物価高への対策が求められる中、“空転状態”が続いている国会。きのう(6日)は久しぶりに高市総理が出席しましたが、野党からは“空転”の原因とする中傷動画報道や皇室典範改正案などへの追及が相次ぎました。
“空転”国会に総理の姿 野党は「“中傷動画”問題」追及続ける
空転が続き、議員の姿もまばらだった先週の国会。6日の決算委員会には、総理と全ての閣僚の姿がありました。
野党側からは早速、総裁選で総理の秘書が関わったと報道されている“中傷動画”についてなど、総理への追及が相次ぎました。
立憲民主党 羽田次郎参院議員
「国会が不正常化してしまった一つの要因として、国会の質疑(“中傷動画”報道)に対する対応を陳述書で行おうとしたもの、この総理の姿勢が一つ問題視されている。秘書の陳述書を提出することをもって説明を終えようとする対応について、首をかしげているところ」
高市総理
「質疑者の方にも国民の皆様にも、全体像を読んでいただくことで理解が深まると考えたものでした。陳述書を提出して国会での質問に対応しないという趣旨でないということだけはご理解をいただきたいと存じます」
なぜ国会で自ら答弁するのではなく、秘書の陳述書の提出で済ませようとするのか。その判断について誰かに相談したか問われると…
高市総理
「特に誰かに相談したわけではございません。断片的な答弁では全体像が明らかにならないと思ったことからでございます」
皇室典範「養子の子が男の子なら皇位継承権を持つ」政府案 見直し求める声も
皇室典範についても質問が。
野党側は「養子の子が男の子なら皇位継承権を持つ」などとする政府案は、6月に与野党が立法府の総意としてまとめた内容を超えていると追及しました。
立憲民主党 吉田忠智参院議員
「合意をしていないものが、法案として盛り込まれて出されております。もう1回見直して、立法作業を私はやり直すべきだと思っております」
高市総理
「(養子の男の子は)皇族の夫婦の間に生まれたものであることから、現行皇室典範の規定に基づき、皇族となることとなります。これは現行法に基づく結果でありまして、立法府における将来の検討を先取りしたり、縛ったりするような趣旨ではないと承知をしております」
集中審議・党首討論開催へ 参院では正常化へ動きも…衆院では依然ストップ
混乱が続いてきた国会ですが、党首討論の実施などの合意でようやく正常化への動きが出てきました。
野党側が高市総理に繰り返し迫ったのは、国会審議への出席です。
立憲民主党 吉田忠智参院議員
「国会が止まっておりました。この間どういう事情かわかりませんけども、総理は参議院の予算委員会の集中審議、そして党首討論に出ていただけませんでした。改めてしっかり出て、誠意を持って対応するというお話をいただきたい」
高市総理
「国会審議の在り方は国会でお決めいただくことでございますので、お求めがあれば、このようにして出席をして、これまでも誠実に答弁をさせていただきました。これからもお求めがあればしっかりと出席をして答弁をさせていただきます」
総理の意向を反映してか、参議院では“正常化”に向けた動きがありました。
自民党と立憲民主党の国会対策委員長が会談。
野党側が繰り返し求めていた、高市総理が出席する党首討論と予算委員会の集中審議を今の国会中に開催する考えを伝えました。
立憲民主党 斎藤嘉隆国対委員長
「閣法の審議、これについては応じていく方向で野党間でこのあと協議をしたい」
野党は7日から政府が提出した法案の審議に応じる方針を確認しました。ただ衆議院では、依然として審議がストップしたままです。
公明党 宮崎勝参院議員
「このような停滞を招いた背景には、野党側との合意形成を欠いた国会運営が原因と考えますが」
高市総理
「もしも私に出席のご要請があれば、このように出席して答弁をさせていただいておりますし、今後もその方針でございます」
こうした中、自民党の鈴木幹事長によりますと、高市総理は党の役員会で「衆議院の議員定数削減法案」と「副首都法案」について発言。
連立政権を組む日本維新の会との関係において、重要だという認識を示し、成立に向けて国会運営に万全を尽くすよう求めたということです。
そして関係者によりますと、高市総理と日本維新の会の吉村代表は7日午後、会談する方向で調整に入ったということです。
総理と維新が接近も…「議員定数削減」「副首都構想」の行方どうなる
小川彩佳キャスター:
JNNの最新の世論調査によると、内閣支持率は、▼支持が65.9%、▼不支持が30.8%と依然として高い水準を維持していますが、この2か月は連続で少し下がっているようですね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
じわっと下がってきた要因としては、大きな出来事があったというより、やはり物価高に加えて、高市総理の中傷動画問題に対する説明不足を国民が感じ始めているのかなという気がします。
藤森祥平キャスター:
そして、空転していた終盤国会。参議院は正常化に動き出しましたが、衆議院はまだ膠着状態です。
維新が是が非でも進めたい「議員定数削減」と「副首都構想」に、高市総理がどう向き合うかがポイントになりそうですね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
あまりこれまでの国会では見られなかった現象が起き始めてます。
高市総理は維新と協力関係を維持して、「議員定数削減」と「副首都構想」の法案を進めようということですが、鈴木幹事長をはじめとする自民党の執行部は「そうは言っても無理」という雰囲気。
とりわけ「議員定数削減」は与野党の選挙の枠組みを変えるわけですから、数で押し切るというのは「いくら何でもひどいのではないか」という声が自民党の中からも出始めています。
自民党はむしろ野党と共同歩調をとって、二つの法案のどちらかをペンディングにするのか、場合によっては会期を延長してでも、どう選択していくのかを考え始めているところだと思います。
藤森祥平キャスター:
どちらかをペンディングとなると、維新は「連立について考える」となってしまうのではないでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
維新はセンターピンと言ってきましたから、できれば二つとも通したいのですが、自民党の今の動きを見て「簡単ではないだろう」という雲行きになってきていると思います。
そこで、7日に高市総理と吉村代表が会談する方向で調整されていますが、高市総理がこれまで通り維新の言う通りに“行け行けどんどん”でいくのか。それとも、特に定数削減の問題は無理をしてはいけないと、踏みとどまって「考え直しましょう」と維新を説得するのか。
そういう意味では、高市総理が就任後初めて度量や政局観全体が問われるという場面になってきていると思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身
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