栃木県で女性が殺害された強盗殺人事件、SNSで闇バイトに応募した16歳の少年がほかの少年3人を誘って犯行に及んだとみられることが分かりました。専門家は「トクリュウ」の世界に変化が起きていると言います。
栃木県上三川町で住人の富山英子さん(69)が殺害されるなどした事件。警察はこれまでに実行役として少年A、B、C、Dいずれも16歳の少年4人を逮捕。また、指示役として竹前海斗容疑者(28)と妻の美結容疑者(25)を逮捕しました。
竹前容疑者を知る人
「やんちゃなガラの悪そうなイメージ。タトゥーが入っているのは見たことがある」
生後7か月の長女と一緒に横浜市のアパートで暮らしていたという夫婦。パトカーが駆けつけるトラブルもあったといいます。
竹前容疑者宅の近隣住民
「旦那さんが運転して出ようとして、左右確認しなかったのか原付が走ってきて、クラクションならされたことに腹が立って、けんかみたいになっちゃったみたいで」
竹前容疑者の自宅前に白い高級外車が路上駐車されるようになったのは4月末のこと。この写真は、近隣住民が今月1日に撮影したものです。
竹前容疑者宅の近隣住民
「左側はレンズが割れて、結構壊れている感じ。右側はその角が少し壊れている感じ、ずっと長いこと停まっていた」
写真を見ると、左前方が壊れています。
左前方が壊れた白い高級外車は事件が起きた2日後、犯行に使われたとして押収されました。左前方が同じく破損していて、竹前容疑者の自宅前にあった車と特徴が一致します。
捜査関係者によると、白い高級外車は竹前容疑者が第三者から借り、それを実行役の少年たちにさらに貸したとみられるということです。
少年たちは、どのようにして事件に関与したとみられているのか。逮捕された少年の一部は…
一部の少年
「夫婦に頼まれてやった」
捜査関係者への取材で、相模原市の少年BがSNSで闇バイトに応募し、竹前容疑者夫婦と知り合ったことが分かりました。そして、少年Bがほかの少年3人を誘ったとみられています。少年AがBの高校の同級生だったこと、少年CがBの知り合いだったことがこれまでに分かっています。
これまで知らない者同士で犯行に及ぶケースが多かったトクリュウによる犯罪ですが、元警視庁の副島雅彦氏は…
元警視庁捜査一課理事官 副島雅彦さん
「仮装身分捜査をやるように、検挙されてしまうという状態。(仮装身分捜査で)慎重にならざるを得ない部分」
捜査員が身元を隠してSNSで闇バイトに応募し、募集していた犯人グループを割り出す仮装身分捜査を警戒して、知り合いを紹介させてメンバーを集める新たなリクルートの手法が横行しているといいます。
こうして実行役を集める一方、現場周辺では、下見など準備とみられる動きが活発化していました。
事件の1か月前のこと…
近くに住む人
「バイクの人がぐるぐる回って、富山さん家の前でも写真を撮っていたらしくて。だからこの地域の人はみんな警戒していた」
回覧板では不審な黒い乗用車やナンバーが折り曲げられたバイクの情報がまわり、地元消防団の連絡網でも警戒が呼びかけられるなど、不審者の情報が相次ぎました。
ある住人は不審だと感じ、黒い軽ワゴン車の動画を撮影していました。この黒い軽ワゴン車は今月5日、亡くなった富山さんの自宅近くの防犯カメラにも。すぐ後ろには、ナンバーが折られたバイクが写っています。
翌6日の映像にも同じ車とバイクが写っていました。時刻は両日とも強盗殺人事件が起きた午前9時半ごろの少し前の8時台。この時間に富山さん宅が高齢者2人になることを確認していたのでしょうか。
この後、富山さんの親族は不審な車を発見したとして警察に通報。乗っていた41歳の男が駆けつけた警察官に逮捕されました。男の自宅の近所の人によると…
近くに住む人
「働いてないからお金がない。たばこ代が欲しくて、(母親に)『たばこ代くれ』と言っていた」
地域や警察に強く警戒され、逮捕者が出たにもかかわらず行われた今回の強盗殺人事件。犯行当日も、警戒心が薄いような“杜撰”な行動が目立ちます。
全身黒づくめで目出し帽を被り、手元にはバール。事件の前に富山さん宅の近くの防犯カメラが捉えた映像です。明らかに“目立つ姿”を近所の人も目撃していました。
少年を目撃した人
「暑いのに目出し帽を被って何なんだろうぐらいの感じしかしなかった。人の屋敷に黙って入ってきただべって(声をかけた)。そうしたら『はい、今から頑張ってきます』って」
そして、事件の後…
近くに住む人
「この隙間ですね。ここの間にL字の(バールが)寝かされてました」
犯行に使われたバールでしょうか。
近くに住む人
「真新しい銀色のバールです。柄の先に泥が少し付着していた。気持ちが悪いのですぐに警察の方に連絡をして、来てもらって」
現場から200メートルほどの民家の敷地内、比較的目立つ場所で見つかりました。
“稚拙”で“杜撰”な犯行。
元警視庁捜査一課理事官 副島雅彦さん
「別に捕まってもいい、もう捨ててやらせると。捨て駒だからもう別にいいと」
被害者に20か所以上の刺し傷などがあったという今回の事件。少年たちのある心理が関係しているのではないかと言います。
元警視庁捜査一課理事官 副島雅彦さん
「未熟だから逃げられない状態。考える余裕がないということ、パニックになっている。まして仲間じゃないですか、この仲間も一緒にやられてしまうという。変な仲間意識みたいなものが働いて、逆に残虐なこともやってしまった」
警察は指示役とみられる竹前容疑者夫婦のさらに上がいるとみて捜査しています。
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