
北海道で新聞配達をしていた男性がヒグマに襲われ死亡するなど、人の生活圏でクマの被害や目撃情報が増えています。
住宅街に現れる“人を恐れないクマ”の危険性と対策は?
30年以上ヒグマの生態を調査する、酪農学園大学の佐藤喜和教授に聞きます。
【写真を見る】“人を恐れないクマ”の危険 なぜ今、人里に下りてくるのか?【ひるおび】
住宅街に出没“ヒグマ”
7月12日、北海道・福島町で新聞配達をしていた男性がヒグマに襲われ死亡しました。
18日に駆除されましたが、その後に別の個体が国道沿いで目撃されるなど未だ緊張状況が続きます。
住宅街に出没し人を襲うヒグマ。
環境省によると、ヒグマの大きさは体長1.5~2メートル、体重は100〜200キロほどですが、酪農学園大学の佐藤喜和教授は、冬眠前の秋には400キロを超える個体も出てくるといいます。
佐藤教授によると脅威となるのは主に2つです。
<1>スピード <2>ツメ
<1>スピード
走った時の最高速度は時速約60キロメートルにもなります。
ルーマニアでスキーヤーが撮影した映像では、時速約50キロメートルで撮影者を追いかけ、速度を落とすことなく5分以上追い続けるという持久力も…。
<2>ツメ
2024年4月、林道を走っていた車のドライブレコーダーで撮られた映像では、突進してきたヒグマのツメでワイパーが破壊され、フロントガラスにヒビが入りました。
コメンテーター 秋元里奈:
距離があるところからいきなり襲ってきているので、クマがその体勢に入ってしまっていたら後ずさりしてもどうしようもないですね。
人里に現れるのはなぜ?
佐藤教授は「今、人里におりてくる理由」として
<1>繁殖期の後半で、オスがメスを求めて動き回っていること
<2>餌となる春の山菜などが減り、人里にある家庭菜園やごみを荒らしていること
があるといいます。
“人を恐れないクマ”とは
また、住宅街でのクマ被害が増加している一因として、“人を恐れないクマ”が増えたことも挙げられます。
近年、山林と住宅街の間にあった畑や果樹園が減ったことで、クマの生息する山と住宅街の距離が近くなり、住宅街のすぐ裏でクマが冬眠や子育てをするようになりました。
その環境で育った個体は車や人が身近になり、人を怖がることなく市街地周辺に出没する“人を恐れないクマ”となるとみられています。
今後の対策は・・・
「人を恐れないクマ」が人里に下りなくなるようにするためには
<1>ごみ捨てルールの徹底
<2>餌となるものを敷地に放置しない
<3>電気柵の設置
などで街全体をクマが入りにくい場所に変えていく必要があるといいます。
クマの餌となる山菜が少ない8月、9月も引き続き警戒が必要です。
(ひるおび 2025年7月17日放送より)
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<プロフィール>
佐藤喜和氏
酪農学園大学 教授
30年以上ヒグマの生態を調査
ヒグマ対策の最前線に立つ
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