
3月14日から、JR東日本の運賃が約40年ぶりに値上げされます。
首都圏を中心とした初乗りは10円上がり160円に。
特に値上げ幅が大きいのは山手線で、東京・新宿間の運賃は210円から260円になります。
多くの人が新生活をスタートさせる中、私たちの生活にどれくらい影響があるのか、専門家と見ていきます。
【写真を見る】JR東日本“約40年ぶり”運賃値上げ 私鉄との運賃逆転現象が起こる区間も…定期券は駆け込み購入がお得?【ひるおび】
運賃改定 3月14日始発から開始
JR東日本の運賃改定は、3月14日の始発から開始となります。
JR東日本の全エリアが対象で、普通運賃と定期の運賃が明日から値上げとなり、特急料金やグリーン料金の改定はないということです。
関東・甲信越から東北まで、1都16県の事業エリアでおこなわれます。
初乗り運賃は150円➡160円となり10円アップ。
ICカードでは147円➡155円と8円アップとなります。
値上げ率は平均で7.1%アップします。
JR東日本のHPによると、1日あたりの輸送人員は1608万人とされており、
1日あたりの駅ごとの乗客数のランキング(2024年度)を見ると、
1位:新宿(約67万人)
2位:池袋(約50万人)
3位:東京(約43万人)
4位:横浜(約37万人)
5位:渋谷(約32万人)
となっています。
コメンテーター 三田寛子:
よく考えると、この40年値上げしてなかったんですか?それにもちょっとびっくりです。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏:
そうです。国鉄が分割民営化された時から、消費税以外で初めてです。東日本大震災で大きな被害を受けましたけれども、その時も値上げをしていないですね。
今回は首都圏の大都市の区間が特に値上げの幅が大きくなっていますので、やっぱり影響は大きいかなと思いますね。
値上げ率 場所により差が
値上げ率は、場所によって差があります。
例えば東京⇒吉祥寺は410円➡440円と30円アップですが、東京➡新宿は、吉祥寺よりも距離は近いものの、210円➡260円と50円値上げとなります。
これは、平均の7.1%よりもはるかに高い24%の値上げ率となります。
なぜ山手線内は値上げ率が高いのでしょうか?
実は、山手線内や電車特定区間は、国鉄時代の列車運行形態や他の鉄道業者との競合状況を踏まえ、他の区間より割安な運賃区分となっていました。
今回「割安な運賃区分」が廃止となり、山手線内や電車特定区間は値上げ率が高くなってしまうということです。
これにより、山手線内は平均で16.4%アップ、電車特定区間は平均10.4%アップとなります。
梅原氏によると、「JRの運賃改定により私鉄との運賃逆転現象が起こる区間も出てくる。安い運賃を求めてこれまでとは別のルートを使う人が出る可能性もある」ということです。
注目は 品川⇔横浜
梅原氏が注目しているのは、品川・横浜間です。
今日(13日)まで、JRの方が10円安くなっていましたが、明日(14日)以降は京急本線の方が30円安くなるという逆転現象が起きます。
恵俊彰:
利用の仕方が変わってきますよね。自分が利用する区間がどうなってるのかを知っておくことが大事ですね。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏:
そうですね。今は運賃計算のアプリもありますから、安い順にしたり。もちろん何回も乗り換えが出てくる可能性はありますけれども、それでもいい場合は利用されるといいと思いますね。
「通勤定期」値段はどう変わる?
「通勤定期」の額も変わります。
値上げ率は平均12%で、山手線内は22.9%、電車特定区間は13.3%の値上げとなります。
例えば八王子⇔新宿間の通勤定期(6か月分)を今日購入すると7万1950円ですが、14日以降に購入すると9万2330円になり、差額は2万380円となります。
また、同じ区間で通勤定期1か月の料金を比較すると、13日まではJRは1万4970円、京王線は1万5310円と、JRの方が340円安くなっていましたが、14日以降はJRが1万5310円になるため京王線の方が3410円安くなります。
恵俊彰:
八王子からも通勤の方が多いんじゃないですか?
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏:
そうですね。ただ、例えば中央線の方が早いとか、本数が多いとか、京王線だと特急に乗らなければいけないけれどそんなに本数がないとかもあるんですよね。
きょう(13日)定期券購入でお得な人も
JR東日本の場合、「通勤定期」は2週間前から購入することが可能です。
今日(13日)までは改定前の料金で購入が可能で、2週間後の3月27日スタートの定期を購入することができます。
梅原氏によると、4月から定期を使う人も今日買うのがおすすめです。
今日までなら『3月27日開始(最長6か月)』の定期が買えるので、数日分無駄になっても、トータルで考えるとお得になる可能性があるということです。
コメンテーター 上地雄輔:
切符の値段と定期の値段が路線によって違うのがややこしいですね。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏:
基本的には、通勤定期だと切符に対して1か月で50%ぐらいの割引率はあるんですけれど、区間によって、まだ私鉄と競争のために少し安くしているところとか、そこだけスポット的に特別な運賃を用意してるところがあるので、そこに注意した方がいいです。
あと切符も、明日から有効の切符でも1か月前から買うことができますから、今日買えば1か月後に乗る時でも、値上げ前の運賃で差額は請求されないということになります。
“15%オフの定期券”も
また、定期券をお得に購入するには、「オフピーク定期券」を利用する方法もあります。
「平日朝」のピーク時間帯以外は、通常の通勤定期運賃より約15%オフになるものです。
八王子・新宿間では、通常1万8720円が15%オフで、1万5910円になります。
さらに明日(14日)から2027年3月31日までは、JRE POINTを10%に増率するというキャンペーンも行っています。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏:
オフピーク定期券は、2020年代の初めからあるんですけれど、今回エリアも拡大されています。今までは電車特定区間だったんですけれども、例えば藤沢とか上尾とか鴻巣からの通勤でも使えるようになります。
運賃値上げの理由
JR東日本は運賃改定の理由として、
「会社発足当時の運賃水準を維持してきたが、利用者の減少・物価高騰による経費増加、沿線人口の減少・人手不足など、今後も厳しい経営環境が継続する見込み」だとし、
「経営努力を前提として今後も鉄道事業を健全に運営していくため運賃改定を実施した」としています。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏:
JR東日本は鉄道事業では黒字なんですけれども、それでなぜ値上げするのかとよく言われるんですけど、1つはもちろん将来の人口減少という要素がある。
それから、投資額がどんどん大きくなってくる。もう1つは、国の規制で、値上げするにあたっては、コストをいかに切り詰めていったかが問われるんですね。
一時的に黒字が出て大きくなって、その分が値上げ幅として認められます。赤字になったから値上げができるという制度ではないんですね。
恵俊彰:
黒字のうちにやっておかなければいけないことなんですね。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏:
そうなんです。逆に言えば今のうちにやっておかないと、もっと鉄道がガタガタになってしまう可能性もあるので。
恵俊彰:
そこが理解が必要なところですね。
(ひるおび 2026年3月13日放送より)
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<プロフィール>
梅原淳氏
鉄道ジャーナリスト
著書「鉄道の未来学」「特急列車のすべて」など
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