
コメの価格高騰などにより値上がりするおにぎり。そんな中、海苔を使わない「だしおにぎり」の人気が高まっています。
【写真を見る】スリコも参戦「だしおにぎり」海苔高騰で続々登場【THE TIME,】
海苔高騰で「きゅうり」の軍艦巻
コメの値上がりが続いていますが、「海苔」も例外ではありません。
全国漁連のり事業推進協議会によると、海苔1枚あたりの平均単価は
▼〔2013年:9.18円〕⇒〔2024年:24.69円〕と3倍近くにまで高騰。
その原因は「海苔の不作」です。
海水温の上昇などが原因で、「クロノリの生産量」は
▼〔2001年:約100億枚〕⇒〔直近5年:約60億枚〕まで減少。創業150年以上の老舗海苔問屋も頭を抱えています。
『吉田商店』社長・古市尚久さん:
「ひどい不作が続いて日本中で海苔は圧倒的に少ない。153年やっているけれど、こんなに値の変動というのは、しかも数年間でここまで変わるのはなかった」
海苔高騰の影響は、寿司店にも。
『かっぱ寿司』では海苔の替わりにスライスしたきゅうりを巻いた「かっぱ軍艦」(110円~)を2024年9月から発売。サーモンぶつやコーンマヨネーズなど6種類をラインナップしています。
広報宣伝部・國方 祥さん:
「海苔不足と言われている中で、また違ったテイスト、驚きも美味しさも含めて提供できればと思っている」
“海苔なし”でコストカットし「具材」にこだわる
そんな中、最も影響を受けているのが「おにぎり」です。
東京・北千住にある『おにぎり屋 むすび』は、銅鍋で炊いた米で握るおにぎりが人気ですが、すべて“海苔なし”。
「鮭」(250円)や「さわらの西京焼」(300円)など日替わりで提供する10種類のおにぎりは、“米と具材の味”だけで勝負しています。
オーナー・萩野夏希さん:
「海苔をつけると販売価格が100円くらい上がる。『毎日食べられる』というコンセプトから離れてしまうというのもあって、あえて海苔は使わないのをこだわりにしている」
海苔にかかるコストをカットすることで北海道産の銀鮭や、メバチマグロなど“こだわりの材料”を使用できるようになったといいます。
スリコも「だしおにぎり」に参入
2月から「おにぎり」の販売を始めた生活雑貨のチェーン店『3COINS』でも、並ぶのは“海苔なしおにぎり”です。その最大の特徴が…
『株式会社パル』広報・小林梨瑚さん:
「北海道産の昆布と削り節を合わせただしで米を炊いていて、地方の食材を大きくゴロッと入れているところもポイント」
ラインナップは“だし”と“全国の郷土料理”に注目して作られた全10種類。
▼沖縄名物をご飯に混ぜ込んだ「にんじんしりしりー」(324円)
▼秋田の名産にクリームチーズをあわせた「いぶりがっこ&クリチ」(324円)など
だしで炊いたご飯は、旨味のあるやさしい味で海苔なしの物足りなさを感じさせません。
THE TIME,マーケティング部 新名真愛部員:
「口に入れるとほのかにふわっと“だし”が広がります。具がたっぷり入っているので食べ応え抜群です」
「だしおにぎり」はコンビニでも
『ローソン』では、昆布や椎茸・鰹節など4種類のだしを使った「だしおにぎり」(日高昆布・おかか各138円)を販売。
『ファミリーマート』からは、昆布・椎茸・かつお3種類のだしに加え、人参・油揚げ・ごぼうなど具材もふんだんに使った「かやくごはんおむすび」(138円※関西地域限定商品・和歌山県の一部では取り扱いなし)。
『ミニストップ』のだしおにぎりは、「いつもの本体価格98円シリーズ」(105.84円)から登場。
「ひじき入りご飯」は“かつおだし”、「梅こんぶ」は“白だし”など、おにぎりの具材に合わせて出汁を使い分け、食物繊維が摂れるもち麦もブレンド。
「海苔の高騰もあるし、混ぜ具タイプで海苔がなくても美味しい商品に」(広報・岡啓介さん)と、海苔をなくしたことで低価格を実現しています。
「出汁+酢」で“海苔なし”でも満足
さらに、家庭にも“海苔なし”おにぎりの波が。
創業400年以上の醸造酢メーカー『タマノイ酢』から発売されたのは、粉末の「赤すしのこ だしおにぎりの素」(195円)。
だしだけでなく「酢」を入れることで風味や味わいがより深くなり、海苔なしでも物足りなさを感じないおにぎりになるといいます。
広報・上村那央香さん:
「お酢だけだと抵抗感がある人もいると思うし、より“日本らしさ”とか“おにぎりらしさ”を出すために、だしにはすごくこだわった」
海苔の高騰がもたらした「だしおにぎり」の広がり。ご飯に染み込んだ“出汁の旨味”をじっくり堪能してみる良い機会かもしれません。
(THE TIME,2025年5月6日放送より)
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