
公共の場にあるバリアフリートイレを検索できる無料アプリ
今回は誰もが毎日立ち寄る場所「トイレ」について取材してきました。
【写真を見る】街中でバリアフリー対応のトイレはどこに?情報がひと目でわかるアプリを開発!
公共の場にあるバリアフリートイレを検索できるアプリ「Ezloo」(イズルー)
アプリを開くとマップが出てきて近くのトイレ情報が表示されます。
【車いす】や【おむつ替えベッド】【オストメイト】など選んで絞ることもできます。
行きたいトイレを選ぶと地図が開き、そこまでのルートが表示されます。
地図には階段を避けるルート等も表示されます。
アプリを開発したのは株式会社UN&Co.(ウンアンドコー)代表の原田怜歩(らむ)さん。
インパクトのある会社名ですが、申請した法務局の窓口で公序良俗に反するかも…と言われ、間に&を入れました。
株式会社UN&Co.代表の原田怜歩さん
「友達に車いすユーザーが多くて、一緒に遊びに行くときにどこに彼らが使えるトイレがあるかわからなくて、結局『公園』みたいなことがありました。
最初のころは『ここ行きたい』とか言っていたんですが、『トイレがあるかわからないから行きづらいな…』とか、お互いが気にし始めると、『簡単にここ行ってみたい』とか言いにくくなって、向こうも向こうで申し訳なくなったり…。
遊びに行ったときに、どこに自分たちが使えるトイレや設備があるのか知りたいなと思い、このアプリを作るきっかけになりました。
当時は自分が子どもだったので、友達にどういうところが大変なの?と、ストレートに聞けたことも良かったです」
全国5万か所のトイレをまわる。原田さんのトイレ研究スタート!
原田さんの研究は最初は近所のトイレから始まり、全国5万か所のトイレに自身が行って調べました。
当時のノートを見せてもらうと、トイレ/多機能トイレの数、個室の広さや手すりの高さ、階段の有無、利用する人の流れまで、長いときは1か所に4、5時間滞在してメモをとっていたこともあったそうです。
3月に東京大学を卒業する原田さんは、中学生くらいから7、8年程かけてトイレをまわったそうですが、トイレのためにというよりも、どこかへ遊びに行ったときに立ち寄ったそうです。
家族や友達と旅行に行くときには、空港や旅先のトイレに立ち寄ってメモを取りました。
そのため、交通費よりもメモを取るためのノート代の方がお金がかかったそうです。
原田さんはノートにメモしてきた内容を、すべてデータ化してアプリに反映させました。
学校で知り合った友達が実家へ帰ったついでにトイレ情報を送ってくれるなど、周りの協力もあって現在アプリには10万か所のトイレ情報が載っています。
株式会社UN&Co.代表の原田怜歩さん
「トイレを可視化することは、行政がPDFなどでまとめています。
ただ実際そのトイレへ行ったときに、途中で段差が後付けされていたりとか、設備が長いこと壊れていたりとか、そういうこともあります。
なかなか行政も実情を把握できていなくて、使えない例もありました。
このアプリではコメントなどをリアルタイムで行政や管理している方に伝えられて修理にもつながります。
お互いが参画できるようなアプリが作れたらなと思って、このプラットフォームを開発しました。
口コミでよりよい環境が作れたらと、トイレ版の食べログのような形を目指しています」
アプリは現在実証実験中。26年末にリリース予定
去年、神戸市でアプリの実証実験を行った際、口コミで情報が広まり2か月で8,000人が登録しました。
参加者の声
■車いすユーザー(50代男性)
これまでは“バリアフリー対応”と書いてあっても、実際に行くと段差があったり、扉が重くて一人では入れなかったりすることが何度もありました。
そのたびに予定を変更したり、誰かに助けを頼まないといけなかったりして、外出自体をためらうこともありました。
Ezlooは設備情報だけでなく、利用者の具体的なコメントも見られるので、“本当に使えるか”を事前に判断できます。
さらに自分たちの投稿が自治体や管理者に共有され、改善につながる可能性があると聞いて、単なる検索アプリではなく、声が届く仕組みだと感じています。
■0歳児の子どもをもつ父親(30代男性)
子どもが急に泣き出したときにトイレを探して走り回り、着いてみたら“男性側にはおむつ替えの台がなかった“という経験が何度もあります。そのときは本当に途方に暮れました。Ezlooでは、男性側に設備があるかどうかまで事前にわかるので、無駄足が減りました。
また、利用者の投稿がデータとして蓄積されることで、設備の偏りや不足も見えてくると思います。
子育て世代の声が行政に届き、将来的な整備につながる可能性がある点にも期待しています。
■オストメイト利用者(60代女性)
Ezlooでは、設備内容が具体的に明記されているので安心材料になりますし、不備があれば投稿で共有できる。その声が自治体に届く可能性があると聞いて、“私たちの経験が改善につながるかもしれない“と感じました。外出の選択肢が広がるきっかけになるサービスだと思います。
ほかに料理宅配の配達員などからも喜びの声が届いたそうです。
アプリは無料で誰でも利用でき、広告もありません。
原田さんが「最終的には、アプリはフェードアウトしていいんです。当たり前に誰もがトイレを利用しやすい世の中になるのが理想です」と話していたのが印象的でした。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当:TBSラジオキャスター楠葉絵美)
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