きょう(6日)午前、走行中だった東北新幹線の車両の連結部分が外れ、一時運転を見合わせました。同様のトラブルは半年前にも発生。原因はどこにあるのでしょうか。
【写真で見る】元運転士が解説 また外れた新幹線の“連結部分”
新幹線の連結“また外れた” 元新幹線運転士に聞いた「そもそも連結って?」
井上貴博キャスター:
6日午前11時30分ごろ、東北新幹線「はやぶさ・こまち21号」(新青森・秋田行き)の連結部分がJR西日暮里駅付近で分離しました。
この影響により、東京駅~新青森駅間で、約3時間運転見合わせとなりました。
2024年に連結部分が外れてしまった際には、復旧まで5時間以上かかっていましたが、今回は早く復旧できたと言えるのかもしれません。
新幹線の“連結・分離”とは、どういう事なのでしょうか。
元新幹線運転士 福岡大司Nスタプロデューサー:
新幹線の連結部分には、双方に突起と穴があって、お互いが差し込むとロックされます。
ロックを外すときは、連結したときと逆の動作をして、突起部分がスムーズに外れるようになっています。
2つの車両が本来ロックで全く動かず固められたような状態になっているところが、何らかの理由で外れたか、そもそも物理的に何かが破損したことなどが考えられると思います。
ホラン千秋キャスター:
駅で連結・分離自体は正常に行われていますが、走行中に外れてしまうことは、まず考えられない出来事ということですか?
福岡プロデューサー:
今回の場合、秋田新幹線と東北新幹線の盛岡駅で連結が行われています。
走行中に外れるということは、危険が伴う動作でもあるので当然、走行中に外れることはないです。
半年前にも同じ事象が…なぜ起きた?
ホランキャスター:
半年前にも同じような事象がありましたが、日々利用される方からすると心配ですよね。
スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ京さん:
けが人はいなかったということですが、連結分離というのは、最近急に新しくなったとかそういうことはあるんですか?
福岡プロデューサー:
秋田新幹線が出来た時からなので、もうずいぶん長いです。最近できたものではありません。
井上キャスター:
車両が離れた時、運転席に警告音が鳴ったりするのでしょうか?
福岡プロデューサー:
安全システムのようなものがあります。本来くっついてるものが離れるときは、異常が起こっている時なので、運転室などにも異常が起こったことが示されます。それと同時に急ブレーキが両方の車両に作動して、今回止まったと思われます。
「分離」した場所は…北に行く全ての新幹線が通る線路
井上キャスター:
そして、今回は東京駅~大宮駅間で事故が起きました。
東京駅~大宮駅間は、基本的に最高速度130キロまでしか出せない制限をかけられていますが、東京駅から北に行く新幹線は「東北新幹線」の他にも、「秋田新幹線」「山形新幹線」「上越新幹線」「北陸新幹線」など、多くの新幹線があり、すべての新幹線が、東京駅~大宮駅間の線路を通過します。
この場所で新幹線が停止すると、鉄道網の安定性を脅かしかねないということで大きな影響が出たというわけです。
6日のJR東日本の会見で…
・分離してしまった車両は10mほど離れていた
・連結が外れたときの時速は60キロだった
ということが発表されています。
前回:車両間300メートル 今回:車両間10メートル この差は何?
井上キャスター:
2024年に起きた事故は、車両間が300メートルほど離れていました。この違いはどうでしょうか?
福岡プロデューサー:
双方に同時に緊急ブレーキがかかるので、止まりながら移動することになります。前回は時速300キロを超えていたと言われているので、止まりながらも徐々に誤差が出て、車両の距離が300メートルほどあいたということです。
今回は時速60キロぐらいだったので、外れた瞬間にそんなに時間がかからず、止まったと思われます。
ホランキャスター:
スピードが早ければ早いほど、止まるまでに時間がかかるということですか?
福岡プロデューサー:
前回は、お互いの車両が止まるまで4~5キロ走ったということ、ブレーキ性能に少し差があるので、その分、徐々に誤差が溜まって300メートルだったということです。
井上キャスター:
2024年9月19日のケースでは、走行中の東北新幹線の連結が外れて緊急停車となりました。
JR東日本の調査によると、スイッチ部分に金属片が複数見つかり、これが原因で走行中に連結が外れてしまったのではないかとしています。再発防止のため、JR東日本は車両に関しては点検を行ったとしています。
今回のケースでは、スイッチ部分に異常が起きたと発表されているわけではありません。
福岡プロデューサー:
原因と直接関係があるかわかりませんが、今回で言うと紫のラインが入った「はやぶさ」はJR北海道が所有しているもので、前回の「E5系」とは異なる「H5系」です。
前回の事故を踏まえて、JR東日本もJR北海道も当該の車両や事故が起こる可能性のある車両はおそらく点検したと思います。
この車両と直接関係ないと思いますが、だとしたら、前回となぜ同じことが起こったのかが一番気になるところですね。
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<プロフィール>
福岡大司
Nスタプロデューサー
元新幹線運転士
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶應義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰
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