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『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026』10年ぶり“朝日”で大団円 サンボマスターが大合唱で呼び込む【オフィシャルライブレポート】

エンタメ
2026-08-17 15:00
『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026』10年ぶり“朝日”で大団円 サンボマスターが大合唱で呼び込む【オフィシャルライブレポート】
『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO』に出演したサンボマスター (C)RISING SUN ROCK FESTIVAL 撮影:かわどう
 8月14日、15日に北海道・石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージにて音楽フェス『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO』が開催された。同フェスのオフィシャルライブレポートが届いた。

【ライブ写真】『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO』を盛り上げたアーティストたちのショット

■オフィシャルライブレポート

 石狩の空が真っ青に晴れ渡った8月14日、今年もロッカーたちの待ち望んだフェスが帰ってきた。『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2026 in EZO』(以下RSR)。1999年の第1回開催以来、四半世紀を超えて続き、コロナ禍で開催を見送った年もあれば、台風で短縮した年もあったが、今年で26回目を数える。

 この日の北の大地は気温29度、立秋を過ぎ早くも涼風がたち始めたとはいえ、照りつける陽射しは容赦ない。しかし強い風が吹きあれる中、巻き起こる砂埃をものともせず、ロッカーたちは意気揚々と集った。これから始まる2日間を存分に楽しむために。

 初日のSUN STAGEに現れたのは04 Limited Sazabys。フェスの幕開けにふさわしいイキの良い音を鳴らし、早くもステージ前のスタンディングゾーンは一気にテンションをあげる。

 同じ頃、RED STAR FIELDではPenthouseがスタイリッシュなサウンドに乗せ、浪岡真太郎と大島真帆のツインボーカルが観客を酔わせる。角野隼斗がグランドピアノから音符がそこら中に転がり出るように、音を振り撒いていく。強烈な日差しさえも爽やかにかわしてしまうようなサウンドが空間を縫い、ひと時暑さを忘れる。

 続いてRED STAR FIELDに登場したのは、10年ぶりのハンバート ハンバート。フィドルを手にした佐藤良成と青いドレスをまとった佐野遊穂が、夫婦の息もぴったりにゆったりと歌い出すと、ステージの前の空気も柔らかくなる。音に身を委ねて、癒しの時間を過ごすことができた。

 陽が傾き、暑さも吹く風に助けられ、過ごしやすくなる。SUN STAGEではマキシマムザホルモンのたぎらせた熱がSaucy Dogへ、クリープハイプへと絶えることなく受け継がれていく。一方EARTHTENTではコレサワ、SIRUP、yamaとソロアーティストのパフォーマンスが続き、RED STAR FIELDでは昨年のRSRであちこちのステージに出没し、大活躍した宮本浩次が、エレファントカシマシの名曲も披露してファンを喜ばせるとともに、今年もどこかのステージに?の期待を抱かせた。

 陽が沈み、あたりがだんだん夜の色に染まっていく頃、森の中にあるBOHEMIAN GARDENではZAZENBOYSの向井秀徳と俳優の松重豊による「地獄の諸行無常セッション」が始まった。集まった人々は、朗読と音楽、言わば言葉と音のセッションに、木々と星空に囲まれ、思い思いの格好でくつろぎながら味わうという贅沢を満喫していた。

 夜になり気温が下がり始めても、ロッカーたちの熱は冷めることを知らない。ステージの合間にもDJブースやセッションスペースからは絶えず音楽が鳴り響き、会場内のどこにいても音に浸っていられる。まだRSRが初期の頃は、ステージの数も今よりずっと少なかったが、いきなりテントサイトのそばで音が聞こえ、駆け付けて見ればステージでも何でもない場所で、プログラムにはないセッションが始まったことがあったのを思い出す。

 初日SUN STAGEのトリを務めたのはCreepy Nutsの2人。のっけからDJ松永のプレイにR-指定の高速ラップが炸裂する。自分たちは音と声で、オーディエンスには熱量とエネルギーで、一緒に最高の夜更かしの始まりにしよう、と呼びかけると、派手なライティングや炎に彩られるパフォーマンスに煽られ、歓声が夜空に咆哮のようにとどろいた。

 23時からはキャンパー向けプログラムとなり、RED STAR FIELDのASIAN KUNG-FU GENERATIONやEARTHTENTの打首獄門同好会らがキャンパーたちの長い夜を盛り上げた。

 2日目も快晴。相変わらず陽射しは強く、風強め。SUN STAGEに現れたのはピンクのジャケットに身を包んだ東京スカパラダイスオーケストラの面々。「Paradise Has No Border」でスタートを切るや、一瞬で会場を興奮のるつぼに叩き込む。今回はゲストなしのインスト中心で通し、フェスの王道、常連の底力、改めて彼らの圧倒的存在感を示した。

 RED STAR FIELDに大挙して人の群れが移動し始めたと思ったら、PUFFYが登場。黒地に赤い模様のお揃いのユルっとした衣装で歌いはじめれば、彼女たちが30周年だということも忘れてしまうほど、ちっとも変わらない、そして相変わらずかわいいということに驚かされる。由美が指にトンボを止まらせたのをうらやましがる亜美、というような他愛もないエピソードまでもが、彼女たちらしくて笑ってしまう。ステージ前からフィールドの果てまで、ぎっしり埋めつくした観客も、同じことを感じていたのではないだろうか。変わらなさに安心する、稀有な存在というところか。ラストの「アジアの純真」ではステージから音が届く範囲ほぼ全域、大合唱となった。

 やがて陽が少し傾き始める頃、RED STAR FIELDに登場したのは地元北海道の怒髪天。RSRにおいては常連というよりもはやホスト的な立ち位置で、訪れるロッカーたちをもてなすアニキ的存在だ。白地に赤のロゴ模様のシャツで決め、「酒燃料爆進曲」から「オトナノススメ~還暦上等!~」まで、一瞬たりともそらさない、増子直純のポテンシャルが、西日に照らし出された会場中を揺るがし、大人のためのステージを作り上げていた。

 続いて真夏の空に「粉雪」を降らせたのは14年ぶりに再始動したレミオロメン。観客からは一曲ごとに大歓声が巻き起こる。ラストの「3月9日」では大合唱となり、歌声が夕空に滲んで溶けていった。

 一方、SUN STAGEに登場したのはUVERworld。こちらは登場前から待ち構えていた観客の熱を、さらに上回るパフォーマンスで煽る。過激さと繊細さの同居するTAKUYA∞の声が弄るように会場を巡り、観客の歓声と共に真夏の空へ駆けあがった。そしてdef garageでは8年ぶり4回目のTHE BAWDIESがストライプのジャケットもカッコよく、ロックンロールして見せた。

 花火ブレイクのあと、間髪入れずSUN STAGEにVaundyが登場、スタンディングゾーンのうしろにまで幾重にも人垣ができ、今や遅しと待ち構えていたファンは大歓声をあげる。ビビッドカラーの衣装に身を包み、登場するや否や「不可抗力」で観客を一気に自分の世界へひきずりこんだ。その圧倒的なパフォーマンス力は、別格と言って良い。アーティストパワーに満ちあふれ、1時間におよぶパフォーマンスの最後に「怪獣の花唄」を持ってきて、会場中の熱をさらっていった。

 同時刻、EARTHTENTには何とこれが初参加となる黒夢が登場。昨年30周年を迎え、復活して半年余りが経つが、赤い衣装の清春が男子多めの客席を確認、新旧取り混ぜたファンに向け、ぶれないロック魂を披露して、変わらぬ底力を見せつけた。

 夜が深くなり、RED STAR FIELDで始まったのはImprovise Session in EZO “episode 0” 。角野隼斗(Pf)、石若駿(Dr)、Marty Holoubek(Ba)の3人が登場し、即興でセッションが始まるとあたりの空気が変わる。ジャズのテイストが夜に似合う。星空に届けとばかり、自由闊達(じゆうかったつ)にそれぞれの楽器が音色で会話するように奏でられ、(角野は「猫踏んじゃった」までちろりと忍ばせ)爽快な気分になったところへ、今度はショパンが彼ら流に料理され、流麗なピアノの調べのそこここに遊びがちりばめられて煌めく。

 その音の豊かさに心奪われ、それぞれのアドリブに割れんばかりの拍手が巻き起こる。ひとしきり音の波に翻弄されたところへゲストが加わる。角野が所属するPenthouseのツインボーカルでもある浪岡真太郎と大島真帆、山内総一郎、Reiらとともに、音の会話を楽しんだが、もう1人、期待が現実となって現れた。宮本浩次が登場し、「風に吹かれて」をジャジーに聞かせてくれたのだ。宮本自身、「素晴らしいメンバーの最高な演奏での「風に吹かれて」、さまざまなピースが奇跡的にそろったような特別な1曲」と言っていたが、確かに特別な1曲だった。

 RSRではジャンルやスタイルにこだわらず、フレキシブルにいろんなアーティストやパフォーマンスに出会える楽しみがある。これまでにもお笑いや怪談、物まね、演歌などなど、さまざま楽しませてもらったが、今年は朗読やセッションなど、またあらたな扉が開いた。選択肢が増えるのは、良いことだ。迷う楽しみも苦しみもフェスの醍醐味に違いないのだから。

 夜も深まり、SUN STAGEではmiletの伸びやかな声が良く通り、「inside you」は夜の底にまで響くかのようだ。と思っていたら一転、中盤あたりからDJを呼び入れ、会場をミラーボール煌めくナイトクラブにして観客を躍らせた。

 それぞれのステージのトリが跳ねると、皆、朝日を迎えるためにぞくぞくとSUN STAGEに集結する。この2日間、天気に恵まれ快晴だったから、今年こそ久しぶりに本物のライジングサンが拝めるかもしれない、との期待値はいやがうえにも高まる。今年のオオトリはサンボマスター。観客に呼びかけ、心を合わせ、大合唱の果てに10年ぶりとなる朝日を招き入れ、無事大役を果たした。観客のみならず、サンボマスター自身、スタッフに至るまで、感動のライジングサンで大団円を迎えたのである。

 自由と責任のもと、それぞれが楽しんだRSR。振り返ってみれば、今年は小さな子供の数がとても多かったような気がする。Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」に合わせて当たり前に踊っている姿は、10年後、15年後のエゾロッカーを彷彿(ほうふつ)させる。RSRも四半世紀の歴史を重ね、家族連れや三世代も珍しくない。子供の遊び場や日陰も増えたし、何より今年はトイレが並びこそすれ、最後まで気持ちよく使えたし大きな混乱もなかった。裏でスタッフがどれだけ心を砕いているのかがよくわかり、頭が下がる。成長するフェスとロッカーたちの未来に思いを馳せ、早くも来年の8月13日、14日の再開を心待ちにするのである。

(文・内記 章)

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