
来日した技能実習生や特定技能の外国人が、暴行や人権侵害を訴えるケースが相次いでいる。現場で何が起きていたのか…当事者が重い口を開いた。
「文句あるのか、言ってみろ」特定技能の外国人労働者に暴行か
9月7日、会見に臨んだのは、特定技能の在留資格で来日し、働いていたミャンマー人の男性Aさんだ。
ミャンマー人男性Aさん
「日本人は親切で、根気強く教えてくれると思っていた。しかし、初めて接した日本人は私が思っていたのとは違い、いじめられたので悲しかったし恐ろしかった」
Aさんの職場は北海道・京極町にある、外国人を多く雇用している農業法人だ。
7月中旬に、農業法人で働く外国人が撮影した映像がある。
そこには、「何だその目。文句あるのか、言ってみろ!」と大声をあげる男性の姿が映っていた。声の主は、農場を取り仕切る60代の町議とみられる。
60代の町議とみられる声
「ちょっと来い、来いって!教えてやるから、こら!」
この映像では、7日に会見を開いたAさんが胸ぐらをつかまれていた。
Aさんをはじめ、これまでにミャンマー人7人が、この農場から脱出した。
尻を叩かれるなど“セクハラ”も…「奴隷だと思った」の声も
女性従業員は、町議から尻を叩かれるなど“セクハラを受けた”と訴えた。さらに、男性従業員が月2万円の家賃を払っていた寮は汚れがひどく、ネズミが駆け回っていた。
ミャンマー人男性Bさん
「(町議は)『お前は、ばか野郎。お前は仕事ができない』と言った。奴隷だと思った」
9日に開かれた団体交渉で、法人側は未払いの賃金などを支払う姿勢を見せたが、セクハラについては否定。「暴行」については、話し合われなかった。
出席した町議の長男を取材した。
記者
「この動画は、お父さんですか?」
暴行の様子を捉えた動画を見せたが、長男は無言で立ち去った。
外国人労働者の受け入れが拡大する中、こうした問題は後を絶たない。
妊娠した労働者「強制的に帰国させられる“暗黙のルール”があった」
妊娠した労働者に対しては…
監理団体の理事
「あなたはどうしたい?それを考えて」
技能実習生の女性
「子どもを産みたい」
監理団体の理事
「じゃあそれで全部ダメになってもいいですか」
これは技能実習生の女性が、「妊娠した」と監理団体に伝えたときのやりとりを記録した音声だ。
女性は、2019年に来日したフィリピン国籍のイッサさん(仮名)。福岡県上毛町の高齢者施設で働いていた。
1年半後に妊娠がわかったが、喜びと同時に不安に襲われたという。
イッサさん(仮名)
「妊娠したらすぐ、強制的に帰国させられるという暗黙のルールがあった」
イッサさんが、“産休をとって一時帰国したい”と伝えると、監理団体の理事は…
監理団体の理事
「フィリピン人の評価は、あなたのせいですごく落ちます。『もうフィリピンの人はいりません』と言われるかもしれない」
さらにこう続けた。
妊娠を伝え迫られた中絶 監理団体などには賠償命令が
監理団体の理事
「ひとつだけ聞きたいことがある。それは何かと言うと…アボーション(中絶)っていうのこれ?」
技能実習生の女性
「それはできません」
「中絶」を求められたイッサさんだが、それを拒否し、帰国して男の子を出産。
“妊娠を理由に退職や帰国を余儀なくされた”として、監理団体などに賠償を求める訴えを起こした。
イッサさん(仮名)
「闘い続けることで、痛みやプレッシャーなどを感じていますが、同じような状況に陥っている女性がいる中で声を上げたい」
8月4日、裁判所は監理団体などに300万円を超える賠償を命じた。
厚生労働省によると、2024年に法令違反と認められた、技能実習の人が働く事業場は8310、特定技能の人が働く事業場は4395だった。
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