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2025-10-20 06:00

声優の羽佐間道夫、山寺宏一、林原めぐみらが出演する舞台『20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025』が31日より全国4都市7公演をスタートさせる。これに先立ち、羽佐間と山寺が声優口演の楽しみ方を語った。
【画像】豪華声優陣がチャップリンの名作を熱演!「ボイスシネマ声優口演ライブ2025」
「ボイスシネマ声優口演」は、齢91歳の羽佐間が「声優の力で無声映画を蘇らせたい」という情熱から立ち上げた舞台企画。ライブでアテレコを行うステージは2025年に20周年を迎える(20~21年はコロナ禍により中止)。賛同した野沢雅子と山寺が参加し、3人を中心に様々なゲストを迎えて毎年公演を行ってきた。
日本チャップリン協会の協力の元、チャップリン・キートン・ロイドの名作を生演奏の音楽と共に吹替え映画のようにライブで再現されるステージは、一切ミスの許されない、まさに日本声優技術の集大成。ベテラン声優から人気声優までが一同に会し、一夜限りの組み合わせでお届けする無声映画だからできる、アドリブ満載ステージとなる。
過去20年間で延べ70ステージ以上、出演した声優は100名を超えた。野沢、山寺、中尾隆聖、林原、三石琴乃、平野綾など、日本を代表する声優たちが世代を超えて集結。累計動員数は5万人以上に達する。20周年を迎える今年、「声優口演」はこれまで培った歴史と熱狂を背に、さらに進化した舞台へと挑む。20周年の公演は公演ごとに、演目や出演者が異なるが、今回の公演では遂に新作、チャップリンの「キッド」に取り組む。そして、こちらも新作の「キートンの文化生活一週間」、そして10年ぶりの再演の「ロイドの巨人征服」、山寺独演「犬の生活」と盛りだくさんの公演となる。
公演は、10月31日~11月2日に東京・有楽町よみうりホール、11月22日に愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、12月6日に宮城県・:仙台電力ホール、12月20日に大阪・新歌舞伎座に上演される。
■羽佐間道夫&山寺宏一インタビュー
羽佐間:アニメから来てくれるファンの方がとても多いんです。林原めぐみさんや山寺宏一さんなど、普段は“声”だけで親しんでいる声優が、舞台上で生の声を届ける。その姿を間近で見られること自体が大きな魅力なんです。映画の細かいストーリーを事前に理解していなくても大丈夫。目の前で声優がその場で演じる姿を、ただ見て、聞いて、感じてもらえれば、それだけで十分に楽しめます。
山寺:チャップリンの『犬の生活』なんて、正直、僕らが声を入れなくても十分に面白いんです。映画の完成度があまりに高いから、声優が声を当てるのは“余計なこと”なのかもしれない。でも、その余計なことをあえてやることで、新しい表現の可能性が生まれる。完成された作品にどう向き合い、自分の声でどう付加価値を生み出すか――そこに挑戦の意味があるんです。
(補足)
この声優口演は国際的にも評価されている。チャップリンの孫は2度観劇に訪れ、最初は不安げだったものの「とても良かった」と喜んで帰国した。また声優口演で演じられる作品はチャップリン協会から正式な許諾を得ており、中には「山寺宏一さんが演じるなら」と条件付きで許諾が下りた作品もある。これは日本の声優技術の芸術性が世界的に認められた証し。観客の楽しみ方はとてもシンプル。映画そのものの完成度を味わう。声優があえて“余計なこと”を加えることで生まれる新たな芸術性を感じる。ライブならではの緊張感と、声優の肉声が生み出す舞台の空気を浴びる。声優口演とは、映画と舞台、完成と挑戦、伝統と革新が交錯する唯一無二の表現となっている。
――20周年と“無声映画×声優”という発想
羽佐間:最初は野沢雅子さんと2人で始めただけでしたが、あっという間に20年。ここまで続くとは想像していませんでした。先輩から後輩へ、この文化をつなげていってほしいですね。
山寺:20年前に羽佐間さんから声をかけていただいたとき、“本当にできるのだろうか、楽しんでもらえるのだろうか”という気持ちでした。でも、ここまで続いたのは素晴らしいこと。無声映画に声優が声を当てる――このアイデアの素晴らしさに尽きます。今では自分のライフワークとして続けていきたいと思っています。
――演技の“作法”と同時多役の難しさ
羽佐間:古い芸能の世界では、偉い人と身分の低い人で“顔の作り方”や“見せる側”が決まっていました。偉い役は左の顔、身分の低い役は右の顔を作る…。舞台では上手・下手の使い分けも含めて、まず“どちらの顔を見せるか”から入るんです。私たちは一度に数十の役を切り替えることもありますが、その根っこにはこうした“型”の理解があるんです。
山寺:僕は台本を持たずに即興で作っていくスタイルです。皆さんが台本を持って稽古して臨むのと違い、舞台の上でその場で組み立てていく。その分、体力も滑舌も求められますが、ライブならではの緊張感が醍醐味です。
――「犬の生活」は“覚悟の自信作”
山寺:チャップリンの『犬の生活』は20年前から取り組んできた演目です。作品そのものの完成度が非常に高く、極論すれば声を入れなくても面白い。だからこそ自分なりに磨き続けてきました。“これを面白くないと言われたら声優をやめてもいい”――それほどの覚悟で臨んでいます。
――「ロイド」「キートン」は“未知への挑戦”
山寺:一方で、バスター・キートンやハロルド・ロイドの演目は、まだ手探り。チャップリンのように積み重ねた自信はなく、“どうなるか分からない”不安もあります。お客様の前で“ド滑りする僕”を見られるかもしれません。でも、だからこそ挑戦したい。大野さんからいただいた台本のベースに自分で肉付けをし、初めて舞台で形にしていく――その過程そのものを楽しんでもらえればと思います。ぜひ“ド滑りするかもしれない山寺宏一”を観に来てください。
――体当たりの現場 ― 汗と肉体の記憶
山寺:無声映画の名人芸は、演者の肉体そのものが土台。キートンなんて何度も二階から飛び降りるような体の張り方をしていました。僕自身も、夏の舞台では汗で“水たまり”ができたことがあるくらいです(笑)。命がけで体を使うからこそ、観客にリアルな熱量が伝わるんだと思います。
――世代を超える“声優口演”の舞台
羽佐間:このイベントは、声優陣のチームワークが大きな魅力です。若手からベテランまで世代を超えて集まり、自然と良い空気感が生まれる。その空気を観客の皆さんに感じ取っていただけるのがうれしいですね。
山寺:90代から20代まで、幅広い世代の声優が同じ舞台に上がります。若手だけ、ベテランだけという催しはあっても、ここまで世代が混ざる機会はまずない。下の世代は先輩の背中を見て刺激を受け、上の世代は若いエネルギーから力をもらう。お互いに影響を与え合う現場なんです。観客にとっても、世代を超えたキャストの掛け合いを一度に味わえる稀有な舞台だと思います。
■『20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025』公演概要
(公演内容が公演ごとに異なります)
・オープニングトーク
・声優口演(1)
・声優口演(2)
・エンディングトーク
全公演の共通プログラム
・出演者によるスペシャルトーク
ゲスト:大野裕之(日本チャップリン協会会長)
・プレゼント抽選会各公演出演者の寄せ書きサイン色紙プレゼント
・演無声映画タイトル
「チャップリンのキッド」53分
「キートンの文化生活一週間」19分(1人)
「ロイドの巨人征服」53分
「チャップリンの犬の生活」33分(1人)
総上演時間 120分予定
■出演者(50音順)
天崎滉平(崎=たつさき)、池澤春菜、井澤詩織、市川太一、井上和彦、井上喜久子、井上ほの花、今井文也、上坂すみれ、浦和希、大塚剛央、鬼頭明里、寿美菜子、小林由美子、高木渉、武内駿輔、土井美加、戸松遥、冨永みーな、中尾隆聖、仲村宗悟、長縄まりあ、羽佐間道夫、濱健人、林原めぐみ、林勇、速水奨、潘めぐみ、平野綾、福山潤、三石琴乃、森久保祥太郎、安元洋貴、山寺宏一ほか
【公演サポートメンバー】ムーブマン(東京・名古屋・仙台・大阪)/劇団とっても便利(大阪)
【ゲスト出演】大野裕之(日本チャップリン協会会長)
【演奏】 emyu、遠藤定、丸茂睦、矢崎浩志
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「ボイスシネマ声優口演」は、齢91歳の羽佐間が「声優の力で無声映画を蘇らせたい」という情熱から立ち上げた舞台企画。ライブでアテレコを行うステージは2025年に20周年を迎える(20~21年はコロナ禍により中止)。賛同した野沢雅子と山寺が参加し、3人を中心に様々なゲストを迎えて毎年公演を行ってきた。
日本チャップリン協会の協力の元、チャップリン・キートン・ロイドの名作を生演奏の音楽と共に吹替え映画のようにライブで再現されるステージは、一切ミスの許されない、まさに日本声優技術の集大成。ベテラン声優から人気声優までが一同に会し、一夜限りの組み合わせでお届けする無声映画だからできる、アドリブ満載ステージとなる。
過去20年間で延べ70ステージ以上、出演した声優は100名を超えた。野沢、山寺、中尾隆聖、林原、三石琴乃、平野綾など、日本を代表する声優たちが世代を超えて集結。累計動員数は5万人以上に達する。20周年を迎える今年、「声優口演」はこれまで培った歴史と熱狂を背に、さらに進化した舞台へと挑む。20周年の公演は公演ごとに、演目や出演者が異なるが、今回の公演では遂に新作、チャップリンの「キッド」に取り組む。そして、こちらも新作の「キートンの文化生活一週間」、そして10年ぶりの再演の「ロイドの巨人征服」、山寺独演「犬の生活」と盛りだくさんの公演となる。
公演は、10月31日~11月2日に東京・有楽町よみうりホール、11月22日に愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール、12月6日に宮城県・:仙台電力ホール、12月20日に大阪・新歌舞伎座に上演される。
■羽佐間道夫&山寺宏一インタビュー
羽佐間:アニメから来てくれるファンの方がとても多いんです。林原めぐみさんや山寺宏一さんなど、普段は“声”だけで親しんでいる声優が、舞台上で生の声を届ける。その姿を間近で見られること自体が大きな魅力なんです。映画の細かいストーリーを事前に理解していなくても大丈夫。目の前で声優がその場で演じる姿を、ただ見て、聞いて、感じてもらえれば、それだけで十分に楽しめます。
山寺:チャップリンの『犬の生活』なんて、正直、僕らが声を入れなくても十分に面白いんです。映画の完成度があまりに高いから、声優が声を当てるのは“余計なこと”なのかもしれない。でも、その余計なことをあえてやることで、新しい表現の可能性が生まれる。完成された作品にどう向き合い、自分の声でどう付加価値を生み出すか――そこに挑戦の意味があるんです。
(補足)
この声優口演は国際的にも評価されている。チャップリンの孫は2度観劇に訪れ、最初は不安げだったものの「とても良かった」と喜んで帰国した。また声優口演で演じられる作品はチャップリン協会から正式な許諾を得ており、中には「山寺宏一さんが演じるなら」と条件付きで許諾が下りた作品もある。これは日本の声優技術の芸術性が世界的に認められた証し。観客の楽しみ方はとてもシンプル。映画そのものの完成度を味わう。声優があえて“余計なこと”を加えることで生まれる新たな芸術性を感じる。ライブならではの緊張感と、声優の肉声が生み出す舞台の空気を浴びる。声優口演とは、映画と舞台、完成と挑戦、伝統と革新が交錯する唯一無二の表現となっている。
――20周年と“無声映画×声優”という発想
羽佐間:最初は野沢雅子さんと2人で始めただけでしたが、あっという間に20年。ここまで続くとは想像していませんでした。先輩から後輩へ、この文化をつなげていってほしいですね。
山寺:20年前に羽佐間さんから声をかけていただいたとき、“本当にできるのだろうか、楽しんでもらえるのだろうか”という気持ちでした。でも、ここまで続いたのは素晴らしいこと。無声映画に声優が声を当てる――このアイデアの素晴らしさに尽きます。今では自分のライフワークとして続けていきたいと思っています。
――演技の“作法”と同時多役の難しさ
羽佐間:古い芸能の世界では、偉い人と身分の低い人で“顔の作り方”や“見せる側”が決まっていました。偉い役は左の顔、身分の低い役は右の顔を作る…。舞台では上手・下手の使い分けも含めて、まず“どちらの顔を見せるか”から入るんです。私たちは一度に数十の役を切り替えることもありますが、その根っこにはこうした“型”の理解があるんです。
山寺:僕は台本を持たずに即興で作っていくスタイルです。皆さんが台本を持って稽古して臨むのと違い、舞台の上でその場で組み立てていく。その分、体力も滑舌も求められますが、ライブならではの緊張感が醍醐味です。
――「犬の生活」は“覚悟の自信作”
山寺:チャップリンの『犬の生活』は20年前から取り組んできた演目です。作品そのものの完成度が非常に高く、極論すれば声を入れなくても面白い。だからこそ自分なりに磨き続けてきました。“これを面白くないと言われたら声優をやめてもいい”――それほどの覚悟で臨んでいます。
――「ロイド」「キートン」は“未知への挑戦”
山寺:一方で、バスター・キートンやハロルド・ロイドの演目は、まだ手探り。チャップリンのように積み重ねた自信はなく、“どうなるか分からない”不安もあります。お客様の前で“ド滑りする僕”を見られるかもしれません。でも、だからこそ挑戦したい。大野さんからいただいた台本のベースに自分で肉付けをし、初めて舞台で形にしていく――その過程そのものを楽しんでもらえればと思います。ぜひ“ド滑りするかもしれない山寺宏一”を観に来てください。
――体当たりの現場 ― 汗と肉体の記憶
山寺:無声映画の名人芸は、演者の肉体そのものが土台。キートンなんて何度も二階から飛び降りるような体の張り方をしていました。僕自身も、夏の舞台では汗で“水たまり”ができたことがあるくらいです(笑)。命がけで体を使うからこそ、観客にリアルな熱量が伝わるんだと思います。
――世代を超える“声優口演”の舞台
羽佐間:このイベントは、声優陣のチームワークが大きな魅力です。若手からベテランまで世代を超えて集まり、自然と良い空気感が生まれる。その空気を観客の皆さんに感じ取っていただけるのがうれしいですね。
山寺:90代から20代まで、幅広い世代の声優が同じ舞台に上がります。若手だけ、ベテランだけという催しはあっても、ここまで世代が混ざる機会はまずない。下の世代は先輩の背中を見て刺激を受け、上の世代は若いエネルギーから力をもらう。お互いに影響を与え合う現場なんです。観客にとっても、世代を超えたキャストの掛け合いを一度に味わえる稀有な舞台だと思います。
■『20周年記念ボイスシネマ声優口演ライブ2025』公演概要
(公演内容が公演ごとに異なります)
・オープニングトーク
・声優口演(1)
・声優口演(2)
・エンディングトーク
全公演の共通プログラム
・出演者によるスペシャルトーク
ゲスト:大野裕之(日本チャップリン協会会長)
・プレゼント抽選会各公演出演者の寄せ書きサイン色紙プレゼント
・演無声映画タイトル
「チャップリンのキッド」53分
「キートンの文化生活一週間」19分(1人)
「ロイドの巨人征服」53分
「チャップリンの犬の生活」33分(1人)
総上演時間 120分予定
■出演者(50音順)
天崎滉平(崎=たつさき)、池澤春菜、井澤詩織、市川太一、井上和彦、井上喜久子、井上ほの花、今井文也、上坂すみれ、浦和希、大塚剛央、鬼頭明里、寿美菜子、小林由美子、高木渉、武内駿輔、土井美加、戸松遥、冨永みーな、中尾隆聖、仲村宗悟、長縄まりあ、羽佐間道夫、濱健人、林原めぐみ、林勇、速水奨、潘めぐみ、平野綾、福山潤、三石琴乃、森久保祥太郎、安元洋貴、山寺宏一ほか
【公演サポートメンバー】ムーブマン(東京・名古屋・仙台・大阪)/劇団とっても便利(大阪)
【ゲスト出演】大野裕之(日本チャップリン協会会長)
【演奏】 emyu、遠藤定、丸茂睦、矢崎浩志
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