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フルタイムで月8万不足も…最低賃金の目安を議論、働き手・企業からも悲鳴のワケ【Nスタ解説】

国内
2026-07-23 19:10

物価高騰が続く中、今年度の最低賃金の目安を決める議論が続けられています。


【写真を見る】学食運営会社が悩む「賃上げと価格転嫁」


労働団体の調査によると、東京都内で一人暮らしをする25歳男性に必要な生活費は月に「約29万円」。しかし、現在の東京都の最低賃金でフルタイム(週40時間)働いても、月額で約8万円も不足する計算になります。


23日、今年度の最低賃金の目安を決める議論が行われていますが、中東情勢の影響で働き手だけではなく企業からも悲鳴があがっています。


中東情勢、物価高…働き手から悲鳴「時給1500円になってくれたら…」

相模原市を中心にクリーニング店を約20店舗運営する「AKランドリー」。

従業員のほとんどが時給で働いています。


パートの女性(48)
「勤務は週4ですね、ここは。他は1件。それは週1回くらいのペースで」


同店でパートとして働く女性(48)。現在の時給は、神奈川県の最低賃金を10円上回る、1235円です。

現在、子ども4人の6人暮らし。中東情勢の影響による物価高もあり、パートを掛け持ちしています。


パートの女性(48)
「物価高大変です。食費なんかは、100円くらいは全部変わってるんじゃないかな。時給が1400円でも1500円にでもなってくれたら、だいぶ変わる」


最低賃金の目安議論、企業からも悲鳴のワケ

苦しいのは、企業側も同じです。


「AKランドリー」 三橋崇子 営業本部長
「水に見えているものが全部、クリーニング用の有機溶剤。今はもう中東情勢の前の価格より5割から6割ぐらいは上がっています


中東情勢の影響で様々なコストが上がっていて、衣服を運ぶためのガソリン代、ハンガー、衣類にかけるビニールにまで…

さらに、去年(2025年)は創業以来初めて、売り上げの51%が人件費で消え、店舗を1つ閉店させました。


「AKランドリー」 三橋崇子 営業本部長
「(時給が)今ここで同じ上げ幅で上がると、正直、会社として成り立つのかなと


こうした中、政府は7月、「2030年代前半、できる限り早期に全国平均1500円を達成する」と新たな方針を示し、前の石破政権が掲げた「2020年代までに1500円」という目標を後ろ倒しにしました。


ただ、2025年度は引き上げ額が過去最大だったことから、都道府県ごとに引き上げ時期がバラバラに。

例年通り10月に引き上げる自治体もあれば、賃上げの準備期間が必要だとして、年をまたぐ県も相次ぎ、“新たな地域格差”が生まれました。


値上げ困難…企業が望むことは

引き上げ時期が全国で2番目に遅い、2026年3月だったのが、群馬県です。

高崎市内にある大学の食堂で学生たちに話を聞くと…


大学1年生
物価は上がるのに、給料は上がらない。他のところは上がっている。それはちょっと不満」


「働くって苦労してるんで、(引き上げ時期など)給料は平等にするべきだなと思う」


こちらの学食、人気メニューは熱々の「オムライス」。気になるお値段は、学生のお財布事情を助ける500円。

運営会社では、3月に賃上げをする一方で、人員配置や原材料費をできる限り抑えてメニューの価格は据え置きに。

価格を簡単に上げられない事情も。


飲食店経営「サンフラワー」宮田誠 社長
「学生食堂みたいなところは特にそうですけれど、(学生の)生活に直結している部分なので、価格転嫁を非常にしにくい


社長は最低賃金の引き上げを各地と同じ時期にしたうえで、「中小企業でも価格転嫁しやすい環境を作ってほしい」と望んでいます。


飲食店経営「サンフラワー」宮田誠 社長
「全体が上がるタイミングで、(賃金を)上げてもらったほうが価格転嫁という点ではやりやすかった。価格転嫁しやすい状況であったり、お給料を上げるために、何をどう回したらいいのかというサイクルを国には考えてほしいと思います」


国は現在、最低賃金の目安を決める議論を行っていて、7月中にも結論を出す見通しです。


最低賃金 生活に必要な額は…今年はどうなる?

井上貴博キャスター:
物価高が長引く中、中小企業で働く人の賃金の底上げはできるのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
アメリカの場合、大都市部の時給は3000円くらいになっています。日本も同様に都市部では(賃金を)上げていかざるを得ないと思います。


井上キャスター:
大都市と地方で(賃金の)差が出てしまうのは、仕方がない部分もあります。ただ、そこから地方都市の賃金をどう引き上げていくことができるかが課題となっています。


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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年


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