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クルーズ船で“集団感染”か「ハンタウイルス」とは 専門家「日本国内で広がる可能性は低い」【ひるおび】

国内
2026-05-06 14:30

大西洋を航行していたクルーズ船で、呼吸器疾患や腎機能障害などを起こすハンタウイルスの集団感染の疑いがあり、これまでに3人が死亡しました。
ハンタウイルスとはどのようなものなのでしょうか?専門家に聞きます。


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「ハンタウイルス」集団感染か

ハンタウイルスの集団感染の疑いがあるのが、大西洋を航行していたクルーズ船「MVホンディウス号」です。
乗客88人、乗員61人の合計149人で、乗客には日本人1名が含まれています。
南極大陸や島々を巡るツアーで、4月1日に南米のアルゼンチンを出航し、5月3日にカーボベルデ沖に到達しています。


これまでに、オランダ国籍の夫婦とドイツ国籍の乗客、あわせて3人が死亡しています。


4月11日にオランダ人の男性が死亡し、その後下船していた妻が27日に死亡。ハンタウイルスが検出されました。
同じタイミングで重篤な症状があらわれたイギリス人からもハンタウイルスが検出され、南アフリカで集中治療を受けています。
5月2日にはドイツ人が死亡し、その後イギリス人、オランダ人など3人が呼吸器疾患の症状などを訴えています。
現在、合計7人にハンタウイルス感染の疑いがあるとされています。
現時点で、乗客の日本人には感染が疑われる症状はないということです。


致死率40%も…ハンタウイルスとは

ハンタウイルスは、ネズミなどのげっ歯類が持つウイルスです。
基本的には
▼ウイルスを持つネズミに噛まれる
▼フンや尿など排泄物に触れる
▼排泄物を含んだホコリを吸い込む
などにより、ネズミからヒトへ感染します。


主な流行地域により、「アジア・ヨーロッパ型」と「北米・南米型」の2つのタイプに分けられ、症状もそれぞれ異なります。


「アジア・ヨーロッパ型」の特徴は腎臓の障害を引き起こすことで、発熱・頭痛・腹痛・嘔吐などの症状が出ます。潜伏期間は10~20日。致死率は3~15%程度です。


「北米・南米型」の特徴は呼吸器疾患です。症状は発熱や頭痛などで、呼吸困難に陥ることもあります。潜伏期間は1~5週間と推定され、致死率は約40%に及びます。


感染経路は?ヒト・ヒト感染の可能性も

感染経路について、WHOは2つの可能性を指摘しています。


【1】船の外で感染の可能性
WHO職員によると、多くの乗船者はバードウォッチングなど野生生物に関わる活動を行っていました。
島によってはげっ歯類が多い場所もあり、これらの島々に感染源が存在していた可能性もあるとしています。


【2】ヒト➡ヒト感染の可能性
船内にネズミはおらず、ハンタウイルスには潜伏期間が数週間あることから、最初の感染者は乗船前に感染していたことも考えられます。
WHO職員は、夫婦間や相部屋での濃厚接触によるヒト・ヒト感染が起きた可能性もあると話しています。


恵俊彰:
今回はどういったことが考えられるのでしょうか。経緯を見ると、オランダの方、その奥様、そしてドイツ人ということなんですが、船の中で広がることはあり得るんですか?


国際医療福祉大学 市川総合病院呼吸器内科部長 寺嶋毅教授:
あり得ると思いますが、ひとたびハンタウイルスということが分かって、きちんと隔離などの対策が取られれば、それ以降は広がる可能性は低いと思います。


恵俊彰:
今回のケースでは、ヒト・ヒト感染が疑われているんでしょうか?


寺嶋毅教授:
特にご夫婦であるとか、接触時間や距離が近いと、ヒトからヒトということもあり得ると思います。
過去に南米アルゼンチンで、パーティで1人から複数名に広がったこともありますから、感染者の病気の時期やウイルスの量によっては、そういう形で広がることもあると思います。


日本で感染拡大する可能性は?

寺嶋毅教授:
まず、今回のような症例のウイルスを持つネズミは日本国内には生息していないので、国内でネズミから感染することはないと思います。
ヒト・ヒト感染もないことはないんですが、主に南米タイプのアンデスウイルスという、ハンタウイルスの中でも一部のウイルスに限られていますし、夫婦や家族などの極めて近い人たちへの感染が主です。
また、ひとたびハンタウイルスが分かって、きちんと隔離すればそこからは広がることは少ないです。
そういうことを合わせると、現時点で日本で広がる可能性は低いと考えられます。


恵俊彰:
ワクチンや特効薬はあるんでしょうか?


寺嶋教授:
今のところ有効と言われているようなワクチンや特効薬はなく、開発が色々試みられている状況です。


コメンテーター 杉浦太陽:
致死率が40%と高いのが心配ですね。潜伏期間が5週間と長いので、船の中にいらっしゃる方々はこの5週間を超えるまで出ることができないのかどうか…。体に加え、精神的な問題も出てきてしまうと思うので、特効薬がないのは大変ですよね。


(ひるおび 2026年5月6日放送より)
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<プロフィール>
寺嶋毅氏教授
国際医療福祉大学 市川総合病院呼吸器内科部長として感染症予防対策を指揮する責任者
日本感染症学会専門医


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