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医療費が安くなる!? 知らないと損する「かかりつけ薬局」 薬代節約から病気の早期発見まで【THE TIME,】

国内
2026-09-02 18:00

日本の医療費は増え続け、その額は過去最高の48兆円超。さらに2024年6月には32年ぶりとなる大規模な診療報酬の改定が行われ、患者の窓口負担は病院でも薬局でも増える傾向にあります。
そんな中、医療費も安くなる可能性があると注目されているのが「かかりつけ薬局」の存在です。


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まだあまり知られていないけど…なぜ「かかりつけ薬局」が重要?

街で「かかりつけ薬局」について聞いてみても、「かかりつけ医は聞いたことありますけど…」「初めて聞いた」という声が多く、まだあまり知られていない存在です。
しかし、医療ジャーナリストの村上和巳氏によると、薬局の役割が今変化しているといいます。
「これまで薬局というと、お薬をもらって『お大事に』で終わっていたと思うんですけど、薬が適切に処方されているかを継続的に見ていくような薬局に対しては、評価がさらに高くなった。かかりつけ薬局というのが実は重要になってくる」。


メリット① “節薬”で薬代を節約

全国に950店舗以上を展開する「クオール薬局」の伊藤隼人薬局長に聞くと、メリットの一つとして「患者の負担部分を下げられる」と話します。


その一つが、患者が飲み残す薬、いわゆる「残薬」の調整です。
日本全体での残薬は年間でおよそ500億円にのぼるとも言われています。かかりつけ薬局であれば、患者がどの薬をどれくらい持っているかを把握しやすいため、医師と連携して処方量を調整し、ムダな薬代を減らすことができます。


さらに、効果は変わらず値段は安いジェネリック医薬品への切り替え提案も節約につながります。例えば、皮膚の保湿剤「ヒルドイド」の場合、先発品が531円(3割負担、100gの場合)なのに対し、同じ有効成分のジェネリックなら189円。342円も安くなります。


メリット② 会話で気づく“病気の芽”

かかりつけ薬局のもう一つの大きなメリットは、病気の早期発見や重症化の予防につながることです。


クオール薬局・伊藤氏「かかりつけになることにより、患者さんの異変にいち早く気付くことができるのかなと」「いつもと調子が違う、話しているトーンが低いなど、確認が取れるので、会話をすごく大切にしている」


そのカギとなるのが、患者との“会話”です。
薬剤師にとって、何気ない会話は患者の体調を見抜くための大切な健康バロメーターなのです。


患者からは、「いろいろな薬を飲んでいるので、全部わかってくれているのが安心。先生には言いにくい『この薬は飲みたくない』といったことも相談しやすい」といった声も聞かれました。


こうした患者との対話時間を確保するため、クオール薬局では最新の機器も導入しています。薬を自動で集める全自動調剤ロボットは、薬剤師1人分ほどの働きをし、調剤時間を5分以上短縮できているといいます。
生み出された時間で、処方箋がなくても健康のことやサプリメントのことなど、様々な相談にのっています。


処方箋なしでもOK! “街の頼れる存在”へ

しかし、街の人からは「(薬局に)フラっと行くことはない」「処方箋を持たずに行くイメージがなくて入りづらい」という本音も。


そこでクオール薬局では、薬局の2階で週に1度体操教室を開いたり、将棋連盟主催のイベントを開催したり、コンビニと併設した店舗を増やすなど、地域の人々が気軽に立ち寄れる工夫を凝らしています。


東京・下町にある「蔵前みどり薬局」も、地域に根差した取り組みで信頼を集めています。


こちらでは月に1回、看護師を招いて無料で育児などの悩みを相談できる「みどりの保健室」を開催。訪れていた3人の子どもを育てる母親は「インターネットとかいろいろな情報がある中でも安心できる。家族のような、親戚のような」と全幅の信頼を寄せています。



他にも、子どもの薬剤師体験など、薬局を身近に感じてもらうイベントも企画。薬剤師の坂口氏は、「病院はフラッとは行けないと思うので(薬を)買わなくても少しグチをこぼすなど、地域の方たちに来てもらうような薬局でありたい」と思いを語ります。


スーパードクターも注目!医師と薬剤師の新たな連携

こうした“かかりつけ薬局”の取り組みは、医師たちからも注目されています。
原因不明の病に悩む患者が訪れる“最後の砦”、千葉大学医学部附属病院「総合診療科」。ここで病の謎を解くカギとなるのが、徹底的に患者の「言葉」を聞くこと。いわば「会話」のプロである医師たちが今、薬剤師と新たな取り組みを始めています。


総合診療科の上原孝紀医師は、「医師だけじゃなく、薬剤師や看護師、いろいろな職種で医療臨床推論の質を上げようというワークショップを行っている」と話します。


ワークショップでは、千葉大病院での実際の症例をもとに、患者から症状を聞き出す会話術や、異変に気づくための質問の仕方を薬剤師などにレクチャー。参加した薬剤師は「的確で優しい聞き方はすごく勉強になった」「どういう言葉で聞くのが一番患者に伝わるのかを考えるのが勉強になった」と話します。
上原医師は、連携の重要性をこう語ります。



「僕らが足りていない所や、もしかしたら間違うこともあるので、そういったことを一緒に協力して医療の質、医療安全を良くする。薬剤師さんと協力・協同するのが非常に重要」。
薬代の節約から、病気の早期発見、そして医療全体の質の向上まで。かかりつけ薬局は、私たちの健康を支える、身近で頼れるパートナーとして、その役割を大きく広げているのです。


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