6人が亡くなった三重県の新名神高速道路の事故の裁判が始まりました。検察側は、被告が追突事故の直前に「TikTokで料理動画を見て、13秒ほど脇見した」などと指摘しました。
新名神6人死亡事故 10日に初公判
遺族は、亡くなった6人の遺影を胸に抱き、10日の裁判に臨みました。
事故が起きたのは、2026年3月の3連休初日。高速道路上に残された大破した2台の乗用車は真っ黒に焼け焦げ、原型を留めないほど大きくゆがんでいます。
三重県亀山市を通る新名神高速道路で、大型トラックがトンネル出口付近にできた渋滞の列に突っ込みました。その際、一家5人で観光に向かっていた静岡県の松本幸司さん(45)の車に追突。その弾みで松本さんの車は、兵庫県に帰省途中だった髙峰啓三さん(56)の車に衝突し、あわせて6人が死亡しました。
大型トラックを運転していたのは、広島県安芸高田市の水谷水都代被告(54)です。
起訴状などによりますと水谷被告は、スマートフォンの画面を脇見しながら、時速約82キロメートルで車を運転。
渋滞で停止している松本さんの車に約9.4メートル手前で気づき、急ブレーキをかけましたが間に合わず、6人を死亡させた過失運転致死の罪に問われています。
“TikTokで料理動画”見て運転か 遺族「事故ではなく『殺人』」
10日の初公判。マスクにベージュのブラウス姿で法廷に立った水谷被告は、起訴内容に間違いがないか問われると、「ありません」と、うつむきながら小声で起訴内容を認めました。
そして、検察側は冒頭陳述で「事故直前の状況」を指摘しました。
検察
「TikTokで料理動画を見てスクリーンショットをしようとしたがうまくいかず、再度スクリーンショットを試み、13秒ほど脇見した」
また、こうした“動画の脇見”は、ダッシュボードのホルダーに置いたスマホを操作する形で日常的に行っていたということです。
髙峰さんの妻や息子は、書面でコメントを出しました。
髙峰啓三さんの妻や息子
「無責任な運転によって大切な夫、父を亡くしたことは本当に悔しく、また被告人に対しては怒り、憤りしか感じません。これは単なる『事故』という言葉で済まされるものではなく、自動車を使った『殺人』であると強く感じています」
松本さんの遺族は...
松本さんの遺族
「今回の事件は、運転中にふと携帯を見てしまったという『ながら運転』によって偶然発生してしまった事故ではありません。携帯凝視が常態化したがために起こった必然的な事故であり、6人の命を奪った『殺人事件』です。被告人が何を考えているのか、事故に対して今後どのように向き合っていくのか、しっかりと聴いていきたいと考えております」
次回の裁判は8月31日に開かれ、被告人質問が行われます。
「明日は我が身」“ながらスマホ” どう防ぐ?
小川彩佳キャスター:
初公判では、被告が約13秒わき見運転をしていたことが明らかになりました。さらに、被告は日常的に運転しながらスマホを操作していたとも指摘されました。
トラウデン直美さん:
これは多くの人にとって他人事ではない話で、スマホが日常に溶け込みすぎているがゆえに、“ながらスマホ”に油断があるのではないかと思います。実際にスマホを運転中に使っている人を見かけることも珍しくないので、今回の事故は「氷山の一角」であり、「明日は我が身だ」とヒヤッとする人も多いと思います。
藤森祥平キャスター:
「ほんの一瞬だから」「慣れているから」という過信がどんどん大きくなっている気がします。
“ながらスマホ”は2019年に厳罰化され、一度は事故が減少しましたが、その後再び増加傾向にあります。
トラウデン直美さん:
便利なので、地図アプリを車のナビとして使用している人も多いと思います。スマホが近くにあることで、意識がとられてしまうことがあります。「赤信号だから」と持ってしまうと、“ながら”につながる可能性もあります。
事故防止には、一人ひとりの意識に加え、運転手のスマートフォンの操作を制限する仕組みや、音声によってハンズフリーで制御できる仕組みなど、技術面の制御も大事になると思います。
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<プロフィール>
トラウデン直美
SDGsなどの社会課題に関心
特技は乗馬 初級馬術指導者の資格も
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