全国最多の候補者数となった東京選挙区。7議席をめぐって32人が激戦を繰り広げています。
東京選挙区の情勢は?
井上貴博キャスター:
東京選挙区の中盤情勢はどうなっていますか。
政治部 市澤牧彦 デスク:
東京選挙区(議席7)の中盤情勢について、12日・13日にインターネットで調査を行いました。
▼東京選挙区(議席7)の中盤情勢
<優勢>
自民 鈴木大地氏
立憲 塩村文夏氏
共産 吉良佳子氏
参政 さや氏
公明 川村雄大氏
国民 牛田茉友氏
<接戦>
自民 武見敬三氏
立憲 奥村政佳氏
<追い上げ>
国民 奥村祥大氏
れいわ 山本譲司氏
維新 音喜多駿氏
保守 小坂英二氏
社民 西美友加氏
他
調査の結果では、自民党の鈴木大地氏が頭一つ抜けています。続いて立憲民主党の塩村氏、共産党の吉良氏、参政党のさや氏、公明党の川村氏が先行しているという状況です。さらに国民民主党の新人の牛田氏がやや優勢です。
残り1つの議席を、自民党の現職の武見氏と立憲民主党の奥村氏が激しく争っている状況です。さらに国民民主党の奥村氏も数字上はかなり追い上げています。
そのほかに、以下の候補がいて乱立しています。
吉永藍氏、土居賢真氏、藤川広明氏、峰島侑也氏、酒井智浩氏、福村康広氏、桑島康文氏、渋谷莉孔氏、吉田綾氏、吉沢恵理氏、市川たけしま氏、平野雨龍氏、山尾志桜里氏、千葉均氏、増田昇氏、辻健太郎氏、早川幹夫氏、石丸幸人氏、高橋健司氏
山尾氏は国民民主党から出ることができず、無所属で出ることになりましたが、情勢としてはかなり厳しい状況です。
公示前の改選議席と獲得議席の予測です。
▼公示前の改選議席
自民党 52
公明党 14
立憲民主党 22
日本維新の会 5
共産党 7
国民民主党 4
れいわ新選組 2
参政党 1
社民党 1
日本保守党 0
他 8
▼獲得議席の予測(中盤情勢)
自民党 28~44
公明党 5~11
立憲民主党 24~32
日本維新の会 5~8
共産党 3~6
国民民主党 11~21
れいわ新選組 3~4
参政党 8~18
社民党 0~1
日本保守党 2~3
他 7~9
自民党は現在52議席ありますが、多く見ても44議席なのでかなり減る可能性があります。公明党も減る可能性が高いです。自民・公明で合計すると、目標としている50議席を割り込む可能性がある状況です。
参政党の新人と国民民主党の新人がかなり上位に入る可能性
今回の選挙の特徴ですが、特に議席を伸ばしそうなのが参政党と国民民主党です。
東京選挙区でもそうですが、参政党の新人と国民民主党の新人がかなり上位に入る可能性が出てきていて、その分、自民とか立憲が押し出されるという構図が多く出てきています。
井上貴博キャスター:
こうした構図はあまり考えられていなかったと思いますが、どのあたりで変わってきてるんでしょうか。
政治部 市澤牧彦 デスク:
都議選の後です。都議選までは、参政党が伸びてくるかもしれないという話はありましたが、優勢の部分にほぼ無名の新人が入ってくることは予想できませんでした。
今まで議席を持っていなかった参政党や国民民主党が複数人区で議席を取り、自民党や立憲民主党の現職が押し出されるようなドラスティックな動きの情勢が出たのは直近のことで、都議選までは我々も予想できていませんでした。
井上貴博キャスター:
都議選と参院選で分けて考えるべきだという考えもあれば、リンクしてくるんだなとも併せて感じます。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
期間が1か月もなく、選挙日程も近いので、その時の流れが今に繋がっているところがあるなという印象です。
政治部 市澤牧彦 デスク:
このような構図が、千葉、埼玉、愛知、福岡、神奈川、茨城などの多くの地区でみられています。複数人区では、参政党が入ることで既存の政党が押し出されるという構図が多くみられています。
1人区の情勢では、青森から新潟・長野あたりの東日本はもともと野党の地盤なので、野党派優勢は想定内です。
ただ、日本維新の会のある関西を除いた西日本は、自民党に圧倒的に強い地盤があり、野党が上がれることはなかなかありません。ですが、今回の情勢では、四国全てが野党系優勢。そして、鹿児島と宮崎で野党系優勢になり、熊本と佐賀では接戦になっています。選挙を多く見てきてる中で、初めて見る情勢です。
過去には2007年の参院選で自民党が大敗したことがありました。「消えた年金問題」の時に四国で全て野党系が通り、自民党だけで1人区は6しか取れませんでした。今回は自民・公明で優勢な与党系が8なので、2007年以来、自民党にとってはかなり厳しい状況です。
2009年には民主党への政権交代があったので、自民党にとってはそのとき以来のかなり厳しい状況であると言えると思います。
自公「過半数割れ」の場合 石破総理の進退は?
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
中間情勢ですから情勢が変わる可能性はありますが、1週間前の調査と比べても自民・公明がさらに厳しい状況になっています。1週間前は「過半数を維持できるかという微妙な情勢」とお伝えしましたが、「過半数割れの可能性」と、さらに変わってきています。残りの日数でどうなっていくか、最後の勝負でしょう。
井上貴博キャスター:
まだあくまで頭の体操ですが、自民・公明が過半数割れした場合はどうなるのでしょうか。
TBS報道局 岩田夏弥 政治部長:
最初に焦点になるのが石破総理の進退です。石破さんが続投するのか、それとも退陣を選ぶのか。
続投となれば、衆議院・参議院の両方とも与党が過半数割れで、両方で少数与党という前代未聞の状況なので国会運営がどうなるのか。他の党と連携するのかというように、選挙戦が終わった後もどうなっていくのかがなかなか見通せない、前代未聞の状況が訪れる可能性があります。
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<プロフィール>
市澤牧彦
TBS選挙本部長 政治部デスク
野党合流など取材
10年以上選挙の情勢分析を担当
岩田夏弥
TBS報道局 政治部長 元官邸キャップ
小渕総理以来、主に政治取材を担当
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