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参議院選挙、序盤の情勢分析 「自公で過半数」微妙か 約4割「まだ投票先決めてない」でどうなる?【Nスタ解説】【選挙の日、そのまえに】

国内
2025-07-08 16:20

今月20日に投開票が行われる参議院議員選挙。JNNが序盤情勢を分析した結果、自民・公明の与党で、非改選含めた過半数を維持できるか微妙な情勢であることがわかりました。


【図で見る】全国的に野党系優位の「1人区情勢」


現状の与野党勢力 自公で過半数は微妙な情勢

高柳光希キャスター:
まず、現状の与野党勢力は、▼与党が141議席、▼野党系が98議席となっています。そこから非改選議席を除くと、自民・公明の与党で過半数を超えるためには50議席が必要となります。

現状の獲得議席は、どのような情勢でしょうか?


【獲得議席の予測(序盤情勢)】
▼自民 35~50(-17~-2)
▼公明 8~13(-6~-1)
▼立憲 20~31(-2~+9)
▼国民 9~18(+5~+14)
▼参政 7~16(+6~+15)
▼維新 6~9(+1~+4)
▼共産 3~6(-4~-1)
▼れいわ 3~5(+1~+3)
▼社民 0~1(-1~±0)
▼保守 1~2(+1~+2)
▼他 6~8


TBS報道局 選挙本部 本杉美樹デスク:
自民・公明は、いずれも序盤情勢の獲得議席予測では、上限をとっても公示前と比較してマイナスになっていますので、議席を減らす公算が大きいと見ています。自公を合わせた与党の勢力としても、50議席を獲得できるかは微妙な情勢です。

一方、野党の立憲民主党は選挙区で堅調です。野党の中でも大きく議席を伸ばす見込みなのが、国民民主党と参政党です。国民民主党は選挙区・比例とも大きく積み増す見通しで、参政党は保守票を取り込み、選挙区でも議席を獲得する可能性があります。

野党の中では共産党が厳しい状況です。それから、党としての存亡のかかる社民党が1議席を獲得できるかは微妙な情勢となっています。


井上貴博キャスター:
まだ投開票日まで10日以上あるので何が起きてもおかしくありません。現状どのようなことが気になっていたり、着目していたりしますか?


経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
もちろん各党の経済政策を見ています。減税・給付や選択的夫婦別姓といったワンイシューだけではなく、軍事やエネルギー、あるいは社会保障をどう考えているのかをトータルで見て、党を選択していかないといけないと見ています。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今回は、自公で50議席を取るか取らないかで事実上の“政権選択”に繋がる可能性がある選挙なので、そういう点では非常に面白い選挙だと思います。


1人区情勢は全国的に野党系が優位 自民陣営も必死の巻き返し図る

高柳キャスター:
重要となってくるのは1人区です。


選挙本部 本杉デスク:
今回の情勢だと、▼与党優勢が9、▼野党系優勢が12、残る11の選挙区は接戦となっています。東北は野党系優勢か接戦。それから四国はすべて野党系優先となっていて、全国的にも与党が苦戦しています。


前回、2022年の参院選と比較すると、前回は野党共闘がうまくいかず、与党が大勝した参院選でした。

そのときの1人区では、28の選挙区で与党が議席を獲得しています。今回は接戦区をすべて取っても、今の情勢だと与党で20というところですから、22年には大きく及ばない見通しです。

そして、1人区の中で特に注目したいのが鹿児島です。今回、鹿児島は野党系優勢とみていますが、鹿児島は自民党・森山幹事長のお膝元で、元々保守に強い選挙区です。

鹿児島が1人区となった2001年以降、8回の参院選ではすべて自民党が議席を獲得している選挙区ですが、今回は野党優勢となっています。


高柳キャスター:
なぜ、今まで鹿児島は与党・自民が取っていたのにもかかわらず、野党が優勢になっているのでしょうか。


選挙本部 本杉デスク:
現在の情勢では、無所属で立憲民主党の推薦を受けている尾辻朋実候補が優勢となっています。鹿児島では、元々共産党が独自の候補を擁立する予定でしたが、それをとりやめて、尾辻候補を自主的に推薦する形にして、事実上の野党共闘が成立しています。

また、尾辻候補は前参議院議員の尾辻秀久氏の娘で、保守票の一部が尾辻候補に流れていることも、野党優勢となっている原因の一つと考えています。

自民陣営も7日、石破総理が鹿児島入りして園田修光候補を応援するなど必死の巻き返しを図っています。

今回、紹介しているのは現時点(7日)の情勢で、選挙戦はあと2週間ほどあります。調査でも「まだ投票先を決めていない」と回答した人も4割あまりいて、鹿児島を含め、全国の情勢がこの後の選挙戦で大きく変わる可能性もあると見ています。


経済情勢が不満に繫がっているか 自民党が強い地域でも野党系優勢に

井上キャスター:
地域性という面を含め、それぞれ何か言えることはありますか。


星さん:
今までは、どちらかというと東北と新潟・長野あたりは自民党が弱く、野党系が強い選挙区でした。逆に、九州や四国は自民党が強いだろうと言われていました。

しかし、今回の特徴は九州もかなり野党系が優勢、接戦の選挙区も増えているということです。今まで自民党がかなり強力だと言われていた地域はいずれも地方なので、やはり物価高やガソリン高など、経済情勢が政権に対する不満に繋がっていると思います。


出水麻衣キャスター:
その傾向はいつぐらいから出てきたのでしょうか。


星さん:
前回2022年は、自民党は圧勝していますので、この3年間の物価高の影響は非常に大きいと思います。

鹿児島のように自民党や保守系の票が崩れ、相手候補に行くと、自民党が減り相手が増えますから、2倍の効果があります。その現象が今、鹿児島で起きつつあるということだと思います。


井上キャスター:
「優勢」と「接戦」の差をどう捉えればいいでしょうか。


選挙本部 本杉デスク:
「接戦」は甲乙がつけがたい、どちらが上とも言いがたいような、すぐにひっくり返るような情勢だと思っています。

「優勢」に関しては、今は明確に与党なり、野党系なりがリードしているという状況ですが、この2週間でいろいろなことがあれば、変わりうる候補もいるだろうというような状況とみています。


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<プロフィール>
本杉美樹
TBS報道局 選挙本部デスク
情勢分析のブレーン

星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年

馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事 “日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説


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