TOKIOの国分太一さんが、日本テレビの番組を降板することが20日発表されました。過去のコンプライアンス上の問題行為が複数あったとし、国分さんはコメントで無期限活動休止を発表しました。
国分太一さん “複数のコンプラ違反” 日テレ社長会見で分かったことは?
日比麻音子キャスター:
20日午前11時30分ごろ、日本テレビからTOKIOの国分太一さんについて、過去に複数のコンプライアンス上の問題行為があったと発表がありました。
この問題行為に関しての詳細は、「プライバシーの観点から説明を控える」としましたが、人気番組「ザ!鉄腕!DASH!!」からの降板を決定。また、この決定に関しては、第三者の弁護士による調査を実施し、臨時取締役会が招集され承認されたということでした。
出演者の降板について、臨時取締役会で決まるというのは異例の事態ですよね。
レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
会社として非常に重大事態と捉えているからこそ、臨時の取締役会を開き降板を決定させたという流れかと思います。
昨今、週刊誌トラブルが先行し、そこから降板に至っていくというケースが非常に多かった。今回、日本テレビ側が被害者的立場の人や関係者から報告を受け、調査し、そして発表したという経緯が大きな特徴だと思います。
日比キャスター:
では、どのような内容のコンプライアンス違反があったのでしょうか。
20日午後、福田博之社長から説明がありましたが、「日テレのコンプライアンス憲章に違反した」ということでした。しかし、「プライバシー保護の観点から、その行為につきましてはお話することはできません」と、詳細についてはほとんど語られることはありませんでした。
【日テレ社長会見で分かったこと】
・日テレが覚地したのは「5月27日」
・国分氏に伝えたのは「6月18日」
・刑事告訴は「しない」
・日テレ社員の処分は「なし」
・総務省には「報告済み」
・反社会的集団や暴力団は「関係していない」
・TOKIOの他のメンバーは「一切関係ない」
他にもいくつかありましたが、河西弁護士から見て、最も注目するべき点はどこでしょうか。
レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
「刑事告訴はしない」というところが大きなポイントかと思います。
「どういったトラブルなのか」と疑問に思っている人がいると思いますが、「刑事告訴しない」=「直ちに犯罪に該当するような行為がなかった」というわけでもありません。
刑事告訴というのは、犯罪行為に該当することがあり、被害者が「告訴する」と言えば、刑事告訴するか判断していくことになります。
どういったトラブルがあったのかは不明ですが、例えば、暴力的な行為があったとしても、被害者が「刑事告訴しない」と言えば、最終的に刑事告訴にならない、ということになります。
フジテレビ会見との違いは「会社側の主体的調査」と「コミュニケーション」
南波雅俊キャスター:
今回の会見では言えないことが非常に多かったです。フジテレビの会見の際も、なかなか答えられないということでかなり紛糾しました。フジテレビの会見との違いはなんでしょうか。
レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
決定的なポイントは、「会社が主体的に調査をしている」というところです。事案を申告した人と、会社側がコミュニケーションを取れているということが大きな違いかと思います。
1月のフジテレビの会見のときは、まず週刊誌報道が先行し、会見を開きました。当時の社長やフジテレビ側は、被害を受けた元女性アナウンサーと十分なコミュニケーションが取れてなかったわけです。その結果、「隠蔽体質」という声が噴出し、スポンサー離れに繋がっていきました。
今回は、おそらく被害者的立場の人や関係者から、日本テレビに報告が上り、今でもコミュニケーションが十分取れているのだと思います。
もし仮に、被害者的立場の人が「どういった事案なのかについては明らかにして欲しくない」と話しているとするならば、会社が事案内容を言ってしまうということはあってはならないので、「内容については言えない」という会見になることは、致し方ないと思います。
山内あゆキャスター:
今回は企業の対応として、どう受け止めていますか。
レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
できることを非常にやっていると思います。
日本テレビが覚知したのが5月27日、国分氏に伝えたのが6月18日ということで、日本テレビは3週間近く厳密に調査をしています。弁護士が入り、おそらく関係者などにどのような被害があったのか、ヒアリングや物的証拠について裏付けを進めているんだと思います。
刑事事件や懲戒処分においても、対象者の話は一番最後に聞きます。証拠や証言を固めていき、18日のタイミングで国分氏に伝え、国分氏が内容についておおむね認めたという経緯かと思います。
南波キャスター:
専門家弁護士の立場から見て、このスピード感はどうですか?
レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
結論、わからないです。つまり、遅いとも早いとも言えなくて、事案の内容次第になってきています。ですが、遅滞してる印象は受けないところではあります。
ただ、6月のタイミングで株主総会が開かれるので、それより前のタイミングで発表したかったということはあり得るかとは思います。
日比キャスター:
国分氏に伝えたのは6月18日ということもわかりましたが、福田社長からは「我々が調査・認識していることについて(国分氏に)確認したところ、『このようなことになってしまい大変申し訳ない』との言葉をもらった」と明かされました。
国分氏がこの問題について認識していたのは、「6月18日が最初だった」とみていいんでしょうか?
レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
国分氏が、否定しなかった旨は話しているので、事実関係は争ってはいないようです。
認識として、国分氏は重大事案だと思っていなかった、自分がしたことがそこまで重大ではなかった、というふうに認識してた可能性があると思います。
今後の活動についての影響は?
日比キャスター:
では、今後の活動についてどのような影響が出ていくのでしょうか。
TBSでもレギュラー番組「世界くらべてみたら」に出演していますが、TBSとしては、「事実関係を確認し、適切に対処します」としています。
CMの出演などについて、ジャパネットHDは差し止めが決定。また、出演している番組の出演も取りやめということになりました。
ただ、詳細がわからない中で、今後の番組やCMなど、活動に関してどのように判断していくことになっていくのでしょうか。
レイ法律事務所パートナー弁護士 河西邦剛さん:
逆に、詳細がわからないからこそ降板をさせざるを得ない状況というのが、昨今のコンプライアンス意識の高まりの中であるかとは思います。
そこの主導権というのは、国分氏側や、株式会社TOKIO、STARTO ENTERTAINMENT社側がどういった情報発信をしていくのか、というところです。
現状は「引退」ではなく「活動休止」としていますが、復帰する際に必ずこの問題が注目の対象になってきます。
なので、マネジメント会社や国分氏がどう事実関係を公表していけるのかが、各社との関係、メディアとの関係で非常に大きなポイントになってくるかとは思います。
日比キャスター:
国分氏も株式会社TOKIOのHPで「長年の活動において自分自身が置かれている立場への自覚不足、考えの甘さや慢心、行動の至らなさが全ての原因です。期限を決めずに全ての活動を休止し、自分を見つめ直させていただきます」とコメントを発表しています。
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〈プロフィール〉
河西邦剛さん
レイ法律事務所パートナー弁護士
芸能・エンターテインメント分野の法律問題が専門
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