「春節」の大型連休に伴い、多くの観光客が日本に訪れるなか、いま彼らの熱い視線を浴びているのが、日本の中古=「リユース品」だといいます。注目のワケには、“偽物”を短時間で見極めるAI技術がありました。
【写真で見る】数百万円の購入客にはソファでくつろげるように用意したVIPルーム
なぜ日本のリユース品を中国客は狙う?春節で訪日客が殺到
日本各地の観光地には、中国や台湾からの観光客が多く訪れています。というのも今、春節中の中国。旅行先として一番人気なのが日本なのです。
東京・銀座のショップでも…
記者
「銀座にある中古ブランド品店です。春節でたくさんのお客様が海外からいらっしゃってます」
シャネルやルイ・ヴィトンなど高級ブランド品が並ぶ店内。
中国からの観光客
「春節で日本に来ました。(日本のリユース品は)とても新しくてきれいに見える。品揃えも豊富。比較的信頼できて偽物を買う心配がない」
「日本にはいろんな国の人が買い物に来るので品揃えがいいのかな」
中国(香港)からの観光客
「エルメスしか見ていない。香港と比べると色・種類が多い」
観光客のお目当ては、高級ブランドのリユース品。ブランドオフ銀座本店では、中華圏の客が6割を占めているといいます。
ブランドオフ銀座本店 駒田武 店長
「円安が非常に大きな影響で、よく買われていくなという印象はあります。日本は昔からリユースの文化があって、いわゆる真贋(本物と偽物の見極め)の問題が厳しくチェックされているところは、海外の方も安心してお求めいただいているのかな」
こうした追い風があってか、日本のリユース品市場の規模は年々拡大。2023年には初めて3兆円を超えました。このうちブランド品は前の年より約2割増えています。
なぜ、日本のリユース品は海外の人から厚い信頼を得られているのでしょうか。
その理由の一つに、AIによる鑑定技術があります。どのように行われているのか見せてもらいました。
日本のAI鑑定に世界も熱視線
鑑定士
「スコープを使ってバックを拡大して真贋をしています」
鑑定士がマイクロスコープをバッグに当てて、拡大した画像を10数枚取り込んでいきます。そして、AIに画像を読み込ませると「基準内」という文字が。これは本物を表し、偽物の場合は「基準外」と表示されます。
わずか2秒ほどでAIが判定。査定にかかる時間は3分の1まで短くなったといいます。さらに、判定の精度は99.9%。
KOMEHYO SHINJUKU 萩原大介さん
「(日本の)中古品に信頼をいただいている。チェックド・イン・ジャパンという感じでご好評いただいていますので、そういった意味でも買い取りにもより力を入れていくことが必要になってくるかなと」
「VIPルームは、春節でご来店いただくお客様向けにご用意させていただいているお部屋で、主に高額品をご購入いただくお客様をこちらでおもてなししております」
数百万円の買い物をする客には、このVIPルームを用意。ソファでくつろげるようにしています。
メイド・イン・ジャパンからチェックド・イン・ジャパンへと新たな市場が広がっているようです。
春節で“リユース”人気 偽ブランド品を見抜くAI鑑定
小川彩佳キャスター:
日本のAI鑑定が信頼を呼んでいるということですね。
AIエンジニア 安野貴博さん:
非常に面白い応用例だなと思って見ていました。ただちょっと気になったのが、AIで99.9%の精度が出せるとなると、この技術が世界中にどんどん広がっていく可能性もあるなと思います。
となると、今は「日本の市場には本物がたくさんあるからいいね」というブランドがありますけど、一方で今後はそれが海外でも簡単に起きるようになるかもしれない。AI技術でいろんな市場の形が変わっていくんだなというふうに思っています。
小川キャスター:
“安心・安全”という日本のお家芸として守っていきたいところではありますね。
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