演歌歌手の白根一男さんが10月10日、喀痰（かくたん）による気道閉塞のため亡くなった。89歳だった。８日、日本歌手協会が発表した。

【写真】17年前…マイクを手に熱唱する白根一男さん

　同協会は、書面で「日本歌手協会の会員で1997年から2002年まで、日本歌手協会の理事、常任理事を務め、『次男坊鴉』（1955年）、『はたちの詩集』（1961年）など数々のヒット曲を放った白根一男（しらね・かずお）（本名：小池正一 こいけ・まさかず）さんが、2025（令和７）年10月10日23時59 分、喀痰（かくたん）による気道閉塞のため、埼玉県の自宅にて89 歳で亡くなったことが判明しましたので、ここに謹んでご報告いたします」と伝えた。

　白根さんは、1936年1月12日生まれ、栃木県栃木市出身。高校在学中の1952年、テイチクレコードの新人コンテストで第1位となり、学生服を衣装に翌53年3月、『夜霧の酒場』でレコードデビュー。1955（昭和30）年には市川雷蔵主演の大映映画主題歌『次男坊鴉』、続く『花の渡り鳥』でその名を上げた。いわゆる男性アイドル歌手のはしりとして、若い女性を中心に高い人気を博した。

　1957年には前年発売の『面影いずこ』で「第8 回NHK 紅白歌合戦」に初出場。1959年には創立間もない東芝レコードに引き抜かれる形で移籍し、1961年発売の『はたちの詩集』が大ヒットした。さらにリバイバルブームの折、戦前のヒット曲『旅姿三人男』『九段の母』などをカバーしヒットさせた。

　その後も新曲を発売、懐メロ番組の常連歌手のひとりとして活躍、同協会主催の「歌謡祭」にも2022年まで、元気に出場していた。全出場回数34回。なおBSテレビ東京では1月2日（金）放送の「新春12時間歌謡祭」に学生服姿で『はたちの詩集』を歌った映像を、1月22日（木）放送の「プレイバック日本歌手協会歌謡祭」では、過去に出演した「歌謡祭」などのVTRを編集した「白根一男さんを偲ぶ」と題した特別番組を放送することが決定した。

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