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「インクルーシブデザイン」とは?難病や障がいのある当事者と企業の開発者によるワークショップ「つくるをひらく」

国内
2026-02-17 17:29

「インクルーシブデザイン(Inclusive design)」と「ユニバーサルデザイン」の違いとは?


難病や障がいのある当事者と企業の開発担当者が一緒に「インクルーシブデザイン」について考えるワークショップ「つくるをひらく」を取材しました。


【写真を見る】「インクルーシブデザイン」とは?難病や障がいのある当事者と企業の開発者によるワークショップ「つくるをひらく」



 
「インクルーシブデザイン(Inclusive design)」と「ユニバーサルデザイン」。どちらも「誰もが使いやすいデザインを作る」という目的は同じですが、作る過程に違いがあります。


「ユニバーサルデザイン」はデザイナーがデザインするもので、「インクルーシブデザイン」は高齢者や障がい者、外国人など、従来のデザインで利用者像に認識されていなかった人々を初期段階から巻き込み、できるだけ多くの人が利用できるよう"一緒に"デザインを作っていく手法です。
 


難病や障がいに対する偏見の解消へ。プロジェクト立ち上げの契機

今回のワークショップを主催したのは非営利型一般社団法人エニワンプロジェクトです。
メンバー3人全員が、指定難病である「多発性硬化症」の当事者です。


非営利型一般社団法人エニワンプロジェクト代表理事 狐崎友希さん
「私も杖を使っていたときに、いろいろな偏見の目があり、仕事を辞めざるを得なくなりました。また、杖をついて面接に行ったら『それいつ治りますか?』と聞かれて、この会社は杖をついていたら駄目なんだと思いました。
仲間からも、障がい者雇用になったけど、全然配慮がないとか、逆に簡単なコピーとかシュレッダーとか、そういう仕事しか任せられないという声も聞きました。
本当はバリバリ働いていた方とかもたくさんいるので、もうちょっと理解があってもいいなって思っています」


狐崎さんは元々、患者会で同じ病気の人たちと交流する活動をしていたのですが、もっと他の病気の人たちとも交流して、活動の輪を広げていきたいという思いで、エニワンプロジェクトを立ち上げたと話します。


当事者とメーカー担当者の話し合いで挙がる多様なアイデア。

ワークショップでは様々な案が挙がりました。


●関節炎でボタンを留めるのが大変な人向けに、ボタンを大きめにする。


●皮膚疾患があって、フケなどが出やすい人向けに服の肩あたりをサラサラした
生地で滑りやすくして、フケが服から落ちやすくする。


●バッグのポケットをカスタマイズできるようにして、それぞれの用途に応じて、配置を変えたり、ファスナーの閉め方を変えたりできるようにする


・・・などの案が挙がっていました。


ワークショップに参加していた当事者の声
「今回、別の疾患の方もいて、実は悩みが似ていたりとか、こういうアイデアを入れたら、さらにいいものができるのでは、などと話し合えて、多角的にいろんな話ができました」


「私自身、小売業をやっていながら、当事者でもあります。当事者の視点が入ることは開発の段階でも大事なことと思っているので、試みとして面白い。メーカーさんなどが興味を持っていただければありがたい」


「貴重な意見をいただけたり、自分が今まで培ってきた感覚技術とか、デザインに関することとかも取り入れてもらえたりとかもしました。来てすごく意味があったなと実感しています」


『握力の弱い人』と『つけ爪をしている人』の悩みって・・・同じなんじゃないか?

今回は3つの班に分かれてワークショップを行っていました。


ある班で「『握力の弱い人』と『つけ爪をしている人』の悩みって同じなんじゃないか?」という発言がありました。


その班では、紙をめくるときに使う指サックがつけ爪をしていると着けづらいため、穴をあけて着けられるようにする、といった文具系商品の案が出ていました。


今回、取材していて気づいたのは、疾患や症状が違っていても、”悩みが同じ”ということです。


障がいや疾患の有無に関係なく、共通の悩みが発見されたり、同じようなものを便利と感じていたりしていました。


そういったことは、このようなさまざまな人が参加して交流する場でしか発見できないことだと思いました。


開発担当者だけで集まるワークショップは開発担当者だけの目線になる

ワークショップに参加した企業の開発担当者
「開発担当者で集まるワークショップというのは、やはり開発担当者だけの目線にもなり、考えが寄ってきちゃうところもある。
今日は立場が違うさまざまな方々が集まって議論することで、全然違う、先入観をとっぱらって話ができた」


「悩み事も自分の延長線じゃないですけど、例えば納豆のパックのカラシが開けづらいとかも、私も日々感じているけども、それをより大きく感じやすいとか、それぐらいの違いなのかなとか思ったりして、ある意味、近いなと感じました。当事者起点で全員に使えるモノを作ろうというのは、そういった視点から考えるのもありだと思いました」


企業の担当者たちも、今回のワークショップで気づいたことなどを持ち帰り、今後の開発に活かしていきたいと話していました。


今回のワークショップへの取材を通じて、病気や障がいの有無に関係なく、「人」主体の交流ができる世の中になっていってほしいと思いました。



(TBSラジオ「人権TODAY」担当:恒藤泰輝)
 


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