夜の“お酒のつまみ”から、自分にぴったりの1冊が見つかる“絵本の処方箋”まで、いま、大人も夢中になっている「絵本」。
「大ピンチずかん」でおなじみの作家さんのアトリエも取材しました。
【写真を見る】大人の共感呼ぶシュールな絵本『ケチャップマン』
絵本を“つまみ”に?絵本に魅了されている大人が増加
東京・神保町にある「ブックハウスカフェ」は子どもの本専門店ですが、店内を見渡すとあちらにも、こちらにも大人ばかり。
――誰かのプレゼント用?
20代
「自分で気になるものを探していた」
20代会社員
「これ好きだった」
「『ぐりとぐら』とか名作を見ていた」
『はらぺこあおむし』『ねないこだれだ』など、思い出の絵本や気になる絵本を求める大人たちで大盛況です。
ブックハウスカフェ 茅野由紀 店長
「大人のお客様1人の来店は明らかに増えている」
いま、子どもだけでなく、大人が絵本に魅了されています。
20代
「しっかり読むと考えさせられる。背中を押されるようなものも、大人が読んでもある」
このお店は閉店後、ディープな空間に様変わりします。
裏口の鉄の扉を開けるとそこには、なんと「バー」が。
さらに、カウンターの奥の書店スペースは昼間とは一転し、大人の雰囲気に。
一日の終わりに飲む一杯は絵本を“つまみ”に…
大人だけが味わえる、特別な絵本の世界が広がっていました。
悩みを癒す「絵本の処方箋」お疲れ気味の井上キャスターは…
「どんな絵本が自分に刺さるのか分からない」という方には、「絵本の処方箋」というサービスもあります。
子どもの本などの専門店を展開する「クレヨンハウス」がHPで公開していて、「深呼吸したい」や「最近、夜空を見上げていない」など、12種類の悩みから1つ選択するだけで、その悩みを癒す絵本をおすすめしてくれます。絵本なので副作用はもちろんありません。
【絵本の処方箋】
(1)深呼吸したい
(2)こころがヒリヒリする
(3)自分をほめてやりたい
(4)最近 泣いていない
(5)誰か・何かを信じたい
(6)「どこか」に行きたい
(7)よれよれに疲れた
(8)どきどきを忘れがち
(9)自分がちっぽけに思える
(10)うつむきかげんになっている
(11)記憶の中の誰かと会いたい
(12)最近 夜空を見上げていない
※絵本処方箋「クレヨンハウス」
番組放送終わりの井上キャスターに体験してもらいました。
井上貴博キャスター
「直感でいいんですよね?『深呼吸したい』『自分がちっぽけに思える』『どこかに行きたい』どこでもいいから行きたい」
少々お疲れ気味に見える井上キャスターが最終的に選んだ症状は…
井上キャスター
「『記憶の中の誰かと会いたい』。これすごく気になる。今パッと思ったのは昔飼っていた犬に会いたい。僕が0歳の時に飼いだして、一緒に年齢を刻んでいった」
“小学校6年生の時に旅立った愛犬に会いたい”
そんな井上キャスターにおすすめの絵本。いくつか処方された中に運命的な一冊がありました。
『ずーっと ずっと だいすきだよ』
生まれた時から遊ぶのも寝るのも一緒の少年と子犬。ですが、犬のほうがどんどん先に成長し、老犬に。少年が愛犬との別れに向き合うストーリーです。
井上キャスター
「その時の記憶が鮮明によみがえってきた感覚」
実際に処方された絵本を読んでみていかがでしたか?
井上キャスター
「自分の状況にビックリするくらいリンクしました。絵本は文字数が少ないので行間を自分でつなぎ合わせていく。すると、1ページ1ページ次に進めず、つなぎ合わせていくうちに、過去の自分と会いに行っているのではないか、そんな感覚にドキッとしました。むちゃくちゃ癒されました!」
続いては、大人から支持されるシュールで癖になる一冊をご紹介します。
「ちょっと踏み込むと奥深さもある」大人の共感呼ぶ絵本
手足は人間、体はケチャップ容器、その名も『ケチャップマン』。
人間社会の中では孤独な存在ですが、必死にもがきながら周囲と関係性を築いていく姿が描かれているこの絵本。
「じぶんにしか できない なにかを さがして まいにち なやむ ケチャップマン」
「ひたすら ポテトを あげる ひび ケチャップ でばんは まるでなし」
この絵本を読んだ街の皆さんは…
20代
「働き始めた時に、ケチャップマンみたいに、自分の役割と自分のやりたいことが違ってもやらなきゃいけないというふうに役割があったりするので、感慨深かった」
40代
「誰しもが『自分に何ができるだろう』と思うよなと。そういうのがあるから、どんどん読み進めちゃった」
ケチャップマンの姿を、自分自身と照らし合わせることで共感を呼んでいます。
この『ケチャップマン』の作者である鈴木のりたけさんのアトリエに伺いました。
出水麻衣キャスター
「大人の皆さんの心に刺さるような、そういったところも意識された部分ってあるんですか?」
『ケチャップマン』作者 鈴木のりたけさん
「そこのこだわりというのは、僕はあまり普段絵本を作る上でそんなに考えていなくて。ちょっとキャッチーでわかりやすい、ちょっと踏み込むと奥深さもあるみたいなことで、広がりやすいのかなというふうに信じて作っている」
出水キャスター
「(絵本は)解釈の余白があるので、大人がある程度自分の思いを言語化できるフェーズになって、これを私はこういうふうに読んだんだけどと話し合ったりするのは、非常に奥深くて面白いなって思う」
『ケチャップマン』は続編も販売。新たな視点で読み比べを楽しんでほしいといいます。
『ケチャップマン』作者 鈴木のりたけさん
「登場人物が色々増えて、結構にぎやかなので、どの部分に自分が何か感じるところがあるのかや、『この人は何を考えているんだろう』とか、そういう部分も含めて、色々思いを突っ込みやすいというか、そういうふうに読んでいただくといいかなというふうに思う」
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