戦後80年にあたり、天皇皇后両陛下はきょう、広島を訪問されています。「絶対に戦争はやめなければいけない」と語る被爆者らと両陛下は、先ほどから懇談されています。
きょう、両陛下が訪問された原爆の爆心地付近に造られた平和公園。両陛下は慰霊碑に深々と拝礼したあと、花を手向けられました。
続いて訪問されたのは、原爆の遺構を保存する「被爆遺構展示館」。被爆前の人々の平穏な暮らしを再現した映像が流れ、その多くが犠牲になったと説明を受けると、陛下は「痛ましい」とつぶやかれました。
原爆資料館では、爆心地から5キロの街並みが一瞬にして焼け野原に変わる映像を真剣な表情で見られたあと、被爆者の一人と懇談されました。
93歳の才木幹夫さん。80年前、アメリカが広島に原爆を落としたとき、中学2年生でした。
その日、才木さんを含めた2年生は爆心地近くで建物の撤去作業をする予定でしたが、急遽、休みに。原爆が落ちたときは爆心地から2.2キロ離れた自宅にいました。
才木幹夫さん
「靴を履こうとかがんだときに、ぴかっと光に包まれたんですね。真っ白な光ですね」
才木さんは家族と共に一命を取り留めましたが、外に出た時の光景が忘れられません。
才木幹夫さん
「集団がもそっと降りてくる。うごめいているのがみんな人間。みんなの顔が真っ黒で髪の毛はちぢれて、皮膚もたれ下がっているような状態でしたね」
結局、2年生以外の同じ中学の生徒およそ350人は爆心地近くで作業していたため、犠牲に。才木さんは長年、うしろめたさを感じてきたといいます。
才木幹夫さん
「我々2年だけが生き延びているということに、後ろめたさを感じるんですね。原爆は忘れたかったですね。触れたくなかったですよね」
それでも、才木さんは92歳になった去年、証言活動を開始。きっかけは、ロシアによるウクライナ侵攻でした。
才木幹夫さん
「これを逃してはいかん、率直にありのままを話さなければいけないなと。絶対に戦争はやめなければいけないですね」
そして、きょう、慰霊のため広島県を訪問された天皇皇后両陛下との懇談に臨みました。
戦後、昭和天皇をはじめ、たびたび広島で原爆の犠牲者を弔ってきた皇室。両陛下がそろって慰霊碑に供花されるのは、皇太子時代の2000年以来25年ぶりで、即位後は初めてです。
あすは、被爆者が暮らす原爆養護ホーム「矢野おりづる園」で入所者と交流されます。
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