エンタメ
2026-06-26 12:05
TMNETWORKが開催したツアー「TMNETWORK TOUR 2026 QUANTUM」の神奈川・横浜アリーナ公演の模様が27日にWOWOWで独占放送・配信される。これにあわせてオフィシャルライブレポートが届いた。
【写真】楽しそう!トークが止まらないTMNETWORKの3人
■オフィシャルライブレポート
1984年のデビュー以来、斬新な音楽性と奥深いメッセージ性で瞬く間に全国を席巻し、J-POPシーン隆盛の礎ともなったTMNETWORK。1994年にプロジェクト終了宣言をするも、1999年に再始動。その後、何度かの活動スリープと再起動を経て、2021年からはデビュー40周年に向けた多角的なアクションを敢行。「YONMARU+01」と題した昨年のツアーをもって複数年にまたがるプロジェクトを見事に完遂させた。
彼ら3人の次なるフェーズに注目が集まる中、今年1月から5月にかけて全国13都市20公演を巡る「TMNETWORK TOUR 2026 QUANTUM」が開催された。ハイライトとなったのは、4月7日、8日に行なわれた1年ぶりの横浜アリーナ2Daysだ。4月8日が日本記念日協会に正式に認定されている「Get Wildの日」ということもあり、いつも以上に迸る観衆の熱気が開演前から会場に渦巻いていた。
定刻が過ぎ場内が暗転すると、巨大なLEDスクリーンに大自然の中を流れる雄大な河川の風景が映し出される。オープニングSEとあいまって、荘厳な物語の始まりを告げるプロローグのようだ。想起されているのは、悠久の時の営みなのだろうか。無限の粒子の中を真っ直ぐ歩き続ける小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登の姿が映し出され、本編が始まる。舞台に登場した3人はそれぞれデザイン違いの全身白い衣装を身にまとっている。
誰もが固唾を飲んで見守る中、宇都宮の噛み締めるような歌い出しで始まったのは「Resistance」。疾走感に乗せて抗いを喚起するかのようだったオリジナルバージョンから一転、スローなテンポで心の波動を紡いでいく。続く「Don't Let Me Cry」では、すれ違いの刹那さをていねいにすくい上げる。
「We Can’t Stop That Way」は昨年のステージでもフィーチャーされたメッセージ性の強いナンバー。ミディアムビートに乗せ、不確かな路を進んでいくことを謳う。ループする小室哲哉のキーボードと木根尚登のエレキギターのフレーズが何かの継続性を示していく。そして、オープニングの3曲が終わると、今回のコンセプト「量子もつれ」についての見解がスクリーンに示される。続いて披露されたのが三篇から成る「QUANTUM組曲」だ。
「量子もつれ」とは、2つ以上の粒子が強く結びつきどんなに離れていても相関性から逃れられない現象のこと。小室は木根とふたりで深遠なテーマを音像で明かしていく。プログレッシブロックの系譜を感じさせる展開とエレクトロを融合させ、過去、現在、未来を何度もワープしていくような体感を聴衆にもたらしていく。そして、宇都宮隆が希望への扉を開けるかのような演出で始まった「QUANTUM III -Rise together-」では、力強いサウンドに乗せて共に立ち上がろうと聴き手を誘(いざな)う。時空を超えた考察の先に在るのは輝く明日だ。観念的思考の答えを示すべく、場内のあちこちに貼られたQRコードにアクセスするとこの楽曲の歌詞が読める仕掛けも秀逸だった。
木根のメインボーカルに宇都宮がコーラスを重ねたフォーキーな「恋せよ乙女~Run Through The Night~」を経て奏でられた「Human System」も素晴らしかった。1987年、バブル期に社会の喧騒から零れ落ちていく孤独を描いた作品が、約40年の年月を経て2026年という混沌の現代にリアルに鳴り響く。祈りを捧げるような歌がそこにあった。デビュー前に木根が作曲し小室が歌詞を当てた「TIMEMACHINE」では、純度の高いメロディーを歌い上げる宇都宮のボーカルがどこまでも優しく胸に沁みた。
2000年に発表した前衛的かつ革新的な組曲に新たな解釈を加えた「Major Turn-Round」も見事だった。広大ながらも閉ざされた世界を彷徨う人の心象風景をドラマツルギーを用いて表現していく。映像や彩光の演出、燃えさかる炎などの特殊効果を交えて10分以上にわたり繰り広げられた熱演に圧倒された。諦めないことを誓うミディアムナンバー「Fool On The Planet」で張り詰めた心をほぐすと、TKソロコーナーで小室は祈りにも似た願いをルーパーを導入したピアノプレイと自身の歌に込める。渾身のパフォーマンスに共感と敬意の大きな拍手が注がれたのも印象的だった。
終盤に入り、1980年代に発表された代表曲が最新型の音色で横浜アリーナに響きわたる。メビウスの輪のように過ちと贖罪を繰り返す人類に想いを馳せる「Beyond the Time」、 抑揚をあえて抑えた宇都宮のラップヴォーカルが脳髄に沁み込んでいく「KISS YOU」、そして、国民的アンセム「Get Wild Continual」。いずれも今回掲げられた「量子もつれ」のテーマの下、まるで新たに書かれた作品かのように今この瞬間を生きる者たちへ大いなる示唆を与えていく。これぞ「電気じかけの予言者」の真骨頂だ。
FANKSを打ち出したアルバム『GORILLA』に収録された「You can Dance」で客席と一体となって高揚を分かち合い、ラストナンバーは「CUBE」。最後の謎かけをすると、オーディエンスに向けて大きく手を振り続けた3人。スクリーンに刻まれた言の葉を咀嚼し理解するには一定の時間が必要かもしれない。しかし、時間の流れの中でその意味が明確になるのがTMNETWORKの音楽だ。また、時代の変遷の中で変容を重ねていくからこそ、その輝きは決して色褪せることが無い。そして、難解で重層的でありながら、ポップカルチャーとしての間口を決して狭めないライブパフォーマンスも大きな魅力のひとつだと言えるだろう。
キャリアを彩る名曲たちを大胆にリアレンジし実験性を随所に散りばめながらも、AIを駆使した映像や照明と演奏を同期させ最先端のエンターテインメントショウとして成立させたTMNETWORK。「量子もつれ」という耳馴染みの無いテーマの全貌が理解出来るのは、もしかしたら何年か先のことかもしれない。しかし、TMの40年以上にわたるキャリアが証している。その音楽が常に来るべき近未来に向けて放たれていることを。
■セットリスト
M01. Resistance
M02. Don't Let Me Cry
M03. We Can’t Stop That Way
M04. QUANTUM I
M05. QUANTUM II
M06. QUANTUM III -Rise together-
M07. 恋せよ乙女~Run Through The Night~
M08. Human System
M09. TIMEMACHINE
M10. Major Turn-Round
M11. Fool On The Planet
M12. TK Solo -FATE-
M13. Beyond the Time
M14. KISS YOU
M15. Get Wild Continual
M16. You can Dance
M17. CUBE
『TMNETWORK TOUR 2026 QUANTUM at YOKOHAMA ARENA』
6月27日(土) 午後9:00
WOWOWプライムで放送/WOWOWオンデマンドで配信
※放送・配信終了後~WOWOWオンデマンドで1カ月間アーカイブ配信あり
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■オフィシャルライブレポート
1984年のデビュー以来、斬新な音楽性と奥深いメッセージ性で瞬く間に全国を席巻し、J-POPシーン隆盛の礎ともなったTMNETWORK。1994年にプロジェクト終了宣言をするも、1999年に再始動。その後、何度かの活動スリープと再起動を経て、2021年からはデビュー40周年に向けた多角的なアクションを敢行。「YONMARU+01」と題した昨年のツアーをもって複数年にまたがるプロジェクトを見事に完遂させた。
彼ら3人の次なるフェーズに注目が集まる中、今年1月から5月にかけて全国13都市20公演を巡る「TMNETWORK TOUR 2026 QUANTUM」が開催された。ハイライトとなったのは、4月7日、8日に行なわれた1年ぶりの横浜アリーナ2Daysだ。4月8日が日本記念日協会に正式に認定されている「Get Wildの日」ということもあり、いつも以上に迸る観衆の熱気が開演前から会場に渦巻いていた。
定刻が過ぎ場内が暗転すると、巨大なLEDスクリーンに大自然の中を流れる雄大な河川の風景が映し出される。オープニングSEとあいまって、荘厳な物語の始まりを告げるプロローグのようだ。想起されているのは、悠久の時の営みなのだろうか。無限の粒子の中を真っ直ぐ歩き続ける小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登の姿が映し出され、本編が始まる。舞台に登場した3人はそれぞれデザイン違いの全身白い衣装を身にまとっている。
誰もが固唾を飲んで見守る中、宇都宮の噛み締めるような歌い出しで始まったのは「Resistance」。疾走感に乗せて抗いを喚起するかのようだったオリジナルバージョンから一転、スローなテンポで心の波動を紡いでいく。続く「Don't Let Me Cry」では、すれ違いの刹那さをていねいにすくい上げる。
「We Can’t Stop That Way」は昨年のステージでもフィーチャーされたメッセージ性の強いナンバー。ミディアムビートに乗せ、不確かな路を進んでいくことを謳う。ループする小室哲哉のキーボードと木根尚登のエレキギターのフレーズが何かの継続性を示していく。そして、オープニングの3曲が終わると、今回のコンセプト「量子もつれ」についての見解がスクリーンに示される。続いて披露されたのが三篇から成る「QUANTUM組曲」だ。
「量子もつれ」とは、2つ以上の粒子が強く結びつきどんなに離れていても相関性から逃れられない現象のこと。小室は木根とふたりで深遠なテーマを音像で明かしていく。プログレッシブロックの系譜を感じさせる展開とエレクトロを融合させ、過去、現在、未来を何度もワープしていくような体感を聴衆にもたらしていく。そして、宇都宮隆が希望への扉を開けるかのような演出で始まった「QUANTUM III -Rise together-」では、力強いサウンドに乗せて共に立ち上がろうと聴き手を誘(いざな)う。時空を超えた考察の先に在るのは輝く明日だ。観念的思考の答えを示すべく、場内のあちこちに貼られたQRコードにアクセスするとこの楽曲の歌詞が読める仕掛けも秀逸だった。
木根のメインボーカルに宇都宮がコーラスを重ねたフォーキーな「恋せよ乙女~Run Through The Night~」を経て奏でられた「Human System」も素晴らしかった。1987年、バブル期に社会の喧騒から零れ落ちていく孤独を描いた作品が、約40年の年月を経て2026年という混沌の現代にリアルに鳴り響く。祈りを捧げるような歌がそこにあった。デビュー前に木根が作曲し小室が歌詞を当てた「TIMEMACHINE」では、純度の高いメロディーを歌い上げる宇都宮のボーカルがどこまでも優しく胸に沁みた。
2000年に発表した前衛的かつ革新的な組曲に新たな解釈を加えた「Major Turn-Round」も見事だった。広大ながらも閉ざされた世界を彷徨う人の心象風景をドラマツルギーを用いて表現していく。映像や彩光の演出、燃えさかる炎などの特殊効果を交えて10分以上にわたり繰り広げられた熱演に圧倒された。諦めないことを誓うミディアムナンバー「Fool On The Planet」で張り詰めた心をほぐすと、TKソロコーナーで小室は祈りにも似た願いをルーパーを導入したピアノプレイと自身の歌に込める。渾身のパフォーマンスに共感と敬意の大きな拍手が注がれたのも印象的だった。
終盤に入り、1980年代に発表された代表曲が最新型の音色で横浜アリーナに響きわたる。メビウスの輪のように過ちと贖罪を繰り返す人類に想いを馳せる「Beyond the Time」、 抑揚をあえて抑えた宇都宮のラップヴォーカルが脳髄に沁み込んでいく「KISS YOU」、そして、国民的アンセム「Get Wild Continual」。いずれも今回掲げられた「量子もつれ」のテーマの下、まるで新たに書かれた作品かのように今この瞬間を生きる者たちへ大いなる示唆を与えていく。これぞ「電気じかけの予言者」の真骨頂だ。
FANKSを打ち出したアルバム『GORILLA』に収録された「You can Dance」で客席と一体となって高揚を分かち合い、ラストナンバーは「CUBE」。最後の謎かけをすると、オーディエンスに向けて大きく手を振り続けた3人。スクリーンに刻まれた言の葉を咀嚼し理解するには一定の時間が必要かもしれない。しかし、時間の流れの中でその意味が明確になるのがTMNETWORKの音楽だ。また、時代の変遷の中で変容を重ねていくからこそ、その輝きは決して色褪せることが無い。そして、難解で重層的でありながら、ポップカルチャーとしての間口を決して狭めないライブパフォーマンスも大きな魅力のひとつだと言えるだろう。
キャリアを彩る名曲たちを大胆にリアレンジし実験性を随所に散りばめながらも、AIを駆使した映像や照明と演奏を同期させ最先端のエンターテインメントショウとして成立させたTMNETWORK。「量子もつれ」という耳馴染みの無いテーマの全貌が理解出来るのは、もしかしたら何年か先のことかもしれない。しかし、TMの40年以上にわたるキャリアが証している。その音楽が常に来るべき近未来に向けて放たれていることを。
■セットリスト
M01. Resistance
M02. Don't Let Me Cry
M03. We Can’t Stop That Way
M04. QUANTUM I
M05. QUANTUM II
M06. QUANTUM III -Rise together-
M07. 恋せよ乙女~Run Through The Night~
M08. Human System
M09. TIMEMACHINE
M10. Major Turn-Round
M11. Fool On The Planet
M12. TK Solo -FATE-
M13. Beyond the Time
M14. KISS YOU
M15. Get Wild Continual
M16. You can Dance
M17. CUBE
『TMNETWORK TOUR 2026 QUANTUM at YOKOHAMA ARENA』
6月27日(土) 午後9:00
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