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まるで巨大クレーンゲーム!清掃工場見学や革細工体験に親子で夢中 皮革と油脂のまち・墨田区「きねがわ」スタンプラリー

国内
2026-11-06 12:30

皮革と油脂のまちでスタンプラリー

今回は10月18日に開催された「きねがわスタンプラリー」を取材しました。東京都墨田区の東墨田あたりの「木下川(きねがわ)」と呼ばれている地域で、毎年10月に開催されているイベントです。


【写真で見る】まるで巨大クレーンゲーム!清掃工場見学や革細工体験に親子で夢中 皮革と油脂のまち・墨田区「きねがわ」スタンプラリー


この地域では動物の「皮」をなめして、かばんや衣類のもとになる「革」にする「皮革産業」が古くからさかんで、特に豚の革の生産は日本一です。また皮革産業由来の油脂や、使った後の食用油をリサイクルする工場が集まっていたりする「皮革と油脂のまち」なのです。


そんな地元の素晴らしい産業や歴史をみんなに楽しく知ってもらおう、そして地域を盛り上げようという目的で2015年から始まったのがこの「きねがわスタンプラリー」です。地域内の1.7キロのコースにある4つの施設のうち3つのスタンプを集めると記念品がもらえるのですが、施設での「体験コーナー」が充実しているのも魅力のひとつです。


お子さんにも人気の体験コーナー

当日は秋晴れの日曜日で、スタンプラリーにはおよそ600人が参加。スタート地点の墨田区社会福祉会館では、朝10時の受付に大勢の参加者が列を作っていました。


近くに引っ越してきて今回で参加は2度目という方は「子どもが『革のキーホルダーをもう一回作りたい』と言うので、多分イベントがそろそろあるかなと思いネットで調べて来ました。ここのエリアは皮革産業がさかんだっていうのは工場があるのでなんとなくは分かっていましたけれど、作られる過程などこのイベントでより知ることができました」と話していました。


お子さんが「また作りたい」というキーホルダーですが、革に好きな柄を刻印しながら制作するもので、私も実際に作ってみました。表面をスポンジで濡らした革に好きな柄の金属製のスタンプを木づちでコンコンと打っていきます。スポンジで濡らしているのは、革が乾くときに刻印が定着するからなのですが、小さな子どもが手を滑らせないようにボランティアの方がサポートしてくれていました。


きねがわの町を知る

また墨田区社会福祉会館の中には、きねがわの貴重な資料が収蔵されている「産業・教育資料室きねがわ」があります。


ここには馬一頭分の大きな皮や、油脂を原材料にした石鹸などの製品が展示されているほか、かつてこのエリアにあった木下川小学校の生徒たちが記した作文集も1957年から統廃合する2003年までの全ての年のものが展示されています。


この資料室で参加者の台紙にスタンプを押すボランティアをしていた80代の男性は、50年間、皮革産業に携わっていたといいます。革の製品を作るまでの工程や、この町についてお話を聞くと、長い年月、皮革と向き合ってきたその言葉を通して、地域への愛着が伝わってきました。


「と畜場から来た原皮の脂や豚の毛を取ったりして、それから製品にして色を染めたり様々な工程を全部やってきました。大変ですよ。革にするまでには1枚であっても一か月以上はかかる。鞄とか財布とか作るにはかなりの日数がかかるんじゃないのかね。結構温かい人が多いというか、そういう町だと思いますけれど私は。なんか気取ってる人はいないような感じだから。ざっくばらんにワーワーなんでも言っちゃう」


今年は新たに墨田清掃工場が追加に

スタンプラリーのほかのスポットもご紹介します。普段は一般の人が入ることが出来ない「東京都立皮革技術センター」ですが、きねがわスタンプラリーに合わせて年一回公開され、最新技術の見学に加え、革のきんちゃく作り体験もできます。


また「八広児童館」では、東京都人権啓発センターがユニバーサルデザイングッズの展示や関連するクイズを出題していました。


そして今年から新たにスタンプのスポットに加わったのが「墨田清掃工場」です。今回はごみを焼却炉に投入する作業を見学しましたが、広げると数メートルあるクレーンの爪が大量のごみを掴んでは焼却炉に入れていく様子を見ることができました。

一度に掴むごみの量はおよそ3.5トンから4トンなので、かなりの迫力です。まるで超巨大なクレーンゲームのようで参加者からは「映画の世界みたい」「大きーい!」「意外と近くまでいってもにおいがしない」などの感想が聞こえました。


ごみのにおいがほとんどない理由は消臭の薬剤を撒いているのに加え、出入り口にはエアカーテンが付いていて、空気の幕を作ってこの中だけでにおいをとどめるなど二重・三重の対策がされていました。


清掃工場のにおいは偏見の対象とされがちですが、見学を通じて対策を講じていることを知りました。地域特有の技術や歴史に触れ、また今年は新たに「見えなかった仕事」への理解を深めることも出来ました。きねがわスタンプラリーがこれまで以上に「技術」に触れられるイベントになっていました。


(TBSラジオ「人権TODAY」担当:TBSラジオキャスター加藤奈央)


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