国会の空転状態が続く中、皇室典範の改正をめぐって与野党の対立が深まっています。対立の背景にあるのは「立法府の総意」を踏み越えた政府の改正案です。
麻生副総裁 皇室典範改正に強い決意
2日、麻生副総裁は自らの派閥で開かれた会合で強い決意を口にしました。
自民党 麻生太郎副総裁
「何としても今国会において、この皇室典範改正を成し遂げたい」
ただ、皇室典範の改正が実現するかはまったく見通せない状況です。議員定数削減法案などの審議を強行する与党に野党が反発し、国会が空転しているためです。
2日、自民党と中道改革連合の幹部は午前と午後の2回にわたって会談。自民党側は、皇室典範改正案の審議を最優先に進めたいと提案しましたが、野党側との折り合いはつきませんでした。
中道改革連合 階猛幹事長
「反対している2法案(定数削減法案・副首都法案)の採決を目指すというのでは、静謐な環境が整わず、皇室典範の議論はできないのではないか」
国会が停滞しているだけでなく、「皇室典範の改正」の中身をめぐっても与野党の溝は深まっています。減り続けている皇族の数をどう確保するか。これまで10回にわたり与野党の全体会議が開かれ、6月、「立法府の総意」がまとまりました。
とりまとめでは、「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ」案と、「旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える」案をいずれも了としています。
森衆院議長は、旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える案について、自らの認識をのぞかせました。
「養子の子」にも皇位継承権?野党反発
森英介衆院議長(6月8日)
「(養子に)男の子が生まれれば、その子は皇位継承権を持つことになる」
この発言に野党は反発。森衆院議長が翌日釈明したものの、その後、皇位継承のあり方に踏み込んだ政府案が明らかになり、さらなる野党の反発を招くことになります。
30日、政府は閣議決定した皇室典範の改正案を国会に提出。
改正案では、旧宮家の男系男子が皇族に養子に入る場合、与野党でとりまとめた通り「養子本人は、皇位継承の資格を持たない」としています。
ところが、その養子に男の子が生まれた場合は、「皇位を継承する資格がある」という内容だったのです。
野党は「立法府の総意」として、与野党でとりまとめた枠を踏み越えた内容になっていると批判しました。
立憲民主党 田名部匡代幹事長(30日)
「そもそも『立法府の総意』と言いながら、議論されていないことが盛り込まれたということに対して、それはいかがなものかと」
皇室典範の改正案について陛下は…
天皇陛下(先月11日)
「皇族数の確保のあり方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」
会期末まで、あと2週間あまり。国民の理解が得られる議論が行われるのでしょうか。
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