アメリカの首都ワシントンで、34年ぶりに行われた軍事パレード。トランプ大統領が自らの誕生日にあわせ、巨額の費用をかけて実行したパレードですが、政権の「勢い」よりも、むしろ「逆風」が目立つ一日となりました。
アメリカ トランプ大統領
「昨夜の軍事パレードは多くの観衆の中、素晴らしい大成功だった」
トランプ大統領が上機嫌で振り返ったのは、前の日に開催した軍事パレードです。
記者
「軍事パレードが始まりました。いま先頭の兵士の人たちが入って来ました」
アメリカ陸軍の創設250年を祝ったパレードには、6700人の兵士や戦車、軍用ヘリコプターなどが参加し、独立戦争以来、アメリカが経験した戦争を振り返る演出で行われました。
ワシントンでの軍事パレードは湾岸戦争の終結後に行われて以来、34年ぶりのことで、費用は最大でおよそ65億円に上ります。
アメリカ トランプ大統領
「アメリカはかつてなく偉大で強くなる」
一方、パレードが開催された6月14日は…。
アメリカ バンス副大統領
「きょうは大統領の誕生日です!」
トランプ大統領の79歳の誕生日でもありました。これを批判する看板を掲げる人も姿を見せ、警備にあたっていた警察官とにらみ合いになる場面も。
さらに。
記者
「ニューヨーク市内の中心部ですけれども、トランプ政権に抗議する人が多く集まって道を埋め尽くしています」
パレードに合わせ、全米2100か所で政権を批判するデモが行われたのです。ニューヨークでは集まった5万人が「王様は要らない」と題し、行進しました。
「トランプは王様のように振舞い、法に従っていません。やりたい放題です」
「恐怖で参加できない多くの有色人種の友人たちのために行進しています」
不法移民の摘発をきっかけとした激しい抗議デモが続くロサンゼルスでも。
「(軍事パレードは)お金の無駄で、残念だと思います。トランプ氏のエゴでしかありません」
州兵や海兵隊も警備にあたる中、およそ3万人が声を上げました。
トランプ氏の悲願とも言われた今回のパレード、アメリカ社会に何を残したのか、ワシントン支局長は。
樫元照幸 ワシントン支局長
「軍事パレードの最中、トランプ大統領は疲れたような表情が目につきました。国内での批判の高まりだけでなく、外交面ではウクライナ、そしてイランをめぐるアメリカの仲介が手詰まりとなっています。自らの誕生日に政権の勢いを見せつけるはずの軍事パレードでしたが、むしろその勢いが失速しつつある、そんな現状が示された一日となりました」
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