びの環境は時代とともに変化してきたが、40年という長い歴史の中、『ねるねるねるね』は”体験”の本質をどう守り、時代の変化に対応しながら価値を維持してきたのか? クラシエ株式会社の担当者に話を聞いた。
【写真】こんなイメチェンしたの!? 『ねるねるねるね』象徴の”魔女さん”最新ビジュアル
■かつてのファンが大人になり、親子二代で「ねるねるねるね」を楽しむ時代に
ただ食べるだけでなく、「ねる」「混ぜる」という遊びの要素を取り入れたお菓子として誕生した『ねるねるねるね』。そのアイデアの元は、子どもたちの砂場の泥んこ遊びだったという。
「当時の開発担当者が、砂場で泥遊びをする子どもたちを見て、『お子様が大好きな”ねる””混ぜる”という動作を取り込めば、夢中になれるお菓子を作れるのでは』と思いついたのが始まりです。専用トレーを付けることで、遊びの場そのものを商品化し、体験価値を高められる子ども菓子として誕生しました」(クラシエ『ねるねるねるね』担当・木下優さん/以下同)
その不思議で面白い体験が子ども心を掴み、発売後すぐに大ヒット。今年40周年と大ロングセラーを続けている。今もなお愛されている最大の要因としては、「自分で混ぜて色や形状の変化を楽しむという設計ですが、お子様が本質的に楽しめる動作をお菓子に取り入れたこと。また混ぜながら魔法の呪文をかけるように口ずさんでもらえるように『ねるねるねるね』という商品名にしましたが、この一度聴いたら忘れないインパクトのある商品名もロングセラーの要因かなと思います」と木下さんは分析している。
スプーンやパッケージなど時代と共にアップデートされた部分もあるが、「ねると色が変わって膨らむ変化」は発売以来変わらない絶対条件で、商品独自の価値だという。
「まるで魔法をかけているかのような不思議な体験ができることが『ねるねるねるね』の最も楽しいポイント。この体験が記憶に残り、原体験となることで『またやりたい!』という気持ちや大人になった時の懐かしさに繋がり、ブランドとして長く親しんでいただけていると考えています。また、どの『ねるねるねるね』にもトッピングが付いていて、食べる時の見た目の可愛さや食感も楽しさを付与する役割となっています」
実は『ねるねるねるね』が登場する以前の1979年以降、知育菓子の前身として『プカポン』『ムクムク』『ツブポン』といった商品があったが、「袋に粉が入っているだけの商品だったので、すぐに飽きられてしまった」とのこと。1986年に発売した『ねるねるねるね』では初めて専用のトレーやスプーンが付けられたことで、専用の“遊び場“としての付加価値を高めてきた。
子どもの頃に『ねるねるねるね』を体験した世代は今20~40代の大人となり、ノスタルジーとともに商品を手に取って親子で楽しむフェーズに入った。昨今のレトロブームも相まって、さらにロングセラーを目指すチャンスだととらえている。
「保護者の方からしても、子どもの頃に楽しんだ商品の方が親しみや安心感、懐かしさから手に取っていただきやすいと思いますし、二世代で楽しんでいただくシーンの広がりにも繋がると考えています。また『子どもの頃、自分は買ってもらえなかった』という皆さんにも改めて商品を知っていただき、『こんなに楽しい商品なんだ』とポジティブなイメージでご購入いただけたらと思います」
■今ではゲームやSNSの”時間の競合“となった『ねるねるねるね』の現在地
『ねるねるねるね』が発売された1986年と比べて、子どもをとりまく社会環境は大きく変わった。外遊びが主流だった時代から、家庭用ゲームやインターネット、デジタルコンテンツが身近になり、遊び方や楽しみ方の選択肢が増えている。そうした中、ユーザーの商品に対する期待の変化はあったのだろうか?
「『楽しみ方』など本質的に期待されてることは変わりません。一方で、お子様や保護者の世代が入れ替わる中、お子様の嗜好性、商品を選ぶ際に”気にする点”や”選択肢”は大きく変化しています。たとえば、お子様が酸っぱさを感じやすくなったり、健康意識への高まりから『身体に悪そう』というイメージが持たれるようになっています。そこで味を定期的に見直して酸味を抑えたり、中身がどんなお菓子か目に見えてわかるようにして”身体に悪そう”なイメージを払拭してきました」
1986年に発売された初代の『ねるねるねるね』は、メロン味だったという。
「現在の定番の味の決め手は、飽きずに楽しんでもらえるかどうか。『ねるねるねるね』は酸と重曹の反応を活かしたお菓子のため、フルーツや炭酸飲料と味の相性が良いのです」
その後も定期的に味の調査を続けながら、1999年にぶどう、2005年にソーダを発売。この2つが現在、定番フレーバーとして定着している。さらに期間限定商品や沖縄、北海道など地域限定の商品を含め、これまで約50種ものフレーバーが発売されている。
2020年からのコロナ禍では「おうち時間」需要から知育菓子のニーズも高まり、売り上げも2割ほど伸びた。それに伴い、ユーザー側が楽しみ方をアレンジする動きも見られている。「かき氷にトッピングとして『ねるねるねるね』の粉をかけたり、作った『ねるねるねるね』をパンケーキに乗せたり…。2022年には『大人のねるねるねるね』を発売し、知育菓子の新たな挑戦として、大人市場を広げていくことにも力を入れています。お客様それぞれに楽しみ方を広げていただくことで、『またやって』に繋がるきっかけの創出になると考えています」
一方、遊びのトレンドの変化については、「知育菓子は主に自宅で作って食べるまでの工程を楽しむ“アナログ”な体験機会なので、ゲームやデジタルコンテンツの普及は“時間の競合”になると考えています」という木下さん。「知育菓子がなくても自宅で楽しい時間を過ごせる今、どうすれば商品を選んでもらえるのか?」という点が大きな課題であり、その解決案の一つとして、最近は知育菓子にデジタル要素を取り入れているという。
「たとえば、作ってできたものをかざして世界観を広げるARや、パーティーシーン向けの『DXねるねる』でトッピングを選んで盛り上がれる『トッピングルーレット』というゲームを用意しています。スマホなどを使って、アナログとデジタルの両方で楽しめる設計にもチャレンジしています」
このような遊びの要素はもちろん、『ねるねるねるね』をはじめとする知育菓子には工程の最後に“食べる”という要素があるのが大きなポイントだという。「ねったり混ぜたりするだけでは、粘土などでも済みます。その先に“食べる”という工程があるから、より記憶に残りやすく、知的好奇心を刺激するきっかけにもなります。学びに対して『美味しい』とポジティブな気持ちになれ、子どもたちの自信を育むことにも繋がると思います」
■あの“魔女”と共に歩んだ40年 本質的な”体験の核”を守り続ける意思
『ねるねるねるね』の発売前、当時20~30円の駄菓子が多い中、100円という破格の価格設定や、横向きで売り場の幅を取る商品サイズだったことから「売れっこない」と社内からは批判的な声もあったというが、蓋を開けたら大ヒットを記録。商品自体の魅力もさることながら、“魔女”が登場する印象的なテレビCMもこのヒットを牽引したと言えるだろう。
「魔女さんは『ねるねるねるね』にとって、なくてはならない存在。インパクトのあるCMによって『どんなお菓子なんだろう』と興味を引き、お子様たちを『ねるねるねるね』の世界観に誘導するナビゲーター的役割を果たしました。魔女さんも商品と同じく今年で40周年。これからも一緒に愛してもらえるように、“魔女さん変身プロジェクト”(一般から広く変身のアイデアを募り、魔女さんを変身させるキャンペーンを実施)を通じて新しい姿に生まれ変わります」
発売当時は「謎めいている」ことが商品の特徴だったが、知名度が上がるにつれて「なんだか怪しそう」「でも体に悪いんでしょ…」という声が聞かれることもあった。合成着色料や保存料は不使用なのに、誤解されていた部分を解くために発信してきたという。
「食は健康との結びつきも強いので、安全・安心な品質の商品を発売できるよう品質基準での管理は徹底しています。商品のカラフルな色は自然由来の原料から作られていますが、そのことをパッケージの裏面や自社サイトのQ&Aなどで定期的に訴求しています」
さらに40周年の施策として新味も発売。2月16日発売の新作『ねるねるねるね うちゅうのフルーツ味』は参加型プロジェクト「みんなでつくるねるねるねるね」で多くの方から寄せられたアイデアをもとに誕生したものだ。
「過去もこれからも、お子様の本質的なニーズや『ねるねるねるね』の“体験の核”は変わらないと思いますが、時代に合わせて楽しみ方や楽しむシーンはさらに広がりを見せていくと考えています。ロングセラー商品の認知度を高めると同時に、お菓子を作る楽しさや美味しさを高めた新商品を今後も定期的に投入していきたいです」
※『知育菓子』はクラシエの商標登録です。
(取材・文/水野幸則)
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■かつてのファンが大人になり、親子二代で「ねるねるねるね」を楽しむ時代に
ただ食べるだけでなく、「ねる」「混ぜる」という遊びの要素を取り入れたお菓子として誕生した『ねるねるねるね』。そのアイデアの元は、子どもたちの砂場の泥んこ遊びだったという。
「当時の開発担当者が、砂場で泥遊びをする子どもたちを見て、『お子様が大好きな”ねる””混ぜる”という動作を取り込めば、夢中になれるお菓子を作れるのでは』と思いついたのが始まりです。専用トレーを付けることで、遊びの場そのものを商品化し、体験価値を高められる子ども菓子として誕生しました」(クラシエ『ねるねるねるね』担当・木下優さん/以下同)
その不思議で面白い体験が子ども心を掴み、発売後すぐに大ヒット。今年40周年と大ロングセラーを続けている。今もなお愛されている最大の要因としては、「自分で混ぜて色や形状の変化を楽しむという設計ですが、お子様が本質的に楽しめる動作をお菓子に取り入れたこと。また混ぜながら魔法の呪文をかけるように口ずさんでもらえるように『ねるねるねるね』という商品名にしましたが、この一度聴いたら忘れないインパクトのある商品名もロングセラーの要因かなと思います」と木下さんは分析している。
スプーンやパッケージなど時代と共にアップデートされた部分もあるが、「ねると色が変わって膨らむ変化」は発売以来変わらない絶対条件で、商品独自の価値だという。
「まるで魔法をかけているかのような不思議な体験ができることが『ねるねるねるね』の最も楽しいポイント。この体験が記憶に残り、原体験となることで『またやりたい!』という気持ちや大人になった時の懐かしさに繋がり、ブランドとして長く親しんでいただけていると考えています。また、どの『ねるねるねるね』にもトッピングが付いていて、食べる時の見た目の可愛さや食感も楽しさを付与する役割となっています」
実は『ねるねるねるね』が登場する以前の1979年以降、知育菓子の前身として『プカポン』『ムクムク』『ツブポン』といった商品があったが、「袋に粉が入っているだけの商品だったので、すぐに飽きられてしまった」とのこと。1986年に発売した『ねるねるねるね』では初めて専用のトレーやスプーンが付けられたことで、専用の“遊び場“としての付加価値を高めてきた。
子どもの頃に『ねるねるねるね』を体験した世代は今20~40代の大人となり、ノスタルジーとともに商品を手に取って親子で楽しむフェーズに入った。昨今のレトロブームも相まって、さらにロングセラーを目指すチャンスだととらえている。
「保護者の方からしても、子どもの頃に楽しんだ商品の方が親しみや安心感、懐かしさから手に取っていただきやすいと思いますし、二世代で楽しんでいただくシーンの広がりにも繋がると考えています。また『子どもの頃、自分は買ってもらえなかった』という皆さんにも改めて商品を知っていただき、『こんなに楽しい商品なんだ』とポジティブなイメージでご購入いただけたらと思います」
■今ではゲームやSNSの”時間の競合“となった『ねるねるねるね』の現在地
『ねるねるねるね』が発売された1986年と比べて、子どもをとりまく社会環境は大きく変わった。外遊びが主流だった時代から、家庭用ゲームやインターネット、デジタルコンテンツが身近になり、遊び方や楽しみ方の選択肢が増えている。そうした中、ユーザーの商品に対する期待の変化はあったのだろうか?
「『楽しみ方』など本質的に期待されてることは変わりません。一方で、お子様や保護者の世代が入れ替わる中、お子様の嗜好性、商品を選ぶ際に”気にする点”や”選択肢”は大きく変化しています。たとえば、お子様が酸っぱさを感じやすくなったり、健康意識への高まりから『身体に悪そう』というイメージが持たれるようになっています。そこで味を定期的に見直して酸味を抑えたり、中身がどんなお菓子か目に見えてわかるようにして”身体に悪そう”なイメージを払拭してきました」
1986年に発売された初代の『ねるねるねるね』は、メロン味だったという。
「現在の定番の味の決め手は、飽きずに楽しんでもらえるかどうか。『ねるねるねるね』は酸と重曹の反応を活かしたお菓子のため、フルーツや炭酸飲料と味の相性が良いのです」
その後も定期的に味の調査を続けながら、1999年にぶどう、2005年にソーダを発売。この2つが現在、定番フレーバーとして定着している。さらに期間限定商品や沖縄、北海道など地域限定の商品を含め、これまで約50種ものフレーバーが発売されている。
2020年からのコロナ禍では「おうち時間」需要から知育菓子のニーズも高まり、売り上げも2割ほど伸びた。それに伴い、ユーザー側が楽しみ方をアレンジする動きも見られている。「かき氷にトッピングとして『ねるねるねるね』の粉をかけたり、作った『ねるねるねるね』をパンケーキに乗せたり…。2022年には『大人のねるねるねるね』を発売し、知育菓子の新たな挑戦として、大人市場を広げていくことにも力を入れています。お客様それぞれに楽しみ方を広げていただくことで、『またやって』に繋がるきっかけの創出になると考えています」
一方、遊びのトレンドの変化については、「知育菓子は主に自宅で作って食べるまでの工程を楽しむ“アナログ”な体験機会なので、ゲームやデジタルコンテンツの普及は“時間の競合”になると考えています」という木下さん。「知育菓子がなくても自宅で楽しい時間を過ごせる今、どうすれば商品を選んでもらえるのか?」という点が大きな課題であり、その解決案の一つとして、最近は知育菓子にデジタル要素を取り入れているという。
「たとえば、作ってできたものをかざして世界観を広げるARや、パーティーシーン向けの『DXねるねる』でトッピングを選んで盛り上がれる『トッピングルーレット』というゲームを用意しています。スマホなどを使って、アナログとデジタルの両方で楽しめる設計にもチャレンジしています」
このような遊びの要素はもちろん、『ねるねるねるね』をはじめとする知育菓子には工程の最後に“食べる”という要素があるのが大きなポイントだという。「ねったり混ぜたりするだけでは、粘土などでも済みます。その先に“食べる”という工程があるから、より記憶に残りやすく、知的好奇心を刺激するきっかけにもなります。学びに対して『美味しい』とポジティブな気持ちになれ、子どもたちの自信を育むことにも繋がると思います」
■あの“魔女”と共に歩んだ40年 本質的な”体験の核”を守り続ける意思
『ねるねるねるね』の発売前、当時20~30円の駄菓子が多い中、100円という破格の価格設定や、横向きで売り場の幅を取る商品サイズだったことから「売れっこない」と社内からは批判的な声もあったというが、蓋を開けたら大ヒットを記録。商品自体の魅力もさることながら、“魔女”が登場する印象的なテレビCMもこのヒットを牽引したと言えるだろう。
「魔女さんは『ねるねるねるね』にとって、なくてはならない存在。インパクトのあるCMによって『どんなお菓子なんだろう』と興味を引き、お子様たちを『ねるねるねるね』の世界観に誘導するナビゲーター的役割を果たしました。魔女さんも商品と同じく今年で40周年。これからも一緒に愛してもらえるように、“魔女さん変身プロジェクト”(一般から広く変身のアイデアを募り、魔女さんを変身させるキャンペーンを実施)を通じて新しい姿に生まれ変わります」
発売当時は「謎めいている」ことが商品の特徴だったが、知名度が上がるにつれて「なんだか怪しそう」「でも体に悪いんでしょ…」という声が聞かれることもあった。合成着色料や保存料は不使用なのに、誤解されていた部分を解くために発信してきたという。
「食は健康との結びつきも強いので、安全・安心な品質の商品を発売できるよう品質基準での管理は徹底しています。商品のカラフルな色は自然由来の原料から作られていますが、そのことをパッケージの裏面や自社サイトのQ&Aなどで定期的に訴求しています」
さらに40周年の施策として新味も発売。2月16日発売の新作『ねるねるねるね うちゅうのフルーツ味』は参加型プロジェクト「みんなでつくるねるねるねるね」で多くの方から寄せられたアイデアをもとに誕生したものだ。
「過去もこれからも、お子様の本質的なニーズや『ねるねるねるね』の“体験の核”は変わらないと思いますが、時代に合わせて楽しみ方や楽しむシーンはさらに広がりを見せていくと考えています。ロングセラー商品の認知度を高めると同時に、お菓子を作る楽しさや美味しさを高めた新商品を今後も定期的に投入していきたいです」
※『知育菓子』はクラシエの商標登録です。
(取材・文/水野幸則)
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