10日に関東を襲った猛烈な雨ではマンホールのフタが吹き飛び、2人がけがをしましたが、こうした危険は今後、本格化する台風シーズンにも潜んでいます。週明けには台風が関東に接近するおそれも出てきました。
これは11日午後3時半ごろ、奈良県の生駒山からの映像です。兵庫方面の上空には巨大な入道雲、その奥には雨雲があり、雨柱のようなものも見えます。
兵庫県尼崎市にある競馬場では午後6時前から激しい雨に。
また、兵庫県西宮市にある甲子園球場で行われた阪神・ヤクルト戦では0対6、ヤクルトリードで迎えた2回の裏、強い雨が降り始め、一時中断。4万人以上の観客が入りましたが、およそ50分後の再開まで、雨に打たれながら待つ子どもの姿もありました。
再び、生駒山からの映像。先ほどの入道雲からおよそ2時間後、今度は雨柱が大阪上空に広がっています。
その雲の下、大阪市内にある人気テーマパークでは客が突然の雨に見舞われていました。
大阪市や茨木市には大雨警報が発表、茨木市では1時間で38.5ミリの激しい雨が降りました。
巨大な雨柱は京都でも発生していました。長岡京市では1時間に46.5ミリの激しい雨が降りました。
連日、各地を襲うゲリラ雷雨。
10日夜、横浜市では…
道路から噴き上がる大量の水。バイクがそばを通り過ぎようとした瞬間、マンホールのフタとともに周辺の道路が吹き飛びました。
飛び散ったアスファルトの欠片が近くにいた車のフロントガラスを突き破り、車内にいた9歳の男の子と母親(39)がけがをしたということです。
横浜市はマンホールのフタが吹き飛んだ原因について「エアーハンマー現象」だと見られると説明しています。
一体、どんな現象なのか。専門家は…
日本グラウンドマンホール工業会 大石直豪 事務局長
「集中豪雨の際に短時間で急激に流れ込んだ雨水によって、下水道管の中にある空気が急激に圧縮されて、圧縮された空気がハンマーのようにマンホールのフタ、あるいは内部を叩きつける。古いマンホールのフタだと吹き飛ばされてしまう」
下水管を想定した管に大量の水を流し込む実験では、容量を超えた水が勢いよくマンホールから噴き上がりました。
今回、吹き飛んだマンホールの下には一時的に雨水を貯める貯留管があります。
横浜市によると、貯留管は1時間に60ミリ程度の雨なら耐えられる構造だと言いますが、当時、付近では1時間に100ミリの雨を観測し、記録的短時間大雨情報が出されていました。
去年8月には東京・新宿でも吹き飛んだマンホールのフタ。
専門家は圧力を逃がす機能がついていない古いマンホールが全国に350万基ほどあり、どこで起きてもおかしくないと指摘します。
日本グラウンドマンホール工業会 大石直豪 事務局長
「マンホールのフタがカタカタと音を発しているとか、マンホールのふちの部分から空気が逃げようとする『プシュー』とか『ゴボゴボ』という音、仮にそのようなものを見たり耳にしたときは、ただちにマンホールから離れていただきたい」
こうした危険は、これから本格化する台風シーズンにも…。
現在、小笠原近海には熱帯低気圧があり、24時間以内に台風になる見込みです。
週明けに関東に接近するおそれもあり、雨の降り方や高波などに注意が必要です。
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