
最近疲れやすいし、よく眠れない・・・
もしかしたら、「呼吸」のやり方が間違っているかもしれません。
呼吸器専門医の奥仲哲弥氏に、正しい呼吸の仕方、“シン呼吸”を教わります。
【写真を見る】深呼吸「吸って⇒吐いて」は間違い!?浅いと疲れ・不眠も…“シン呼吸”のすすめ【ひるおび】
疲れ・寝不足知らず?“シン呼吸”
呼吸器専門医 奥仲哲弥氏:
私の言う“シン呼吸”のシンには、「深い」という意味と「真(まこと)」という意味がありまして、『息を深く吐き切る』というのがポイントです。
「深呼吸」をするとき、「吸って~吐いて〜」とやりがちですが、奥仲氏流ではこの順番は間違い。
呼吸器専門医 奥仲哲弥氏:
深呼吸は、実は吐いて吐いて吐ききってから、吸わずに勝手に入ってくるんです。
「呼」⇒「吸」の順番です。今日はこれについて紹介していきたいと思います。
現代人は「呼吸が浅い」人が多い
まずは呼吸力をチェック!
ストップウォッチやタイマーを準備して秒数を計ります。
【1】鼻から軽く息を吸う
【2】少し息を吐いたら、鼻をつまみ息を止めて計測開始
【3】無理に我慢せず、息が吸いたくなったら計測終了
19秒以下・・・注意
20~29秒・・・平均
30秒以上・・・理想
秒数が少ないほど、浅い呼吸になっている可能性があります。
奥仲哲弥氏:
浅い呼吸をしても酸素は十分に入ってきますが、同時に二酸化炭素を出しすぎちゃうんです。
二酸化炭素は悪者のイメージがありますが、酸素が血液に入って、最後毛細血管から細胞にドンと押し出すのは二酸化炭素の役割なんです。だからハアハア呼吸している方は二酸化炭素がなくなりすぎちゃうので、すぐ苦しくなっちゃう。
呼吸が浅くなるのには、以下の原因が・・・
▼ストレスで脳や筋肉が緊張
▼パソコン・スマホの使いすぎで肩や首の筋肉がカチコチに
▼マスク生活の息苦しさから口呼吸が常態化
これらにより、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
浅い呼吸により、
睡眠障害、血流悪化、めまい、動悸、息切れ、痩せにくいなど様々な問題が起こってきます。
奥仲哲弥氏:
普通の呼吸の間に“シン呼吸”を入れてあげると、二酸化炭素をちょっと溜め込んで、効率の良い呼吸ができるわけです。
≪“シン呼吸”(深い呼吸)のメリット≫
▼疲れにくくなる
▼ストレス軽減
▼集中力がアップ
▼血圧が下がりやすくなる
▼痩せやすくなる
▼よく眠れるようになる
“シン呼吸”のカギ「横隔膜」
“シン呼吸”(深い呼吸)のポイントは、横隔膜をしっかり動かして息を吐ききることです。横隔膜は、胸とお腹を分けるドーム状の筋肉です。肺には筋肉がないため呼吸を助ける働きをします。横隔膜は吸ったときに下がり、息を吐いたら上がります。この差は約10センチあると言われています。
ハアハア呼吸が常態化している人は、この横隔膜がほとんど動いていないというのです。
≪お腹をへこませる力をつける横隔膜呼吸≫
【1】お腹をへこませながら5秒かけて鼻から息を吐く
【2】さらに強く吐く。
・お腹にさらにギュッと力を入れて、1秒で息を吐き切る
・少し前傾姿勢になるとやりやすい
【3】鼻から自然に吸う
・意識して吸わずに鼻から自然に空気が入ってくるのにまかせる
※1回に4、5セットが目安
※無理のない範囲で実施してください
スタジオでも体験してみるとー
江藤愛アナウンサー:
5秒息を吐くっていうのがとても大変。
コメンテーター 杉浦太陽:
お腹が締まる感じですね。
“シン呼吸”トレーニング 「いの口呼吸」
「い」の口で息を吐くと、口をぽかんと開けて吐き出すよりも長く強く息を吐きやすくなります。15秒吐けたら合格です。
ポイントは、息を吐き切ってからさらにまたグッと息を出すこと。
肺に残った空気を吐き出せるので、必要な分だけの新鮮な空気が肺に入ってきます。
奥仲哲弥氏:
自分の能力で全部吐いたところで入ってくるのがその方の容量なんですね。
吸っちゃうとそれ以上の空気が入って吐き出せませんから、余った空気になっちゃうんです。
奥仲氏によると、長く吐くことを続けると、自然と深い呼吸が習慣化されるそうです。
家事の合間、湯船につかりながら、レジ待ち、エレベーター待ちなど様々なタイミングで行ってください。
奥仲氏のおすすめは、「横断歩道を渡るとき」。
横断歩道は渡るのに15秒くらいあるので、「いの口」呼吸にはちょうどいいそうです。
(ひるおび 2025年3月5日放送より)
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<プロフィール>
奥仲哲弥氏
国際医療福祉大学医学部呼吸器外科 前教授
肺がんなど4500例を超える手術経験を持つ
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