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東京の地下に“巨大トンネル” 最終的には東京湾へ!?豪雨対策「地下調節池」を独自取材【ひるおび】

国内
2026-07-02 12:00

豪雨による河川の氾濫を防ぐため、東京都は「調節池」による対策を進めています。
雨の脅威から街を守るカギは、川の下。
『ひるおび』は、普段入ることができない地下深くの施設を取材しました。


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東京都の豪雨対策「地下調節池」

「調節池」は、大雨の際に河川の急激な増水や氾濫を防ぐために、雨水や増水した河川の水を一時的に貯め込む施設を指します。
堀込式の池や地下の施設に取水・貯留することで、下流の水位上昇を軽減させます。


この「調節池」の需要が高まっている背景には、大雨の増加があります。
1時間あたり50ミリ以上の大雨が年間に発生した回数を見ると、観測を始めた1976年からの10年間の平均は226回だったのが、直近10年では平均340回と、1.5倍に増えています。


東京都の豪雨対策基本方針(2023年12月改定)では、1時間に50ミリを超える降雨で生じる洪水は「調節池」で対応するとしています。
「調節池」は現在14河川30か所で稼働しており、貯められる水の量は合計で約273万立方メートルです。
いわゆる“貯水池”と言われるような「堀込式」タイプは練馬区や立川市などに16施設。
“地下神殿”と呼ばれる「地下箱式」は目黒区や中野区に11施設。「地下トンネル式」は杉並区・港区・渋谷区に3施設あります。


東京の地下に広がる“巨大トンネル”を独自取材

今回『ひるおび』は、杉並区にある「地下トンネル式」の施設を取材しました。
まずは施設全体をコントロールしている中央制御室へ。


東京都 第三建設事務所 岡田理志課長
「この神田川・環七地下調節池は、神田川・善福寺川・妙正寺川の3つの川から取水することができます。ここでは、それぞれの取水口の状況が分かるようになっています。」


大雨注意報が発表されると、各河川を映したモニターを見ながら2人体制で水位をチェックしています。
実際に、台風6号が近づいた6月3日には、神田川の水位が白線まで達し危険と判断されたため、午前8時16分に取水ゲートが開放されました。


ゲートの解放後には、雨が降り続いているにも関わらず、みるみる川の水位が下がっていきます。この川の水が流れ込む先が地下のトンネルなのです。


地下43m 巨大トンネルへ・・・

いよいよ、地下施設へ向かいます。
地上から43メートル(ビル14階程度)の深さまで、約4分間、階段を降りた先には、まるで潜水艦のように厳重に造られた扉が・・・


扉を開けると、ぽっかり空いた巨大な縦穴と、横につながる連絡管がある空間につながっていました。



地上から取り込まれた川の水は、縦穴を通り地下へと流れ込み、一定量まで貯まると横穴を通って調節池本管に向かいます。


真っ暗なトンネルを奥へ進み、調節池の本管に到着。


ひるおびスタッフ
「広っ!すごーい!」


直径12.5m、全長4.5㎞の巨大なトンネルがあらわれました。
この長いトンネルは、中野区野方付近から杉並区方南町までつながっています。
貯められる水の量は54万立方メートルで、25mプールで約1800杯分です。


壁面をよく見てみると、白い線が。


東京都 第三建設事務所 岡田理志課長
「おそらくこれが先日の台風6号の時に取水して貯留した時の水位じゃないかと思います。」


台風6号で取水した際には、このトンネルの高さ約6メートルまで、約24万立方メートルの水が貯まり、河川の氾濫を防いだそうです。


恵俊彰:
「いつの間に…」という印象を受けてしまいますが、すごい施設ですね、これ。


東京大学名誉教授 池内幸司氏:
すごく大きいです。入るとびっくりします。4階建てのビルくらいありますから。


落語家 立川志らく:
すごいことですね。我々の知らないところで、都民の命を守るためにね。
これは何か弊害みたいなのはないですか?陥没するなどの危険性はないですかね?


東京大学名誉教授 池内幸司氏:
この地下調節池についてはそういった事故は起こっていません。
ただ、費用が高いんですよね。どうしてもお金がかかってしまうし、時間もかかる。
しかし、それ以上の大きな効果があります。


池内氏は、東京などの都市部では、川の流量を減らす上で「調節池」が大きな効果を発揮するといいます。
都市部は地表面がアスファルトやコンクリートに覆われており、集中豪雨があると雨が地面に浸透せずに河川や下水道に流れてきて、一気に川の水位が上がります。
このため、一時的に水を貯める「調節池」が重要となるのです。


東京都の水害対策 今後どうなる?

地下調節池の工事は、今も続いています。
トンネルを掘り進めている2㎞先の現場へ、トロッコに乗って向かうと・・・


東京都 第三建設事務所 岡田理志課長
「こちらがトンネルを掘るためのシールドマシンという機械になります。」


直径約13メートルの巨大な掘削機が。約650個の刃がついた先端部分が回転し、1日最大7メートル掘り進めています。


このトンネルは今後、練馬区と善福寺川の調節池を繋げ、全長13.1㎞に及ぶ超巨大な調節池になるそうです。


東京都 第三建設事務所 岡田理志課長
「完成しますと、総貯留量が143万立方メートル。地下の調節池としては日本最大級の大きさの調節池になります。」


さらに、将来的には東京湾までトンネルを掘り、地下河川化する計画もあります。
3月には「環七地下河川計画検討委員会」も設置されました。
東京都は、これらの計画により、時間75mm降雨に対する治水安全度が向上するほか、流域間の相互融通で近年頻発する集中豪雨にも効果を発揮するとしています。


恵俊彰:
都市災害を防ぐという意味では、調整池は日本の大都市には欠かせないものになってくるんですか?


東京大学名誉教授 池内幸司氏:
欠かせません。どうしても日本の場合、地上部には市街地が密集していますよね。
洪水を流すために本来ならば川幅を広げるなどすればいいんですが、もう最大限やっています。そうなると結局、どこかに貯めざるを得ません。
地価が高く、地上部でまとまった用地を確保することが難しいため、地下に貯め
ることは非常に有効な手段になります。


恵俊彰:
大きな課題としては、費用をどうするのかということですね。


東京大学名誉教授 池内幸司氏:
効果も非常に大きいので、そこをどう判断するかですよね。


恵俊彰:
命を守るためには必要なものなんだろうなと強く感じました。


(ひるおび 2026年6月29日放送より)
==========
<プロフィール>
池内幸司氏
東京大学名誉教授 専門は河川工学
長年 水害対策などの防災・減災に従事


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