先週末、栃木県足利市を襲った記録的大雨。土砂崩れが住宅を直撃し、2人が亡くなるなどの被害が出ました。市が「避難指示」を出したのは、レベル4の「危険警報」が出てから5時間半後。判断は妥当だったのか、市長が会見で説明しました。
【写真を見る】アンダーパスも冠水…足利市の“記録的大雨”から4日、いまだに残る爪痕
いまだ冠水する場所も…記録的な大雨から4日の足利市
記録的な大雨から4日が経過した7月21日、栃木県・足利市。
記者
「足利市内の緊急のゴミ置き場です。大雨の影響で、濡れてしまった家具などが大量に置かれています」
市内ではいまも土砂や泥水が残り、冠水の被害も続いています。
記者
「JR足利駅付近のアンダーパスです。4mほどでしょうか、いまだに冠水しています」
土砂崩れで夫婦死亡 「危険警報」から5時間半での避難指示
足利市では17日午後から朝早くにかけて、236ミリの雨を観測。平年7月の1か月分を超える雨が、一気に降りました。
住民
「雷が鳴ってたからバーッと降った」
気象庁は午後4時34分、「レベル3土砂災害警報」を発表。さらに、午後5時13分には、避難の目安となる「レベル4危険警報」を出しました。
国のガイドラインでは、レベル4の危険警報」が発表された場合、自治体は「避難指示」を出すことが相当とされています。
ところが、市が避難指示を出したのは「危険警報」の発表から5時間余りが過ぎた、午後10時50分でした。
そのころには...
――避難するとかは考えた?
住民
「そのときは考えられなかった。考えたときにはもう遅かった。ちょっとこれは危ないかなと思った瞬間には、結局車も水没しちゃって、そこらへん全部湖みたいな感じになっていた」
実は、避難指示が出される約1時間前には、すでに住宅が巻き込まれる土砂崩れが起きていました。この土砂崩れで、住民の60代夫婦2人が亡くなっています。
「呼びかけるのは簡単だが…」専門家も指摘“避難指示のタイミング”
一方、隣の群馬県・太田市は異なる対応をとりました。
午後4時55分、「レベル4土砂災害危険警報」が発表されると、避難指示を出すことを決定。
気象庁のデータなどをもとに対象を決め、約30分後の午後5時22分には、避難指示を出しています。
こうしたタイミングの違いについて、足利市長は…
足利市 早川尚秀 市長
「レベル3、レベル4が出た時点では道路冠水があちこちで起こっていて、そのタイミングで避難指示を出すと、結局は避難所へ向かう途中に危険が発生してしまう」
足利市では2019年、川の氾濫で避難所に向かう途中の女性が流され、亡くなっています。
専門家は判断の難しさを指摘します。
東京大学 関谷直也 教授
「高齢者等避難や早めの避難指示を出しておくべきだったというのは、一つの考え方かもしれない。早めに広めに呼びかけるというのは簡単だが、それをやっていると多くの人は避難をしなくなってしまう。本当に必要な人たちに呼びかけられなくなってしまう」
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