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国立大学病院7割が赤字も…“人口最少県”で黒字維持 秘策は「ロボット」&「ケチケチ」? 地域医療の“最後の砦”を守る工夫とは【news23】

国内
2026-03-24 11:54

全国に44ある国立大学病院のうち、およそ7割が赤字。今年度は321億円と過去最大に膨らむ見通しです。高度医療に加え、医師の育成や研究・開発を担う「地域医療の最後の砦」が揺らいでいます。各病院で厳しい経営状況が続く中、黒字を維持している大学病院が鳥取にあります。そこで実践されていたのは「ロボット手術」とコツコツ地道に積み上げた「節約大作戦」。「攻め」と「守り」を両立させた独自の経営戦略でした。


【写真で見る】黒字を維持する「ケチケチ大作戦」


鳥取大学病院 黒字の秘訣は「ケチケチ大作戦」

通報を受け、一目散にドクターヘリに乗り込む医師たち。鳥取県内だけでなく島根県東部もカバーし、年間500件ほど出動します。


鳥取大学医学部附属病院。全国の国立大学病院が経営難に喘ぐなか、日本一人口が少ない鳥取県で黒字経営を実現しています。


その理由とは…


こちらの教授は、医局のある7階まで階段で歩いて上ります。


耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 藤原和典 教授
「病院の『エコ』という観点からも、みんながそういう意識に少しずつなってきているのではないかなと」


エレベーターの運用費は1回あたり20円。1日に360回ほど稼働するため、1台あたり年間262万円もの経費がかかります。


院内には20台のエレベーターがあるため、年間5000万円ほどの経費になります。


黒字の秘密は「ケチケチ大作戦」。小さなことからコツコツ節約を積み重ねているのです。


「ケチケチ大作戦」は、ほかにも…


高度救命救急センター 上田敬博 センター長
「今までは郵送。それをしなくていいと郵送費の削減ができる」


これまで郵送だったやりとりをメールに変更。また…


宮田麗 副看護部長
「透析室にごみの分別のパトロールに行く」


注射針などの処理費用は、手袋やガーゼなどのごみに比べ約2倍。分別を徹底することで、全体の処理費の削減につなげています。


宮田麗 副看護部長
「ごみの処理にかかるお金も安く済ませることができ、環境にも優しい」


離職を防ぐ、24時間体制の院内保育

さらに職員の離職を防ぐことで、新たな人材確保にかかるコストを抑えるための取り組みも行われています。


病院の敷地内に保育所を設け、24時間体制で子どもを預かり、院内で働く職員をサポートしています。


小児科 坂口真弓 医師
「小学生をかかえながら夜に勤務をするのが他のサービスにはなくて、すぎのこ保育所は夜の学童みたいな形で小学生もみてくれる。自分みたいな周りに頼る人がいない小学生の母親でも、夜に当直ができることがメリット」


坂口さんは、2人の子どもを育てながら小児科医として働いています。平日の勤務は午前9時から午後5時まで、月2回は土曜日の夜勤にも入ります。


小児科 坂口真弓 医師
「自分を応援してくれるような、声かけをしてくれる施設が近くにあって、夜も自由に(仕事が)できると言われると、働きやすさは感じる」


「ロボット手術」で“攻め”の経営 全国から若手医師が集まる

経費削減や職員の定着で“守り”を固める一方、“攻め”の経営にも取り組んでいます。それが、全国に先駆けて導入した「ロボット手術」です。


2010年に「ダヴィンチ」を導入してから、「ヒノトリ」「ヒューゴ」と、今では3種類の手術支援ロボットをそろえ、ロボット手術と言えば「鳥取大学病院」と、その名を全国にとどろかせています。


武中篤 病院長
「ロボット手術をやることで、チーム医療が推進した。患者や職員にもメリットがあって、組織にまでメリットがあって、『鳥取大学はロボット手術を盛んにやっている』ブランディングにもなる」


研修医1年目の角岡さん。ロボット手術に惹かれた1人です。


角岡さんは宮城県出身で、鳥取とゆかりはありませんが、先進医療に取り組むこの病院で研修医として経験を積むことを決めました。


研修医 角岡ひかりさん
「正確にはやく患者のためを思った手術は技術がないとできない。それを鳥取大学病院で今後やっていきたい」


鳥取大学病院で先進医療を。1人また1人と、全国から若手の医師が集まり始めました。


コストを削減する「ケチケチ大作戦」と「手術支援ロボット」を導入した最先端医療。“地域医療の最後の砦”を守るため、現場では挑戦が続いています。


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