E START

E START トップページ > エンタメ > ニュース > 清水崇監督、日本人4人目の生涯功労賞 新作『八つ墓村』北米初上映に800人熱狂

清水崇監督、日本人4人目の生涯功労賞 新作『八つ墓村』北米初上映に800人熱狂

エンタメ
2026-08-03 11:21
清水崇監督、日本人4人目の生涯功労賞 新作『八つ墓村』北米初上映に800人熱狂
カナダ・モントリオールで開催された「第30回ファンタジア国際映画祭」で生涯功労賞のトロフィーを掲げる清水崇監督(C)King-Wei FantasiaFestival2026
 映画『八つ墓村』(9月18日公開)のワールドプレミアが、カナダ・モントリオールで開催された「第30回ファンタジア国際映画祭」で現地時間7月28日に行われ、清水崇監督が登壇。清水監督は同26日、日本人として4人目となる同映画祭の生涯功労賞も受賞した。

【画像】横溝正史の孫夫妻など、この記事に関するそのほかの写真

 本作は、ミステリー界の巨匠・横溝正史の同名小説を、金田一耕助の初登場80周年の節目に完全新作として映画化するもの。「呪怨」シリーズや『犬鳴村』『あのコはだぁれ?』などで知られる清水監督が、原作の持つ「怪奇幻想ロマン冒険譚」としての魅力を現代に再構築した。

 ワールドプレミアは平日の夜にもかかわらず、会場前に長蛇の列ができ、チケットは完売。約800人の観客で満席となった会場に清水監督が登場すると、大きな拍手と歓声が巻き起こった。

 清水監督は「ずっと来たかった映画祭に、今回やっと来ることができました。しかも新作の映画を2本も上映していただけて、すごく光栄です」とあいさつ。同映画祭では『八つ墓村』に加え、『口に関するアンケート』も上映された。

 名作に挑んだ心境については、「小説自体も横溝正史先生も、金田一という探偵のキャラクターもすべてにおいて有名でファンが多い作品です。変なアレンジをしたら横溝先生のファンの方から叱られるんじゃないかと思いながらオファーを引き受けました」と告白。

 「“今”この作品を映画化するならば、自分が監督をさせてもらうならば、という思いで、いろいろと挑戦させていただきました」と語った。また、横溝の次女・野本瑠美さんが初号試写で作品を鑑賞し、絶賛していたことも自らアピールした。

 会場には横溝の孫にあたる野本温さん夫妻も来場。上映後、温さんから「素晴らしい! すごく面白かったです!」と声をかけられ、清水監督と固い握手を交わす姿も見られた。

 上映中は笑い声や手拍子が起こり、エンドロールでは客席から鳴りやまない拍手が送られた。上映後のQ&Aでは、観客からロケーションや時代設定などについて質問が寄せられた。

 撮影について清水監督は、「何度も映像化されている横溝先生の作品ということもあり、特に岡山県の広兼邸をはじめ、ロケーションやセットに対するサポート体制が手厚かった」と説明。「非常にぜいたくに撮影させてもらいました」と振り返った。

 続いて、『口に関するアンケート』では墓地の木、『八つ墓村』では大きな杉の木が印象的に登場することから、「『木』にまつわる特別なつながりや思い入れはあるか」という質問が飛ぶと、「特に正直こだわっているわけではないのですが、双子杉については横溝正史先生の原作に少し違う形で登場するものからヒントを得ています。今ようやく気がついたのですが、木に憑りつかれているのは私かもしれないですね」とユーモアを交えて回答し、客席からは笑いが起こった。

 原作や過去の映像作品とは異なり、時代設定を現代に変更した理由も明かした。清水監督は、1977年の野村芳太郎監督版への愛着を語った上で、「過去の作品や原作を知らない若い世代に見てほしいと思いました」と説明。一方で、金田一がインターネットを使ってプロファイリングするような描写ではキャラクターの本質が変わるため、慎重にバランスを取ったという。

 さらに、SNSで顔や名前を隠して他人を攻撃する現代社会の風潮を、面で正体を隠して殺人を行う者や、集団で田治見家を襲撃する村人たちの姿に重ねたといい、「これこそ“今”描くべきだと確信したことも、この時代設定に決めた理由」と語った。

■生涯功労賞「人生の半分以上、ホラー映画を撮り続けている」

 これに先立ち26日には、清水監督へ生涯功労賞が贈られた。大歓声に包まれて登壇すると、観客は総立ちとなり、スタンディングオベーションで祝福。清水監督は「言葉にならないくらいうれしいです。映画祭30周年おめでとうございます。そんな記念すべきタイミングに、こんなにうれしい場を設けていただき感謝いたします」と喜びを語った。

 続けて「僕のフランス語がどこまで通じているかわからないですが、通訳に時間がかかることをお許しください」とジョークを交え、会場を和ませる一幕も。

 幼い頃は怖がりで、14歳頃までホラー映画を見る人を「変わった人たち」だと思っていたという清水監督。15歳で『死霊のはらわた』を見た後、約20年を経てサム・ライミ監督からハリウッド映画を撮る機会を与えられたエピソードを披露すると、会場から再び大きな拍手が起こった。

 翌27日が誕生日であることにも触れ、「人生の半分以上、ホラー映画を撮り続けていることになってしまいました」と語ると、観客から日本語で「お誕生日おめでとう!」との声も。「人生何が起こるかわからないとは言いますが、こうして映画を撮り続けて、こんなに喜ばしいことが起こると、明日にでも殺されるんじゃないかと不安になったりもします(笑)。もう少しだけ撮りたい映画もあるので、まだ生かしておいてください」とユーモアを交え、会場を沸かせていた。

関連記事


尾上松也版・金田一耕助、トレンチコートを着た新たな姿 映画『八つ墓村』場面写真10点一挙公開
【動画】完全新作『八つ墓村』特報
【画像】NHKのドラマ『八つ墓村』で金田一耕助を演じた吉岡秀隆
吉岡秀隆、映画デビュー作以来の「金田一」作品 渥美清さんへの思いを語る
片岡千恵蔵版“金田一耕助”、70年ぶりに発見された『悪魔が来りて笛を吹く』復刻披露上映会

ページの先頭へ