
外国人を災害弱者にしないために
全国のさまざまな地域で外国人人口が増えていますが、東京・足立区では今年5月に5万人を超え、10年前のおよそ2倍に増えています。そんな中、足立区では「外国人共生プロジェクトチーム」を立ち上げ、日本語学校や外国人支援団体と積極的に関わっていく方針を打ち出しました。
【写真を見る】外国人向けの防災イベント 足立区と日本語学校の取り組み
その一環として、区内にある三幸学園SANKO日本語学校綾瀬との協力で、外国人向けの防災イベントが7月11日に開催されました。
この日は、中国やミャンマー、ベトナム、スリランカなどの外国人20人ほどが参加し、地震や火災、避難についての講義が行われました。最初に地震の初期対応の基本的なクイズが出され、どのように行動したらよいかグループに分かれて考えました。
【講師】家では火を使ったりすることがあると思います。例えば料理をしています。その時に地震が起こりました。皆さん、揺れが収まってから火を消しますか?それとも急いで火を消しますか?すごく迷う答えだと思います。じゃあグループで話し合ってみてください。
【参加者A】「地震の時は、すぐに火を消すと安全だと思います。火事にはしない方がいい」
【参加者B】「揺れてる時は自分の命を守るのが第一だと思って、まずはテーブルの下に隠れて、それで揺れが止まったら火を消す。コンロは自動的に止まると思ってます」
この場合の対応は「揺れが収まってから火を消す」が正解でした。その他にも、エレベーターの対応について「避難する時には使わない」とか「地震を感じたら全ての階のボタンを押してすぐ降りる」といったことを教えていました。
避難袋に必要なものを考える
次は、避難の際に持って逃げる「避難袋」の説明があり、避難の際に必要なものを考えました。講師は外国人でも理解しやすくなる「やさしい日本語」でゆっくり話しました。
【講師】これはエマージェンシーバッグ、避難バッグです。このバッグは災害の時に持って逃げるバッグです。地震や火事が起きた時、すぐに持って逃げられるように準備をしなければなりません。あなたは避難バッグに何を入れますか?例えば、水を入れます。どうしてですか?喉が渇きますから。ライトを入れます。どうしてですか?暗い時使いますから。考えてみましょう。
ここでもグループディスカッションが行われ、ひとりひとりが避難袋に入れたいものを発表しました。講師からは、現金・小銭や緊急連絡先のメモ、モバイルバッテリー、ホイッスル、予備のメガネなどが必要だという話がありました。
簡易トイレは重要
さらに、足立区の担当者からは災害用の簡易トイレの説明がありました。断水して使えなくなったトイレにビニール袋をかぶせ、凝固剤入りの袋に用を足すと固まって、縛って捨てられるというものです。
おしっこに見立てた液体が固まっていくのを見て、皆さん驚いていた様子でした。担当者は「お腹がすくのは我慢できるが、トイレは我慢できない。必ずトイレも備えるようにしてください」と訴えていました。
おしまいに、参加した外国人に感想を聞きました。
●ベトナム人男性(2年前来日)
――日本で地震があって不安になったことはありますか?
もちろんです。地震とか台風とかの時に役に立つ知識を教えていただいたと思います。
●ミャンマー親子(父と小学生の娘)
最近地震も多くなってるし、しかもこの地域は水害地域にも入っているので、いつも気にかけてるんですけども具体的な行動はしてないので、今日みたいな機会があって本当に良かったと思ってます。
――学校で避難訓練はやりましたか?
うん。地震だったら机の下に隠れる。火事だったらハンカチとかで口を押さえる。
災害が起きた時、外国人は日本語がわからなかったり情報がうまく伝わらなかったりして、取り残されてしまいがちです。外国人を「災害弱者」にしないために災害対応について教える取り組みは、全国の自治体で急務ではないでしょうか。
(TBSラジオ「人権TODAY」担当:進藤誠人)
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