戦争の記憶を未来につなぐニュースをお伝えする「NO WARプロジェクト つなぐ、つながる」です。中国の旧満州で日本の開拓団員が集団自決した「麻山(まさん)事件」と呼ばれる悲劇があります。犠牲者の名簿からその悲惨さが浮き彫りになっています。
「これが麻山事件で亡くなった人たちの名簿です」
自宅で戦争の資料を公開している宮城県石巻市の佐々木慶一郎さんは今年、麻山事件の名簿を初めて展示しました。
佐々木慶一郎さん
「麻山事件を知る人はほとんどおりません。あったことを無かったことにするわけにはいかない」
「麻山事件」は、1945年8月12日、中国東北部の旧満州でおきました。麻山と呼ばれる地で、ソ連兵に囲まれた日本の開拓団員が集団自決した事件です。銃を使って家族同士が撃ち合う凄惨な現場だったと伝わっています。
生き延びた女性の証言
「弾のあたった瞬間の、ガサッという母の顎の骨の砕ける音が、今もなお忘れられません」「生きていることがわかれば殺されると思って、私は母の死体のかげで死んだふりをしていました」『麻山事件』(中村雪子 草思社 1983年)より
遺体はしばらくの間、その場に放置されていたといいます。
当時を知る男性
「死にきれずに動いている方、はいずり回っている方、火薬のにおい、血なまぐさいにおい。普通の状態なら目にできない」
生き残った元開拓団員が犠牲者の名簿をつくり、関係者にのみ託していたことが分かったのです。
名簿によると、麻山での犠牲者は500人以上、その6割が抵抗の難しい子どもらでした。親に手をかけられ命を落としたのです。
佐々木慶一郎さん
「最愛の子どもたちを手にかけた、本当に生きている地獄だったと思います」
佐々木さんの地元には、満州での犠牲者を弔う慰霊碑が建立されています。関係者がいなくなる中、事件の悲惨さを伝えたいと名簿の展示を決めました。
佐々木慶一郎さん
「国と国との争いを戦争で解決してはいけない、どんなことがあってもです」
終戦3日前に起きた麻山事件。多くの子どもが犠牲になった事実が明らかになっています。
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