食中毒といえば、十分に加熱すれば大丈夫というイメージがありませんか?しかし加熱しても死なない、やっかいな菌があるんです。いわゆる「チャーハン症候群」とよばれる食中毒について取材しました。
【画像を見る】加熱しても毒素は死滅しない…セレウス菌が増殖する仕組み
加熱しても死滅しない「セレウス菌」 通称「チャーハン症候群」
山形純菜キャスター:
食中毒の原因になる「セレウス菌」。炭水化物を好み、チャーハンやパスタなどで食中毒が発生する頻度が高いことから、「チャーハン症候群」とも呼ばれています。
セレウス菌の特徴や、それがどのように食中毒を引き起こすかについて、東京大学大学院・農学生命科学研究科の平山和宏教授に伺いました。
「セレウス菌」は、土の中・水の中・ほこりの中など、自然界にありふれた菌です。特に、土壌と密接に関係して育つ野菜や穀物などには、自然に成長する過程で付着しています。
環境が悪化した中でも、セレウス菌は生き延びるために「芽胞」という“バリア”をつくって休眠状態になります。それが野菜の表面などに付いているので、玉ねぎなどを触った手で米を洗うとセレウス菌がついてしまうということです。
芽胞は非常に熱に強く、加熱しても死滅しません。ですから、100℃でチャーハンを作ったとしてもセレウス菌は芽胞がついたままの状態です。
そして、その作った料理を室温で長時間放置すると、食品内部の温度も下がってくるので、セレウス菌にとって快適な温度になります。適度な水分や栄養も含まれているので、セレウス菌は目を覚まし、増殖して、さらに毒素も出すということです。この毒素は再加熱しても壊れないので、嘔吐や下痢などの症状が出てしまいます。
無味無臭の「セレウス菌」 予防は菌を増やさないこと
井上貴博キャスター:
セレウス菌はごく普通にあるもので、毒素が出たときに悪さをするということですね。
山形キャスター:
「芽胞」の状態では悪さはしませんが、それを長時間放置して快適な温度になると、芽胞から発芽し、毒素が出て悪さをします。
芽胞の状態では乾燥や熱に強いので、非常に生命力が強い菌です。
平山教授によると、セレウス菌は増殖してもにおいや味で見分けが困難で、あたため直しても(毒素は)死滅しません。そのため、1度毒素が作られてしまうと対処できないので、毒素を作らせないことが一番の予防になるそうです。
「作った料理はすぐに食べる」こと、すぐに食べない場合は小分けにして、なるべく早く冷まし「常温に置かない」ことが重要です。冷蔵庫などに入れて、10℃以下にするのが非常に大切だということです。
これからの季節はお弁当などで大変ですよね。
お弁当は要注意 保冷剤は上?下?
山形キャスター:
平山教授によると、「セレウス菌の食中毒で一番多いのが、常温に長時間置く『お弁当』」だそうです。
【お弁当で食中毒にならないための対策】
▼保冷剤はお弁当やおにぎりの「上」
※ラップでおにぎりを包み保冷バッグに入れた場合
「保冷剤が下」の場合、菌の数は「保冷剤が上」の時の3倍以上
(エフコープ生活協同組合より)
▼ご飯は炊いてから保温が◎
菌が増えやすい温度より、高い温度を保つ
(東京大学大学院、農学生命科学研究科の平山和宏教授による)
井上キャスター:
通称「チャーハン症候群」と聞くと、食中毒とあまり結びつかないので、他の言い方が何かないかなと思います。
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