神奈川県警の警察官が不適切な交通違反の取り締まりを行っていた問題で巡査部長ら7人が書類送検されました。県警のトップは「信頼を大きく損なうもの」として謝罪しました。
交通反則切符に「ウソ」記載 不適切取り締まりの実態
神奈川県警が川崎市ストーカー殺人事件をめぐるずさんな対応を謝罪してから、まだ5か月あまり。今度は、交通違反の取り締まりが不適切だったとして、巡査部長ら7人が書類送検されました。
神奈川県警 今村剛 本部長
「信頼を大きく損なうものであり、県警察の責任者として、深くお詫びを申し上げます」
書類送検されたのは、第2交通機動隊に所属する警察官7人。交通違反切符に虚偽の内容を書いて交付した疑いが持たれています。
一体どんな不適切な取り締まりをしていたのでしょうか。
先導していたとされるのが、40代の巡査部長です。
どんな“不適切”取り締まりを行っていた?
記者
「こちらの小田原厚木道路で不適切な取り締まりが繰り返されていました」
そもそも東名高速(法定速度100km)から小田原厚木道路(制限速度70km)に進んだドライバーは、高速道路が続いていると思い込み、速度超過をしてしまうことが多いそうです。
道路の利用者
「(取り締まりを)見ます、見ます。だから意識して走ってますよ」
通常、スピード違反などの取り締まりはパトカーが、取り締まり対象の車と同じ速度で一定の車間距離をあけて追跡し、違反を認定します。
ところが、巡査部長(40代)らは十分な距離を追跡せずに違反を認定。交通反則切符の「追跡した距離」を書く欄には、「ウソの距離」を記載して交付していたといいます。
約100人が免許取消や停止に 違反取り消しも「ねつ造はなかった」
巡査部長(40代)が関わった不適切な取り締まりは、2年9か月の間に、約2700件。この影響で、約100人が免許取消や停止となっていた他、約1000人が優良ドライバーでなくなるなど免許区分が変更されたということです。
巡査部長(40代)
「悪質な違反は取り締まって、道路交通の場から排除したかった」
「今思えば…間違った正義感だった」
さらに、交通違反の取り締まりでは、客観性を確保するため、取り締まった警察官を現場に立ち会わせ、「実況見分調書」を作成することもありますが…
巡査部長(40代)
「行かなくても作成できるだろ」
実況見分を行わず、別の巡査長らがネットにある地図や過去のデータを使って調書を作成し、検察庁へ提出していました。
調査結果を踏まえ、神奈川県警は約2700件の違反取り消しを決定。総額約3500万円の反則金を返還するとしました。
ただ、法定速度を守った車を取り締まるといった「違反のねつ造はなかった」ということです。
「意見が言いづらかった」部下が語った本音
道路の利用者
「(一般市民としては)どれが本当でどれが嘘なのかという見極めがつかないので、そこをちゃんとはっきりしてもらいたい」
「今後、信頼関係っていうんですか、どんどん崩れていっちゃうんじゃないか」
不適切な取り締まりは、巡査部長だけの問題だったのでしょうか。
取り締まりの際に、助手席に座っていた部下の巡査長は、こう話しています。
巡査長
「巡査部長の無理がある取り締まりが嫌で仕方がなかった」
「意見が言いづらかった」
経験豊富な上司の巡査部長に指摘することができなかったといいます。
神奈川県警 今村剛 本部長
「疑念を抱いた隊員が、交通違反取り締まりの在り方について、他の上司等に相談を行うことができる状況になかった」
神奈川県警は、書類送検された40代の巡査部長を懲戒免職とするなど、計18人を処分したということです。
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