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「イスラエルに容赦しない」最高指導者ハメネイ氏“徹底抗戦”の構え 米トランプ大統領「イラン核施設」攻撃検討か【news23】

海外
2025-06-19 13:55

イスラエルとイランの攻撃がエスカレートする中、イランの最高指導者ハメネイ師の声明が公開されました。ハメネイ師は徹底抗戦の姿勢で、SNSでは「イスラエルに容赦しない」とも発言しています。


【写真で見る】アメリカ軍だけが持つ、“世界で一番強力”なバンカーバスター


アメリカ 核施設を「地中貫通弾」検討か

イラン・テヘランの夜空にあがる炎。もはや、この光景は日常となりつつあります。


イスラエルは18日、40以上のミサイル関連施設を攻撃したと発表しました。


イラン側の報復も続いています。
イスラエル最大の商業都市・テルアビブでも...


増尾聡記者
「また中部テルアビブでサイレンが鳴り始めました。午前12時半ごろです」
「赤い光が相次いで上空を飛んでいるのが分かります。イランの弾道ミサイル、そして迎撃ミサイルかと思いますが、赤い光が空を相次いで飛んでいます。いま、たぶん迎撃しました。私たちもシェルターに入っていきます」


イランによるミサイルの攻撃が続き、空襲警報が朝まで何度も鳴り響きました。

イスラエルによるイランの攻撃に端を発した衝突は、さらにエスカレートする恐れも出てきました。アメリカのCNNは、イスラエルの高官が次のように語ったと伝えています。


イスラエル高官
「トランプ大統領がイランの核計画を完全に破壊するという仕事を仕上げてくれるのかどうか、イスラエルはその判断を待っている」


トランプ大統領が検討していると報じられているのは、イラン中部・フォルドゥにある核施設への攻撃です。


謎に包まれている核施設は、約80メートルの地下深くにあり、破壊するには、アメリカ軍だけが持つ大型の地中貫通弾=バンカーバスター「GBU-57」が必要だと言われています。

そして「GBU-57」を搭載し、運用できるのはアメリカ軍のB2ステルス爆撃機だけなのです。


軍事ジャーナリスト黒井文太郎氏
「おそらく世界で一番強力なバンカーバスターになります。中を全部破壊できないにしても、ある程度のダメージを与えられると期待されている。(イランの核開発を)遅らせる程度がイスラエルだけでやる場合と、米軍が参戦した場合とでは大きく変わってきます」


イランの核施設への攻撃に踏み切るのかどうか。トランプ大統領は、SNSに…


トランプ大統領のSNS
「われわれの忍耐は限界に近づいている」


イランに「無条件降伏」を求め、圧力を強めています。


イラン最高指導者「イスラエルに容赦しない」

しかし、イランには譲る気配はありません。


最高指導者ハメネイ師は、SNSに「イスラエルに容赦しない」と投稿。18日夜、ハメネイ師の声明が公開されました。


イラン最高指導者 ハメネイ師
「イラン国民は、どの国からの押しつけにも降伏しない
「アメリカが軍事介入すれば、間違いなく取り返しのつかない被害をまねくだろう」


ニューヨーク・タイムズは、アメリカ当局者の話として、アメリカがイスラエルの攻撃に加わった場合に備えて、イランが中東にある米軍基地をミサイルなどで攻撃する準備をしていると報じています。


商社など日本企業も進出しているイラン。約280人の日本人が滞在しています。日本人の退避に備え、政府は近く自衛隊機を派遣することを検討しているということです。


また、早ければ19日にも退避を希望する日本人をバスで出国させる方針です。


イスラエル・テルアビブから現地リポート「街は閑散とし、衝撃的な攻撃が続いている」

藤森祥平キャスター:
連日イランからの報復攻撃を受けているイスラエルには増尾記者がいます。現地はいま、どのような状況ですか?


増尾聡記者:
私達が取材を続けているのは、イスラエルの中でも特に攻撃の頻度が高く、集中して狙われている中部のテルアビブになります。テルアビブでは6日間連続で攻撃があり、1日に平均して4~5回、特に夜間の時間帯に攻撃が集中している状況です。

そして今、イスラエルでは全国的に非常事態が宣言されていて、私がいるテルアビブでも多くの飲食店やショッピングセンターは閉鎖を余儀なくされ、学校なども休校となっています。


18日午前中ごろから、少しずつテルアビブには人の姿が出始めました。私は、2024年10月からイスラエルで取材していますが、ここまで閑散としていて、イスラエル国民が警戒し、外出を控えているという様子は初めてです。衝撃的な攻撃が続いてるという印象です。

この後、アメリカが対イランの作戦に参加してくるのか。そうなった場合、イランからの攻撃の頻度や規模はどうなっていくのか。市民の間にも、これまでとは違う緊張感が続いています。


“バンカーバスター”の使用はあるのか?元中東支局長に聞く今後のポイント

小川彩佳キャスター:
激しくなっていくイスラエルとイランの攻撃の応酬は、さらにエスカレートしていくのでしょうか。今後のポイントを教えてください。


元JNN中東支局長 秌場聖治記者:
アメリカが本格的に参加するかというところだと思います。トランプ氏は必ずしもイランと戦争したがっていたわけではありません。就任当初から「ピースメーカーとして記憶されたい」と、しかも「中東での戦争に引きずり込まれたくはない」と考えていたと思われます。


一方で、イスラエルのネタニヤフ氏はアメリカを引きずり込みたいという思惑があります。その理由の一つが、「バンカーバスター」です。ここのところ、ネタニヤフ氏やイスラエル側から「イランの上空の制空権は我々も握っている」と繰り返し言っていたのは、アメリカに対して「安全に空爆できます」いうメッセージにも取れました。


藤森祥平キャスター:
地下80mほどに位置するとみられている核施設を攻撃するには、「バンカーバスター」という武器が必要だと言われています。様々な背景や事情があるにせよ、このような攻撃を許していいのかという見方もあります。

トラウデン直美さん:
核施設に対して攻撃をした場合、周辺にどのような影響があるのでしょうか。


秌場記者:
IAEAのトップも非常に懸念し、自制を促しています。
これまでにナタンズなどで攻撃がありましたが、施設の外で放射性物質が検知されレベルが上がったということは、まだ確認されていません。

実際にバンカーバスターで貫通できるかどうかは、やってみないとわかりません。使用した場合に何が起きるかというのは、まだわかりません。もちろん、地下はかなり深いので、影響は限定的だという見方もありますが、非常に懸念されています。


小川キャスター:
核施設を仮に破壊することができたとしても、必ずしも核開発を止めるということにはならないわけで、イスラエルは何を想定して、どこまで行こうと考えているのでしょうか。


秌場記者:
核施設を攻撃したり、核科学者を暗殺したりすることで、核計画を後退させることはできます。

ですが、イランはやり方を知っているので、再び核開発を進めようとするでしょうし、今回これだけの攻撃を受けたので「やはり核兵器がないとやられる」と思って、核兵器を持とうとする意志が強くなる可能性はあります。

核兵器を二度と持たせないように、政権転覆までネタニヤフ氏が考えているかどうか、まだわかりません。しかも、政権を転覆させたとして、その後に何が待っているかもわかりません。

中央政府のグリップがなくなって、例えば過激派が入ってくるなどしたら、中東地域あるいはアメリカにとっても望ましいことではないし、新しくできるかもしれない政権が、必ずしも親イスラエルかというと、そうではないのではないかというのもあります。

そのあたりに関して、イスラエルあるいはトランプ氏が何らかの計画を持っているのか、まだ見えてきません。


小川キャスター:
こうしている間にも、ガザでの深刻な状況は変わらず続いている訳ですよね。

秌場記者:
その通りです。そちらは何も変化はなく、ひどいままですので、目が逸れてしまうかもしれませんが、そちらも忘れないでいたいです。

小川キャスター:
異常性の中で、異常を認識できなくなる恐ろしさというのも同時に感じます。


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<プロフィール>

秌場聖治
元JNN中東支局長
シリア内戦など中東各地を取材


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