エンタメ
2026-01-01 06:00
俳優の中島裕翔が主演し、松本優作氏が監督を務める、WOWOW『連続ドラマW シリウスの反証』が1月10日から午後10時放送・配信を開始する。
【動画】中島裕翔主演『連続ドラマW シリウスの反証』本予告が公開
今作は、社会派ミステリー作品を数多く手掛ける人気作家・大門剛明氏の同名小説が原作で、25年前に岐阜・郡上八幡で起きた一家惨殺事件の犯人とされた死刑囚を救うため、難攻不落の再審請求に挑む弁護士たちの戦いを描く。
えん罪被害者救済のため、過去のトラウマと葛藤を抱えながらも事件の真相を手繰り寄せ、司法の厚い壁を乗り越えようともがく弁護士・藤嶋翔太を演じる中島が主演を務め、映画『Winny』で実際に起きた事件をリアルかつ繊細に描き上げ、感動と話題を呼んだ気鋭・松本氏が監督を務める。
■“人は簡単にバイアスに支配される”藤嶋翔太という人物に込めた危うさ
――まずはオファー段階のお話から伺えればと思います。この作品をやると決まってから、原作や台本との向き合い方、監督との最初のやり取りなど、印象に残っていることはありますか?
原作は読まずに、最初は台本だけを読んでいました。すごくセンシティブな問題を扱っている作品なので、そこへの配慮はもちろん必要だと思っていましたし、同時に、実際に起きていることでもあるからこそ、人物も事件自体も、ドラマのトーンも、できるだけリアルに描きたいというビジョンはありました。
弁護士役自体は初めてではないんですけど、これまで『SUITS/スーツ』で演じたような弁護士は企業などを相手にするお話。今回は刑事事件、それもえん罪事件を扱う弁護士ということで、大小で区別するわけではないですが命が関わる重みというか、心境としても違うなと感じていました。
衣装合わせの時に監督とも初めてしっかりお話ししたんですが、年齢も僕の一つ上くらいで、すごく安心感がありました。“どんな方なんだろう”と思っていたら、割と寡黙(かもく)な方で。一緒にお祓いもしていただいて、その時に「参考にしたドラマや映画はありますか?」と聞いたら、「『地面師たち』を改めて観ました」とおっしゃっていて。へぇ~と思いましたね。
例えば三者協議のシーンなど、会議室で検察と弁護側がバチバチにやり合う場面も多くて、そういうところでのカット割りやテンポ感を参考にされていたのかなと思いました。セリフも長いので、抑揚のつけ方や、リアルさとエンタメ性のバランスをどう取るかは、かなり悩みながら臨みました。
――藤嶋という役を演じるにあたって、どのように役を掘り下げていきましたか?
藤嶋自身も過去にえん罪とまではいかなくても、身に覚えのないことで疑われた経験がある人物です。誰でも「やってない」「自分じゃない」と言いたくなるような経験って、小さなことでもあると思うんですよね。
自分自身のそういう体験を思い返したり、些細(ささい)な出来事から広げていって、「えん罪とはどういうものなのか」ということを考えていきました。
この作品ではえん罪だけでなく「バイアス」も大きなテーマになっています。藤嶋自身も、「この人はやっているだろう」と決めつけてしまう瞬間がある。過去に自分が疑われた経験があるにも関わらず、そうなってしまう。安易にバイアスがかかる感じもみせたかった。
観る側も、最初はどうしてもバイアスを持って観ると思うんですよね。「本当にやったのか?」「やっていないのか?」と皆さんを渦に巻き込みたい。だからこそ、藤嶋自身も最初は振り回されやすい、そんな若さのある人物として描きたいと思って、そこは監督とも話しましたし、自分自身もそんな危うさを取り入れました。
――藤嶋が変化していく過程を取り入れたんですね。
でも、そこがすごく難しかったです。ある事件をきっかけに、藤嶋はえん罪事件の再審請求に本気で向き合っていくんですけど、その変化が急すぎると不自然だし、かといって真摯さが足りないと人間性としてもよくない。そのバランスが本当に難しくて、かなり掘り下げて考えました。センシティブな題材だからこそ、丁寧に向き合う必要があるなと感じていました。
――この作品の魅力について、どう感じていますか?
本当に、どこかで実際に起きていそうなことが、かなりリアルに描かれている作品だと思います。でも、それを本気で、なおかつエンタメとして届ける力があるのが、この作品の面白さだと思いました。観る人によっては重く感じるかもしれませんが、それくらいリアルな事件なんですよね。
実際に起きている事件を調べてみると、当時の制度や体制の不備によって起きたえん罪事件は本当にたくさんある。
藤嶋が所属する「チームゼロ」も、実在する「イノセンス・プロジェクト」をモデルにしています。こういう活動をしている人たちがいることを知るきっかけにもなると思いますし、人間が考えて作ったシステムだからこそ、どうしても抜けや穴が生まれる。その人間臭さも、この作品の魅力だと思います。
■WOWOWドラマ主演での帰還に感慨「こんなにもはやく戻ってこれるとは」
――今回、今までとは違うタイプの弁護士役で、WOWOWドラマ初主演でもありますが、挑戦だと感じた部分は?
毎回が挑戦だと思っていますが、今回も間違いなく挑戦でした。弁護士役は経験があっても、まったく違うタイプですし、いくつになっても初めてのことをやらせてもらえるありがたさと楽しさ。やったことがあるからこそ違いを出すこともできる。
長ゼリフや専門用語の多さは本当に大変でした。テンポも出さないといけない。文字で見ると理解できるけど、音で聞くと難しい言葉も多くて…。その分かりやすさと、スラスラ話している心地よさ、その両立を意識していました。
WOWOWドラマは以前にも出演させていただきましたが、こんなにもはやく戻ってこれるとは。元々加入していて映画なども観るのが好きだし、過去の共演者さんが出演しているドラマも何本か拝見してきている。WOWOWさんのドラマには独自性があって、かつシリアスで、ここまで踏み込むのかという脚本が多い印象があります。今回もまさにそうで、脚本や豪華なキャストの皆さんに支えられて、主演を務めさせていただけたことに感謝しています。
――郡上八幡でのロケについて、印象に残っていることはありますか?
郡上八幡は初めて行ったんですが、水が綺麗で、空気も澄んでいて、本当にすてきな場所でした。街並みも小江戸のような昔ながらの雰囲気が残っていて、自然も豊かでしたね。
撮影は暑さと寒さの両方を経験しました。郡上おどりのシーンは夏なんですが、僕らは9月から10月の撮影だったんです。ちょうちんを市にお願いして残していただいて、たくさんのエキストラの方にも協力していただいて、かなり大がかりな撮影になりました。
皆さん頑張ってくださって、本当に感謝しています。空き時間に食べたおそばもおいしくて、また行きたいなと思える場所でした。自然が広がっていてリラックスできました。
――最後に、この作品や藤嶋という役の魅力について教えてください。
どの役でも、自分の中に共感できる感情を見つけるところから始めますが、藤嶋はすごく人間っぽくて共感できる部分が多かったです。
バイアスを持って物事を見てしまうところや、ある瞬間からギアが入って「これだけは許せない」と動き出すところ、強い正義感や信念を持っているところも理解できますし、そうなりたいと思える人物でもあります。
藤嶋は実年齢と同じ設定で30代の駆け出しの弁護士で、若さや青さもあって、空回りしてしまう部分もある。でもそれも人間性の一部で、「まだまだ青いな」と感じてもらえるところも魅力だと思います。
仲間や大切な人のために動ける、すごくすてきな役をいただいた。人間臭さと、正義感の強さが、この役の魅力ですね。
Hey! Say! JUMP中島裕翔、グループ卒業「俳優を主軸に活動したい」
Hey! Say! JUMP、中島裕翔の卒業にコメント「たくさんの話し合いを重ねてまいりました」
【動画】中島裕翔主演『連続ドラマW シリウスの反証』特報が公開
【写真】ベッドにもたれ、アンニュイな表情を浮かべる中島裕翔
【写真】こめかみに銃を当て…鈴木(中島裕翔)と銃を向ける薪(板垣李光人)
【動画】中島裕翔主演『連続ドラマW シリウスの反証』本予告が公開
今作は、社会派ミステリー作品を数多く手掛ける人気作家・大門剛明氏の同名小説が原作で、25年前に岐阜・郡上八幡で起きた一家惨殺事件の犯人とされた死刑囚を救うため、難攻不落の再審請求に挑む弁護士たちの戦いを描く。
えん罪被害者救済のため、過去のトラウマと葛藤を抱えながらも事件の真相を手繰り寄せ、司法の厚い壁を乗り越えようともがく弁護士・藤嶋翔太を演じる中島が主演を務め、映画『Winny』で実際に起きた事件をリアルかつ繊細に描き上げ、感動と話題を呼んだ気鋭・松本氏が監督を務める。
■“人は簡単にバイアスに支配される”藤嶋翔太という人物に込めた危うさ
――まずはオファー段階のお話から伺えればと思います。この作品をやると決まってから、原作や台本との向き合い方、監督との最初のやり取りなど、印象に残っていることはありますか?
原作は読まずに、最初は台本だけを読んでいました。すごくセンシティブな問題を扱っている作品なので、そこへの配慮はもちろん必要だと思っていましたし、同時に、実際に起きていることでもあるからこそ、人物も事件自体も、ドラマのトーンも、できるだけリアルに描きたいというビジョンはありました。
弁護士役自体は初めてではないんですけど、これまで『SUITS/スーツ』で演じたような弁護士は企業などを相手にするお話。今回は刑事事件、それもえん罪事件を扱う弁護士ということで、大小で区別するわけではないですが命が関わる重みというか、心境としても違うなと感じていました。
衣装合わせの時に監督とも初めてしっかりお話ししたんですが、年齢も僕の一つ上くらいで、すごく安心感がありました。“どんな方なんだろう”と思っていたら、割と寡黙(かもく)な方で。一緒にお祓いもしていただいて、その時に「参考にしたドラマや映画はありますか?」と聞いたら、「『地面師たち』を改めて観ました」とおっしゃっていて。へぇ~と思いましたね。
例えば三者協議のシーンなど、会議室で検察と弁護側がバチバチにやり合う場面も多くて、そういうところでのカット割りやテンポ感を参考にされていたのかなと思いました。セリフも長いので、抑揚のつけ方や、リアルさとエンタメ性のバランスをどう取るかは、かなり悩みながら臨みました。
――藤嶋という役を演じるにあたって、どのように役を掘り下げていきましたか?
藤嶋自身も過去にえん罪とまではいかなくても、身に覚えのないことで疑われた経験がある人物です。誰でも「やってない」「自分じゃない」と言いたくなるような経験って、小さなことでもあると思うんですよね。
自分自身のそういう体験を思い返したり、些細(ささい)な出来事から広げていって、「えん罪とはどういうものなのか」ということを考えていきました。
この作品ではえん罪だけでなく「バイアス」も大きなテーマになっています。藤嶋自身も、「この人はやっているだろう」と決めつけてしまう瞬間がある。過去に自分が疑われた経験があるにも関わらず、そうなってしまう。安易にバイアスがかかる感じもみせたかった。
観る側も、最初はどうしてもバイアスを持って観ると思うんですよね。「本当にやったのか?」「やっていないのか?」と皆さんを渦に巻き込みたい。だからこそ、藤嶋自身も最初は振り回されやすい、そんな若さのある人物として描きたいと思って、そこは監督とも話しましたし、自分自身もそんな危うさを取り入れました。
――藤嶋が変化していく過程を取り入れたんですね。
でも、そこがすごく難しかったです。ある事件をきっかけに、藤嶋はえん罪事件の再審請求に本気で向き合っていくんですけど、その変化が急すぎると不自然だし、かといって真摯さが足りないと人間性としてもよくない。そのバランスが本当に難しくて、かなり掘り下げて考えました。センシティブな題材だからこそ、丁寧に向き合う必要があるなと感じていました。
――この作品の魅力について、どう感じていますか?
本当に、どこかで実際に起きていそうなことが、かなりリアルに描かれている作品だと思います。でも、それを本気で、なおかつエンタメとして届ける力があるのが、この作品の面白さだと思いました。観る人によっては重く感じるかもしれませんが、それくらいリアルな事件なんですよね。
実際に起きている事件を調べてみると、当時の制度や体制の不備によって起きたえん罪事件は本当にたくさんある。
藤嶋が所属する「チームゼロ」も、実在する「イノセンス・プロジェクト」をモデルにしています。こういう活動をしている人たちがいることを知るきっかけにもなると思いますし、人間が考えて作ったシステムだからこそ、どうしても抜けや穴が生まれる。その人間臭さも、この作品の魅力だと思います。
■WOWOWドラマ主演での帰還に感慨「こんなにもはやく戻ってこれるとは」
――今回、今までとは違うタイプの弁護士役で、WOWOWドラマ初主演でもありますが、挑戦だと感じた部分は?
毎回が挑戦だと思っていますが、今回も間違いなく挑戦でした。弁護士役は経験があっても、まったく違うタイプですし、いくつになっても初めてのことをやらせてもらえるありがたさと楽しさ。やったことがあるからこそ違いを出すこともできる。
長ゼリフや専門用語の多さは本当に大変でした。テンポも出さないといけない。文字で見ると理解できるけど、音で聞くと難しい言葉も多くて…。その分かりやすさと、スラスラ話している心地よさ、その両立を意識していました。
WOWOWドラマは以前にも出演させていただきましたが、こんなにもはやく戻ってこれるとは。元々加入していて映画なども観るのが好きだし、過去の共演者さんが出演しているドラマも何本か拝見してきている。WOWOWさんのドラマには独自性があって、かつシリアスで、ここまで踏み込むのかという脚本が多い印象があります。今回もまさにそうで、脚本や豪華なキャストの皆さんに支えられて、主演を務めさせていただけたことに感謝しています。
――郡上八幡でのロケについて、印象に残っていることはありますか?
郡上八幡は初めて行ったんですが、水が綺麗で、空気も澄んでいて、本当にすてきな場所でした。街並みも小江戸のような昔ながらの雰囲気が残っていて、自然も豊かでしたね。
撮影は暑さと寒さの両方を経験しました。郡上おどりのシーンは夏なんですが、僕らは9月から10月の撮影だったんです。ちょうちんを市にお願いして残していただいて、たくさんのエキストラの方にも協力していただいて、かなり大がかりな撮影になりました。
皆さん頑張ってくださって、本当に感謝しています。空き時間に食べたおそばもおいしくて、また行きたいなと思える場所でした。自然が広がっていてリラックスできました。
――最後に、この作品や藤嶋という役の魅力について教えてください。
どの役でも、自分の中に共感できる感情を見つけるところから始めますが、藤嶋はすごく人間っぽくて共感できる部分が多かったです。
バイアスを持って物事を見てしまうところや、ある瞬間からギアが入って「これだけは許せない」と動き出すところ、強い正義感や信念を持っているところも理解できますし、そうなりたいと思える人物でもあります。
藤嶋は実年齢と同じ設定で30代の駆け出しの弁護士で、若さや青さもあって、空回りしてしまう部分もある。でもそれも人間性の一部で、「まだまだ青いな」と感じてもらえるところも魅力だと思います。
仲間や大切な人のために動ける、すごくすてきな役をいただいた。人間臭さと、正義感の強さが、この役の魅力ですね。
関連記事
Hey! Say! JUMP中島裕翔、グループ卒業「俳優を主軸に活動したい」
Hey! Say! JUMP、中島裕翔の卒業にコメント「たくさんの話し合いを重ねてまいりました」
【動画】中島裕翔主演『連続ドラマW シリウスの反証』特報が公開
【写真】ベッドにもたれ、アンニュイな表情を浮かべる中島裕翔
【写真】こめかみに銃を当て…鈴木(中島裕翔)と銃を向ける薪(板垣李光人)
