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あなたはどれに当てはまる? 4つの歌唱パターン診断でわかる上達のステップ 4人に1人が無自覚な“内的フィードバック”こそ歌が上手くなるカギ!

国内
2026-03-08 07:00

懸命に練習しているのに、どうしても音程がズレてしまう。あるいは、そもそも自分が合っているのかさえ確信が持てない。


【画像を見る】「4つの歌唱パターン」あなたはどれに当てはまる?


楽しく盛り上がれるはずのカラオケで「音を外す恐怖」に悩まされることはないだろうか。友人との遊びだけでなく、歓送迎会や忘年会など、会社のイベントで行くこともあるかもしれない。


文教大学・教育学部の小畑千尋教授は「音程がうまく取れない理由の根底にあるのは、能力の欠如ではありません。“内的フィードバック”がうまく機能していないことが原因かもしれません」と話す。


あなたはどのタイプ? 自分の声を客観視する「4つの歌唱パターン」

小畑教授によると、「まずは自身の“歌唱パターン”を知ることが悩み解決への第一歩」だという。


チェック方法はいたってシンプル。信頼できる第三者に協力してもらい、以下の手順で確認をする。


【歌唱パターン チェック方法】
(1)同じ高さで声を合わせてみる
相手に「ラー」と一定の高さで声を出してもらい、自分も同じ高さで「ラー」と声を合わせる。

(2)自分の感覚を相手に伝える
歌い終わったあと、「ピッタリ重なった気がする」「ズレた気がする」など、自分の感覚を相手に伝える。

(3)判断してもらう
実際に同じ高さで声を出せていたかどうかを、相手に判断してもらう。


この「自分の感覚」と「実際の音高(音の高さ)」の結果を照らし合わせることで、自分が以下の4つのうち、どのタイプに当てはまるかが見えてくるという。


【4つの歌唱パターン】
▼パターン1:バッチリタイプ

【実際の音高:合っている / 本人の感じ方:「合っている」】
同じ音高に合わせられ、自分でも「今、ピッタリ合っている」と分かっている理想の状態。


▼パターン2:たまたまタイプ(偶然の一致タイプ)
【実際の音高:合っている / 本人の感じ方:「合っていない」】
同じ音高に合わせられるが、自分では確信が持てない。「なんとなく出したら合っていた」という状態で、曲が変わると音が取れなくなることもある。


▼パターン3:ズレを自覚できるタイプ
【実際の音高:合っていない / 本人の感じ方:「合っていない」】
同じ音高では合わせられないが、自分でも「あ、今外れたな」と分かっている状態。自分の声を客観的に捉えることができている。


▼パターン4:まいごタイプ
【実際の音高:合っていない / 本人の感じ方:「合っている」】
自分の出している音高が合っていると感じているが、実際の音高は合っていない。つまり、音高が合っているかどうかが分かっていない状態。


このように、人によって「自分の声をどう捉えているか」はバラバラだ。この認識の違いを生んでいる正体こそが、小畑教授の提唱する「内的フィードバック」である。


4人に1人ができていない?上達のカギは“内的フィードバック”

なぜ自分では合っているつもりでもズレていたり、逆に合っていても自信が持てなかったりするのか。その鍵を握るのが「内的フィードバック」だ。


簡単に言えば、「自分の歌声が狙った音とピッタリ合っているか、自分自身で判断する認知能力」のことをいう。


実は、自分の歌声を正確に聴くのは、歌のプロであっても難しい。
なぜなら、自分の声を聴くとき、耳(外耳)から入ってくる空気の振動だけではなく、骨を通しても伝わる音「骨伝導」も同時に聴いているからだ。


録音した自分の声を聴いて違和感を抱くのは、この骨伝導の響きが含まれていないためである。つまり、歌っている最中の自分は、他人が聴いているのとは違う「特別な響き」を聴いていることになる。


そのため、他人の歌声のズレはすぐ分かっても、いざ自分の声となると認知が難しくなってしまう。


歌うことは、ただ声を出すだけでなく「自分の声を聴き、狙った音とピッタリ合っているか自分自身で答え合わせをする作業」でもある。この脳内での答え合わせがうまくいかないと、音高が合っているかどうかが分からなくなってしまうのだ。


歌が上手な人は、何も考えずに音を当てているわけではない。「あ、今少し高いな」「少し低いな」という小さな違和感に自分ですぐに気づき、瞬時に微調整している。


この「自分の音高・音程が合っているかどうかが分かる力(内的フィードバック)」こそが、上達に不可欠な鍵だという。


小畑教授の研究によると、小学6年生の時点でも約4人に1人が内的フィードバックができておらず、なんとなくの音程で歌っていることが判明したという。


ちなみに、この調査で男女の差はほとんど見られなかったとのこと。
つまり、性別に関係なく「自分の声が合っているか判断しにくい」という壁は、誰にでも起こりうる発達プロセスのひとつと言えるだろう。


小畑千尋 教授
「4人に1人と聞くと多いと感じるかもしれませんが、それは能力が低いわけではありません。ただ、その感覚を育てる機会が少なかっただけ。自転車に乗れるようになるのと同じように、学習できるスキルなので、大人になってからでも十分身につけることができます」


 “内的フィードバック”の有無で変わる練習法

4つの歌唱パターンは、内的フィードバックができているか・いないかの2グループに分けることができ、上達にあたり、それぞれ目指すべきステップが異なる。


【◎内的フィードバックが「できている」人】
・パターン1(バッチリタイプ)

今のままでも十分に歌えている。さらに上達したいなら、表現力やテクニック、高度な発声練習に進むのがおすすめ。

・パターン3(ズレを自覚できるタイプ)
「ズレている」と自分で気づけているので、喉や体の使い方などの「発声練習」を重点的に行おう。


【×内的フィードバックが「できていない」人】
・パターン2(たまたまタイプ)

音高は合っているが、それは偶然の一致。まずは「音が合っている状態」を自分で認知できるよう、内的フィードバックを磨く必要がある。

・パターン4(まいごタイプ)
まず音高が合っているかどうかを認知できるようになることが最優先。内的フィードバックの力を養いながら、発声練習も行うという「二段構え」のアプローチが必要になる。


ステップを踏むことが大事! 音と触れ合う練習法「けんかと仲直り」

では、どのようにすれば内的フィードバックの力を育てることができるのか。


小畑教授は、遊び感覚で取り組めるトレーニング「声の『けんかゲーム』と『仲直りゲーム』」を推奨している。


ポイントは、一人で練習せず、正しい判断ができる「信頼できる誰か」と一緒に音の響きを体感することだ。


(1)声のけんかゲーム
相手が出した「ラー」という音に対して、あえて「違う高さ」で発声する。
音がぶつかり合い、耳や体がムズムズするような「心地よくない感覚」をあえて知る。


(2)声の仲直りゲーム
相手の声と同じ高さで発声する。2人の声の高さが合ったら、その声を大きくしながらそのまま3秒間伸ばす。


小畑教授
「音がピッタリ合い、声のボリュームを増幅させると、体に『ビビッ』とくる感覚があったりします。共鳴感覚ですね。その感覚の言い方は人それぞれですが、共鳴感覚から、まずは『これが同じ高さなんだ!』と体感することが重要です。この成功体験を重ねることで、内的フィードバックは確実に磨かれていきます」


特にパターン4(まいごタイプ)の人は、自分の声が合っているかが分かっていないため、つい相手の「顔色」を見て正解かどうかを判断してしまいがちだ。


しかし、大切なのは相手の反応ではなく、自分の体や耳に伝わる響きに神経を集中させること。焦らず、その感覚を探すプロセスそのものを楽しむのがコツだそう。


もし、ここからさらに歌の練習を積み重ねたい、あるいは、カラオケで一曲歌えるようになりたいと思うなら、選曲も重要になる。
いきなり難易度の高い曲に挑戦すると、掴みかけた感覚がまた分からなくなってしまうこともあるからだ。


まずは音域が狭く、ゆったりした「わらべうた」などから始め、確実に音が重なる感覚を積み上げていくのがよいだろう。


「今さら練習しても…」と諦める必要はない。小畑さんの研究では、大人であっても内的フィードバックを意識することで、着実に上達することが分かっている。生涯を通じて、歌唱力は向上させることができるのだ。


小畑教授
「何より大切なのは“リラックス”すること。歌は体が楽器だから、緊張してガチガチになると声ものびやかに出ません。『この人の前なら失敗しても大丈夫』と思える安心できる環境で、声を重ねる心地よさを味わってみてほしいと思います」


「音を外す恐怖」の正体は、能力の問題ではない。自分の声に耳を澄ませる“内的フィードバック”がまだ眠っているだけかもしれない。


自分のパターンを知り、適切なステップを踏めば、歌はいつからでも上達する。まずは一音だけでも「誰かの声と自分の声とが合う心地よさ」を分かち合うことから始めてみてはどうだろうか。


取材協力:小畑千尋さん
文教大学 教育学部 発達教育課程教授
博士(教育学)、専門は音楽教育学

東京音楽大学音楽学部ピアノ専攻卒業、千葉大学大学院教育学研究科、東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士課程修了、宮城教育大学音楽教育講座准教授を経て、2021年より現職。

オンチ克服に関する特許を取得。著書に『オンチは誰がつくるのか』(パブラボ)、『さらば!オンチ・コンプレックス 〈OBATA METHOD〉によるオンチ克服指導法』(教育芸術社)など。


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