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川崎市の住宅から遺体  不明女性(20)と関連は  “ストーカー被害”警察が動く条件とは【Nスタ解説】

国内
2025-05-02 22:40

川崎市の住宅から白骨化した遺体が見つかった事件。行方不明になっている女性との関連はあるのでしょうか。


【写真で見る】「適切な捜査がされていない」岡崎さんの親族たちは警察に訴えている


家宅捜索で見つかった「一部白骨化の遺体」と「行方不明の女性」2つの関連性は?

南波雅俊キャスター:
まずは経緯を振り返っていきます。

2024年12月20日、岡崎彩咲陽さん(20)が行方不明になりました。親族の話では「元交際相手からストーカー行為を受けていた」ということです。

2025年4月30日に、元交際相手の自宅の家宅捜索が行われました。理由としては、ストーカー規制法違反の疑いでということになります。

一部が白骨化した遺体は若い女性とみられ、1か月以上前に亡くなったとみられているという状況です。


親族は「1年くらい前に交際していた。別れてからストーカーみたいになった」と話しています。

自宅やアルバイト先などでつきまとい・待ち伏せがあったため、警察に相談しましたが“事件性はない”と言われたとのことです。そして、2024年12月9日~20日にかけて、岡崎さんは警察に9回電話していたという情報もあります。

捜査関係者によりますと、岡崎さんからの訴えを受けて、警察は2024年に元交際相手へ複数回、口頭で注意をしていたということです。

また、岡崎さんが2024年12月に行方不明になったことを受けて、元交際相手の男性に任意で事情を聞いていて、このとき元交際相手の男性は関与を否定していたということです。

警察はその後、防犯カメラの映像を確認するなど、岡崎さんの行方を捜査していたということが、新しい情報として入ってきています。


「なぜ4か月後?」行方不明から家宅捜索までの警察の捜査に疑問

南波キャスター:
家宅捜索まで4か月かかりました。新しい情報もありましたけれども、その他、これまでどのような捜査をしてきたのかは、1つ大きな疑問になってくると思います。

元埼玉県警 捜査一課 佐々木成三さん:
警察は、例えばストーカー事案や恋愛感情のもつれといった事案の相談を受けたときに、人身安全対策課といって、過去は生活安全部、もしくは、所轄で対応していたのを、捜査一課も間に入って、初動を間違いなくしようという体制を整えています。

今回の事件の捜査において、ストーカー行為などの相談を受けていて、警察が何もしていないというのは考えられない。なので、口頭注意をしたり、任意の捜索をしているということもあります。

1人の女性がいなくなっているということなので、事件として認知していたかはわかりませんが、防犯カメラの捜査というのは間違いなくやっていたと思います。


日比麻音子キャスター:
4月末にストーカー規制法違反の疑いで家宅捜索となりましたが、何をもってして、家宅捜索に踏み切ったのでしょうか?

元埼玉県警 捜査一課 佐々木成三さん:
そこは僕も1つの疑問だなと思います。警察がストーカー規制法違反と認知しているのであれば、岡崎さんがいなくなった直後に捜索差押をしてもいいです。それを4か月しなかったことに関しては、どのような理由があるのかと疑問に思います。何かしらできなかった理由があるのではと思っています。


ストーカー被害の約90%は警察への相談で解決 

南波キャスター:
ストーカー事案の相談件数を見ていきますと、2023年のデータでは1万9843件の相談があります(警察庁より)。

では、ストーカー被害の相談に対して、警察はどのように対応していくのか。そして、その相談に対して、警察が動く条件はどういうところにあるのか。


元埼玉県警 捜査一課 佐々木成三さん:
皆さんは、何かストーカー被害を受けて警察に相談すると、そのストーカーが逆上して大きな事件を起こすのではないかと思っている人が多いです。

しかし、実は1万9843件の相談数のうち、犯罪や事件として立件したのは1700件ほどです。90%ほどは、警察の指導や警告、あとは、ストーカーの規制法違反の接近禁止命令などで解決しているというのが現状です。

確かに殺人は、1年に1、2回は起きています。ですが、警察はストーカー相談を受けたときにはきちんとした対応として、警告や指導を行っていることが毎年増えているという実情があります。今、警察はストーカー行為を受けた場合、必ず初動はしています。

大きな事案を受ける前に、小さな事案から問題を解決していく。その体制を整えているというのはあると思います。

今回、後手に回ってしまったのかは、何かしらの理由があるのではないかと経験上、感じています。


日比キャスター:
ただ相談件数というのは後を絶ちません。今、悩んでいる人はどのような行動をとればいいのでしょうか?

元埼玉県警 捜査一課 佐々木成三さん:
ぜひ警察に相談してほしいと思います。警察に相談することで解決することの方が圧倒的に数は多いです。これは今、警察もストーカー被害の相談があった場合は必ず受けて、事件になる場合は事件にしますので、ぜひ相談してもらいたいと思います。

日比キャスター:
まずは相談をするということを、ためらわずに、ぜひお願いしたいですね。

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<プロフィール>
佐々木成三さん
埼玉県警本部捜査第一課に10年間在籍
現役時代はサイバー捜査の導入に着手


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