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直木賞作家・千早茜『男ともだち』映画化決定 初の映像化に「新しい神名とハセオに会えることを楽しみにしています」

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2026-05-29 07:49
直木賞作家・千早茜『男ともだち』映画化決定 初の映像化に「新しい神名とハセオに会えることを楽しみにしています」
千早茜『男ともだち』映画化決定
 直木賞作家・千早茜の小説『男ともだち』が実写映画化されることが決定した。千早作品の映像化は今回が初めてとなる。

【画像】著者・千早茜のポートレート

 『男ともだち』は2014年に刊行され、発表当時から大きな反響を呼んだ恋愛小説。直木賞候補にも選ばれた代表作のひとつで、現在は文春文庫から刊行されている。

 物語の主人公は、29歳のイラストレーター・神名葵。関係が冷え切った恋人と同棲しながらも愛人との関係を続け、仕事は順調でありながら、自分が本当に描きたかったものを見失っていることに気づき始める。そんな彼女のもとに、大学時代の“男ともだち”であるハセオから一本の電話がかかってくる。

 お互い常に恋人がいながらも決して離れることがなかった大学時代。誰よりも理解し合いながら、決して愛し合わない、そんな関係だった二人。7年ぶりの再会をきっかけに、停滞していた神名の人生は少しずつ動き出していく。

 映画化発表にあたり、千早は「映画化の話をいただき、まっさきに考えたのは、この作品を大切に思ってくれている読者のみなさんのことでした」とコメント。自身も好きな小説の映像化に複雑な思いを抱いた経験があると明かしたうえで、「今回は私の著作初の映画化なので、まずは私の言葉でお伝えしたいと思いました」と率直な思いを語った。

 また、脚本の確認や撮影現場の見学を通じて、制作陣のこだわりに感銘を受けたことを明かし、「文字だけだった私の物語が、たくさんの人たちの手で知らなかったかたちになっていくことを、私自身はポジティブに捉えています」と心境を吐露した。

 一方で、「映像化したからといって、あなたの中の神名やハセオが変わることはありません。あなたの中の神名やハセオは、あなただけのものです」と読者へメッセージを送り、「その上で、私は新しい神名とハセオに会えることを楽しみにしています」と期待を寄せた。

 映画のキャストや公開時期などの詳細は、今後発表される予定だ。

■著者:千早茜のコメント

 映画化の話をいただき、まっさきに考えたのは、この作品を大切に思ってくれている読者のみなさんのことでした。

 私自身、とても好きな小説が映像化すると知ったとき、複雑な気持ちになった経験があります。

 特に、今回は私の著作初の映画化なので、まずは私の言葉でお伝えしたいと思いました。

 この文章を書いている現在、私はまだ完成した映画を観てはいません。とはいえ、脚本は何度も確認させてもらい、撮影現場にも招いていただきました。映画の世界を作る現場の方々や監督のこだわりには感動しました。そして、まだお知らせはできませんが、私の敬愛する表現者の方もかかわってくれています。

 文字だけだった私の物語が、たくさんの人たちの手で知らなかったかたちになっていくことを、私自身はポジティブに捉えています。でも、読者のみなさん全員がそうであってほしいとは言いません。自由に受け止めて欲しいと思います。

 ただ、ひとつだけお伝えしたいことがあります。

 映像化したからといって、あなたの中の神名やハセオが変わることはありません。あなたの中の神名やハセオは、あなただけのものです。私の中の彼らも変わりません。

 その上で、私は新しい神名とハセオに会えることを楽しみにしています。

■プロフィール
 1979年、北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2008年、第21回小説すばる新人賞を受賞した『魚神』(「魚」から改題)でデビュー。09年、同作にて第37回泉鏡花文学賞。13年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、23年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。

 ほかの小説に、『男ともだち』『正しい女たち』『神様の暇つぶし』『西洋菓子店プティ・フール』『ガーデン』『ひきなみ』『赤い月の香り』『マリエ』『雷と走る』『燻る骨の香り』など。エッセイに『わるい食べもの』シリーズ、共著に『犬も食わない』(共著:尾崎世界観)、『胃が合うふたり』(共著:新井見枝香)、『眠れない夜のために』(共著:西淑)などがある。

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