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“中国マネー”で建てられた施設があちこちに…人口32万人の島・バヌアツに迫る「債務の罠」

総合
2024-10-12 07:32

中国の海洋進出は今や、東南アジアの海域を超えて、さらに南にある島国にまで拡大しています。中国の影響力が及ぶ「バヌアツ」という島国の首相がJNNの単独インタビューで、今、何が起きているのかを語りました。日本の安全保障にも関わる話です。


南太平洋に浮かぶ、人口32万人の島「バヌアツ」。GDPの3分の1を観光収入でまかなう小さな島国ですが…


記者
「ポートビラ市内にあるこちらの建物。政府庁舎ということで、建てられたばかりですが、こちらにも中国援助という看板が掲げられています」


広大な敷地にそびえる大統領公邸や国際会議場、体育館など、中国の資金で建てられた施設があちらこちらにあります。


近年、中国はその影響力を東南アジアから南太平洋にまで広げ、バヌアツなどの島しょ国との連携を強化。巨額の援助や投資をしているのです。


実際、バヌアツのサルワイ首相はJNNに対し、先月、中国の習近平国家主席とインフラ整備など複数の覚書を交わしたと語っています。


バヌアツ サルワイ首相
「習主席に、我々は中国銀行のバヌアツ支店の設置に興味があると話しました」


その一方で、対外債務のおよそ4割が中国政府系の銀行に対するものとされるバヌアツには、いわゆる「債務の罠」の影も迫っています。


「債務の罠」は、中国が多額の債務を返済できない国にインフラ施設の権益譲渡を迫るなどするもので、現にスリランカでは、港の運営権を99年間、中国企業にゆだねることになってしまいました。


他国の融資に頼らざるを得ない現状について、サルワイ首相はこう訴えます。


バヌアツ サルワイ首相
「我々は気候変動の被害者です」


日本でも気候変動の影響はすでに現れていますが、バヌアツでも自然災害が多発し、去年3月には2つのサイクロンでおよそ630億円もの被害が出ました。


バヌアツ サルワイ首相
「(オーストラリアから)寄付されたボートもサイクロンで被害を受け、修理もできない。修理するお金がないのです」


一方、安全保障にも影響し得るこうした中国の動きに、日本は…


岸田総理
「日本と太平洋島しょ国との協力と連携の重要性はますます高まっています」


先月、東京で「太平洋・島サミット」が開催され、岸田総理はサルワイ首相と会談。さらに、今月には、伊藤環境大臣がバヌアツを訪問し、両国の関係を強化する方針を確認しました。


日本との関係についてサルワイ首相は…


バヌアツ サルワイ首相
「過去から現在まで、日本は我が国に援助を行っています」


日本が継続する資金と技術支援に感謝の意を示しました。


中国の動きに対抗するため、バヌアツなどの島しょ国との協力関係を今後、さらに強化していくことが急がれます。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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