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自民・鶴保議員「運のいいことに能登で地震」発言に妻と娘を亡くした被災者が怒り 「家族は“運よく”いなくなったのか」【news23】

国内
2025-07-10 12:48

「運のいいことに能登で地震があった」。8日、こう発言したのは自民党の鶴保庸介参議院議員です。家族を失った被災者からは「僕の家族は“運がよかった”でいなくなったのか」と怒りをあらわにしています。


【写真で見る】鶴保議員発言に被災者「僕の家族は運が良かったからいなくなったのか」


「運のいいことに能登で地震」

自民党 鶴保庸介参議院予算委員長
運の良いことに能登で地震があったでしょう。やればできるじゃないかという話になってしまった。チャンスです」


8日、和歌山市で行われた参院選の自民党候補の応援演説に駆けつけた鶴保議員。


演説では、二つの地域を行ったり来たりする、いわゆる「二拠点生活」の推進を訴えていました。


自民党 鶴保庸介参議院予算委員長
「時には、父や母やふるさとを振り返りながら帰ってこられる。自分の人生のゴールにすることを考えられる。そんな仕組みを作るべきではないか。総務省は普通はこういう時は立ちはだかって反対をする」


そして、例に挙げたのが能登半島地震。


自民党 鶴保庸介参議院予算委員長
運の良いことに能登で地震があったでしょう。緊急避難的ですけど金沢にいても輪島の住民票がとれるようになっていった。やればできるじゃないかという話になってしまった。チャンスです。2つの地域で住民票登録ができるんだと」


さらに…


自民党 鶴保庸介参議院予算委員長
「地震が上の方であったのが、あの輪島だとか…あの…たま…何だっけ?あの上の方ね、能登半島の北の方ね」


珠洲市の名前を挙げたかったのでしょうか。


2024年の元日に発生した能登半島地震。この地震で610人が亡くなり、全壊・半壊した家屋は2万4000棟以上。現在も2万人近い人が仮設住宅で生活しているのが実情です。


そうした中で鶴保議員は「運のいいことに能登で地震があった」と発言したのです。


鶴保議員発言に被災者は… 家族は「運がよくていなくなったのか」

川崎市で飲食店を営む楠健二さん(57)。2024年の元日、楠さんは輪島市の自宅で家族と一緒に過ごしていました。


しかし、地震が発生し、自宅兼店舗は倒壊した7階建てビルの下敷きに…


妻・由香利さん(48)と長女・珠蘭さん(19)が犠牲になりました。


楠健二さん
「2人同時は結構きついよ。本当に。1人でもきついけどさ」


倒壊した自宅から妻がプレゼントしてくれた時計を探す楠さん。


ーー毎年誕生日プレゼントをもらっていた? 


楠健二さん
「くれるんだよね。俺はあげていないけど。前も時計だったんだよね。なにせ時間を守らない男だから」


ーーそういう意味が込められている?


楠健二さん
「そうだね」


大切な家族を失った後も、気丈に、そして前を向き、神奈川県で店を再スタートさせました。


楠健二さん
魚は全部能登


ーーそこまで能登にこだわる理由は?


「こっちきてるから少しでも、あっち(能登)の力にならないといけない。おしぼりも能登、箸袋も能登から来ている」


店のメニューは輪島の店から持ってきたもの。描かれているのは、楠さんと亡くなった妻のイラストです。


今回の鶴保議員の発言について、楠さんは…


楠健二さん
「心がないね。そこに心あらずだね。あれだけの事があって、やっと1年半、まだ1年半。昨日のように地震が起きたような感覚で毎日仕事しているし生きている。目の前でこっちは家族を亡くしている。家がなくなりました、店がなくなりました。ぼくだけじゃない、たくさんいる。僕の家族は運が良かったからいなくなったのか、その議員に聞いてみたい。運が良かったから、僕の店はなくなったんですか。選挙があるから、一生懸命なのはわかるけど、そんなの知らないよ。こっちにしてみたら」


他の被災者も抱く思いは同じです。


被災者
「おもんばかることができないのか。ぽろっと言っちゃうんでしょうね。思っていることを言っちゃうんでしょうね。もうかわいそうな人だと思います」


被災者
「少しずつ前むいて歩こう歩こうとしとるときに、非常識やなというのは思う」


与野党からは…


立憲民主党 野田佳彦代表
「信じられない。失言というレベルじゃない」


自民党 森山裕幹事長
「発言としては極めて適切ではない発言でしたので、きょう厳重注意をさせていただいた」


発言撤回も議員辞職「考えていない」

発言から一夜明け会見を開いた鶴保議員は…


自民党 鶴保庸介参議院予算委員長
「能登地方が被災したことを『運良く』などと発言してしまいましたが、思った発言では全くありません。言葉足らずであったと同時に、(被災地を)例示として出すにも適当であったかどうかをですね、深く考えなければならないと思います。被災地の支援をさせていただく、その気持ちに変わりありませんから、どうか今回のことは失言であったとお許しをいただきたいと思います」


発言を謝罪し撤回しました。


ーー番重いもので議員辞職、または離党される方もいますが、現状そのことは考えているか?


自民党 鶴保庸介参議院予算委員長
「そこまでは考えてません。現状ですよ」


小川彩佳キャスター:
どうしてあの質問への答えでこうして表情を緩めることができるのでしょうか。全く理解できません。会見では「配慮不足」「言葉足らず」などというふうにおっしゃっていましたが、そうした問題ではなく、被災地への痛みの想像力が1ミリでもあれば出てこようがなかった発言だったと思います。こうした発言は撤回しても、その本質が消えることはありません。


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